王者中升 ROOKIE AMGが盤石の2連覇。初挑戦TKRI松永建設AMGが2位に/富士24時間決勝レポート
2024年5月26日(日)20時49分 AUTOSPORT web
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5月25日、静岡県の富士スピードウェイで15時に始まったENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦『富士SUPER TEC 24時間レース』の決勝レースは、26日15時に24時間レースのフィニッシュを迎え、ST-Xクラスの1号車中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/ジュリアーノ・アレジ/蒲生尚弥/片岡龍也)が総合優勝を飾った。
雨模様となったナイトセッションを終えて16時間を経過した富士24時間レースは、陽が昇る時間帯になると空も落ち着き、路面はドライコンディションへと変化していく。
全体の3分の2を終えた時点で総合トップに立つのは、ST-Xクラスの23号車TKRI松永建設AMG GT3。2番手の1号車中升 ROOKIE Racingは、先に10分間のメンテナンスタイムを行ったため、23号車は2番手1号車に対して4周のリードを築いていた。
残り5時間となったタイミングで23号車はマシンをガレージに戻し、10分間のメンテナンスタイムへ。ここで1号車がポジションを取り戻し、リードは逆転する。23号車には中山友貴が乗り込み、2番手でコースに復帰した。2台のAMG GT3と、3番手の31号車DENSO LEXUS RC F GT3とはすでに約1周のギャップが開いており、総合優勝争いはこの2台の戦いとなる。
残りが4時間ほどになった時点で、首位1号車中升 ROOKIEを駆るジュリアーノ・アレジと23号車TKRI松永建設を駆る中山友貴の差は約1周。ふたりは近いペースで周回を重ね、ギャップをキープしたまま1号車は鵜飼龍太へ、23号車は元嶋佑弥にドライバーを交代する。
追う元嶋は、1ラップごとに2〜3秒ずつギャップを詰める追い上げを見せ、1号車鵜飼と20秒差まで差を縮める走りを見せたが、追い詰めるには至らず。首位を守り切った鵜飼は1号車のステアリングを蒲生尚弥に託し、レースは最終盤へ。
先頭が見えてきた23号車元嶋は、ダブルスティントで1号車蒲生を追い上げ、残り1時間となったころには10秒差まで近づいた。ここで元嶋はDAISUKEにラストスティントを託し、マシンを降りる。
逃げる1号車中升 ROOKIEも最後のピットインをしてドライバー交代。チェッカードライバーはアレジとなった。
ペースで勝るアレジは、1号車の持つリードをさらに広げ、チェッカーまでに1周のリードを築く盤石な走りを披露。セーフティカーや赤旗もなく、順調に24時間を経過した2024年の富士24時間レースは、雨上がりの陽光が射すなかでアレジが乗る1号車中升 ROOKIEを先頭に、チェッカーフラッグが振られた。
2位には今回が富士24時間レース初参戦となった23号車TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴/松浦孝亮)が続き、3位には31号車DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀/永井秀貴/中山雄一)が入って表彰台の一角を得た。
GT4マシンが争うST-Zクラスは、夜間のウエットコンディションで22号車EBI GROUP Cayman GT4 RS CSと19号車BRP★FUNDINNO PORSCHE 718 GT4 RSが好ペースを発揮し、レース中盤をリードする。しかし、夜が明けてドライコンディションになるとトヨタGRスープラ勢が反転攻勢を見せた。
なかでも2台のポルシェを追っていた885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOが先陣を切り、朝方にクラストップに躍り出てレースをリード。52号車埼玉 GB GR Supra GT4も2番手に続いたが、首位を奪うには一歩及ばず。885号車が1周のリードを保って、クラス首位でチェッカーを受けた。
2号車シンティアム アップル KTM1台が出走しているST-1クラスは、レース序盤から原因不明の不調を抱えながらもトラブルシューティングを重ね、24時間で274周を走り切った。
ST-2クラスは、ノントラブルで24時間を走り切った13号車ENDLESS GRヤリスが2年連続のクラス優勝。ST-3は夜間の雨でペースを得た39号車エアバスター WINMAX RC350 TWSが日が昇った後もリードを保ち、逆転で勝利を収めた。ST-4クラスは884号車シェイドレーシング GR86が2位の41号車エアバスターWINMAX GR86 EXEDYに3ラップの差を築き、独走でトップチェッカーを受けた。
ST-5クラスは、17号車DXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2がピット回数も抑えながらも、雨の時間帯には好ペースで周回を続けて24時間をトラブルフリーで完走。見事ST-5クラスの富士24時間レース3連覇を飾っている。
自動車メーカーの開発車両が走るST-Qクラスは、序盤中盤と好ペースで周回を重ねていた230号車Nissan Z Racing Conceptがもっとも多い周回を重ねていたが、残り3時間のタイミングで他車との接触により右リヤのサスペンションを破損し、ガレージイン。これで序盤の接触から挽回を見せていた92号車GR Supra Racing Conceptが周回数で上回り、最終的にクラス最多の715周を駆け抜けた。
230号車は92号車に次ぐ685周をこなし、24時間レースを無事に完走。3番目に多い673周をこなしたのは、今大会が一旦のラストレースとなった61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptだ。61号車と近いペースを見せたのは、667周をこなした12号車MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept。その後方に640周を走った28号車ORC ROOKIE GR86 CNF concept、613周を重ねた271号車Honda CIVIC TYPE R CNF-Rと各車600を越える周回をこなした。
55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは505周、32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは332周を走り、ST-Qクラスに出走した全車が24時間を走り切っている。
ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEの次回大会は、大分県のオートポリスで行われる第3戦の5時間レース。約2カ月後の7月27日から28日にかけて行われる予定だ。
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