平川亮が大逆転の今季2勝目。参戦4戦目の三宅淳詞&TEAM GOHがSF初表彰台を獲得【第4戦オートポリス決勝レポート】

2022年5月22日(日)18時1分 AUTOSPORT web

 2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦決勝が5月22日にオートポリスで行われ、8番グリッドスタートの平川亮(carenex TEAM IMPUL)が大逆転で今季2勝目を飾った。2位はサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が入り、今季2度目の表彰台を獲得。3位は三宅淳詞(TEAM GOH)が続き、三宅とTEAM GOHは参戦4戦目で初の表彰台獲得となった。


 前日の曇り空から一転、決勝日のオートポリスは初夏の陽気に包まれた。午前中のフリー走行から強い日差しが降り注ぎ、決勝レース直前には気温24度、路面温度はこの週末で一番高い44度を記録した。


 42周の決勝レースの注目のスタートは、抜群のスタートダッシュで野尻智紀(TEAM MUGEN)が1コーナーをトップで通過。やや出遅れた宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)を押さえて牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2番手に上がり、その後方に笹原右京(TEAM MUGEN)が続いた。


 後続の集団では3コーナーに入るところで最後尾からスタートした大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)がアウト側にコースオフ、クラッシュしてしまう。これによりレースは早々にセーフティカー(SC)が導入されることになった。


 この時点での上位陣は、野尻、牧野、そして平川という顔ぶれ。8番グリッドからスタートし、1コーナーへは6番手あたりで飛び込んで行った平川だったが、日立Astemoコーナーを立ち上がる時点では4番手にポジションアップ。さらに第2ヘアピンで宮田をかわし3番手に大幅ポジションアップを果たしていた。


 4周目に入るところでレースが再開されると、3番手につけていた平川が牧野のテールに接近。5周目に入るとオーバーテイクシステムを作動させ、1コーナーでアウト側から一気にオーバーテイク。スタートからほぼ2周で7ポジションアップに成功した。


 しかし、その後方ではまたもアクシデントが。2コーナー先で小林可夢偉(KCMG)がコース上でストップ。どうやら他車と接触した模様で、マシンに大きなダメージを負ってしまい、これで2度目のSCが導入された。


 9周目に2度目のリスタートを迎えると、宮田、笹原の4位争いがヒートアップ。1コーナーから始まった接近戦は3コーナーまで続いたが、宮田はここを抑えきると前の牧野を追いかけていく。その牧野は10周を終えたところでタイヤ交換へと向かい、宮田は3番手にポジションアップした。


 この周、後方では11番手争いの大嶋和也(docomo business ROOKIE)と関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が接触。大嶋は左リヤタイヤがスローパンクチャーしてしまい緊急ピットインを余儀なくされ、その後関口にはドライブスルーペナルティが課されている。


 トップの野尻は、タイヤ交換を済ませた牧野とのギャップを計るように周回。15周を終えたところでピットへと向かう。チームは牧野よりも約1秒早い作業時間で野尻をコースへと送り出し、野尻は牧野の前でコース復帰に成功した。この時点で平川と野尻の差は約31秒。平川はここから1分30秒台のラップタイムを並べて野尻との差を少しずつ広げていく。


 その間に、宮田が18周を終えるところでピットイン。野尻との差は約28秒と、逆転に届くかどうかぎりぎりの距離だったが、宮田は何とか野尻と横並びでコース復帰。ただしコールドタイヤでは勝負できず、1コーナーへは野尻が先行して入っていった。


 平川はレース距離の約半分となる20周を終えたところでピットイン。わずかに左リヤタイヤの交換に時間がかかったが、野尻の前でコースに復帰した。コールドタイヤの平川に対して一気に迫っていく野尻だったが、3コーナーまでで野尻の攻めをしのぎ切った平川が実質のトップを守ってレース後半に入っていく。


 平川を追いかけたい野尻だったが、背後の宮田の方がペースが良く、平川の逃げを許すかたちに。野尻対宮田の争いは24周目に最接近。宮田はほぼ1周にわたってオーバーテイクシステム(OTS)を作動させながら野尻を猛追していき、25周目に入った1コーナーではあわや追突かというところまで近づいた。しかし野尻も巧みにオーバーテイクラインをふさぎ、宮田を押さえていった。


 すでにタイヤ交換を済ませた上位3名の争いに注目が集まる中、静かにギャップを広げていたのが暫定でトップと2番手を行くサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)と三宅淳詞(TEAM GOH)だった。フェネストラズは1分30秒台のラップタイムを並べ、平川がピットに入ってからはトップを快走。野尻との差が約32秒となった28周終了時点でピットへと向かった。左フロントタイヤがすぐに外れず、ピット作業は9.3秒とやや時間がかかったものの、ぎりぎり野尻の前でコース復帰。アウトラップで野尻の追撃を抑えきると、30周目には1分29秒台の自己ベストラップをたたき出してギャップを広げていった。


 さらに、フェネストラズのピットインで暫定トップに立った三宅も1分30秒台から31秒前半のタイムで周回。32周を終えてピットに入ると、野尻の前で復帰。野尻はなんとか三宅をとらえようとOTSも駆使して食らいついていくが、すでに15周以上を走ったタイヤではフレッシュタイヤにはかなわず、これで表彰台圏内からドロップすることになった。


 三宅のピットインで全車が義務付けられたタイヤ交換を終え、平川が名実ともに首位に浮上。その後ろにはフェネストラズ、三宅と並んでいた。トップ3の中でもタイヤがフレッシュな三宅は、34周目には1分29秒台、翌周には1分28秒747のファステストラップをマークしてフェネストラズとの差を一気に詰めたが、すでに築かれていたギャップは大きく、逆転には至らず。平川もフェネストラズに背後を脅かされることなく、2.3秒のギャップを保って今季2度目のトップチェッカーを受けた。


 第4戦の表彰台には、これまでと異なった顔ぶれが並ぶことに。フェネストラズはスーパーフォーミュラデビューイヤーの3位が最高位だったが、今回自己最高位を更新。三宅は今季のルーキー勢の中で表彰台獲得一番乗りとなった。野尻は4位でチェッカーを受けて表彰台こそ逃したものの、ポールポジションの3ポイントと合わせて今大会で11ポイントを獲得。シリーズランキングトップを死守している。


 次戦となる第5戦は6月18〜19日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。2022年シーズンも折り返しに差し掛かろうという中、21人のドライバーはどのような戦いを繰り広げることになるだろうか。

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