井上尚弥はなぜ陥落? ウシク、クロフォードとの“三つ巴”の様相になるPFP論争に米記者が持論「僅差のトップ3だ」

2024年5月21日(火)6時0分 ココカラネクスト

ネリ戦を制して2年ぶりの防衛を果たした井上。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 歴史上でもハイレベルな争いになっている。ボクシング界の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」を巡る論争だ。

 とりわけ注目を集めるのは、米老舗専門誌『The RING』のPFPだ。「最も価値がある」と評されるそれなのだが、トップがここにきて目まぐるしく入れ替わっている。今月9日(現地時間)には、3日前にルイス・ネリ(メキシコ)の挑戦を退けて2年ぶりの防衛を果たした世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が1位に選出された。昨夏以降でトップに君臨していたWBAスーパー・WBC・WBOスーパー世界ウェルター級統一王者のテレンス・クロフォード(米国)が抜かれた形だ。

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 だが、わずか9日後に事態は変わった。18日にサウジアラビアの首都リヤドで行われたボクシングのヘビー級世界4団体統一戦で、WBC王者タイソン・フューリー(英国)に判定勝ちを収めたWBA・IBF・WBO統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が、ヘビー級史上初の世界4団体統一を達成。『The RING』もPFPを更新し、37歳の巨漢戦士を1位に選出。井上を2位に、クロフォードを3位とした。

 身長差15センチ、体重差は12.9キロもあるフューリーと打ち合いを演じ、大半のラウンドで主導権を握ったウシクの試合内容を考えれば、必然の1位評価ではある。だが、あっさりと井上の順位が変動したことで、一部のファンや識者からPFPの在り方に疑問の声が飛んだ。

 もっとも、クロフォードを含めて3人の2階級での4団体統一を果たした“王者”たち全員を評価する声も上がっている。『The RING』の元編集長であるトム・グレイ氏は「僅差のトップ3だ。イノウエが見事な勝利を収めれば、それを認めるべきだろう。逆に今回のようにウシクが一歩リードすれば、それに反応すべきだ」と強調。際限なく変動するPFPに持論を展開する。

「そうするべきだ。パフォーマンスレベルに関係なく、イノウエのネリ戦が、ウシクのフューリー戦を凌駕するものだったと正当化しようとする人がいるとは思えない。少なくとも審査員は団結して、そんな狂気を粉砕するはずだ。イノウエは世界のボクシング界で最も好きなファイターだが、ここはウシクに花を添えるのがふさわしい」

 今後も各国メディアで続々と最新PFPを発表されていくとみられる。そのなかで井上、クロフォード、ウシクの“三つ巴”は大きな注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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