KYBがイスラエル企業と次世代EV車向けサスペンションを共同開発。トヨタ実験都市『ウーブンシティ』にも登場か?/オートスポーツweb的、世界の自動車

5月27日(水)16時53分 AUTOSPORT web

 日々、世界各国の自動車にまつわるWEBサイトやSNSを隈なくチェックしているオートスポーツweb新車ニュース班が「これは面白い!」と感じた珍事(?)や情報をピックアップしてお届けする『オートスポーツweb的、世界の自動車』。


 今回は、さまざまなカテゴリーのレースにショックアブソーバーを提供していることで知られるKYBが、イスラエルに本拠を置くEVベンチャー企業『REEオートモーティブ』と、EV車向けの共通プラットフォームを共同開発するというニュースをお届けします。


* * * * * *


 2020年5月20日、REEオートモーティブは次世代EVプラットフォームを開発するため、日本のKYBと戦略的パートナーシップを結んだことを発表した。


 REEオートモーティブは2019年に誕生したテクノロジー企業で、メイン事業はEV用のプラットフォーム開発だ。


 その技術力は非常に高く、非上場企業ながら同社の評価額は5億8000万ドルと言われている。


 近い将来、REEオートモーティブは評価額10億ドル以上の企業に与えられる“ユニコーン企業”の称号を獲得するのでは……と、世界中の投資家から注目されている企業だ。
  
 REEオートモーティブは、三菱自動車や日野自動車ともパートナーシップを結んでいる。日野自動車とはインホイールモーターの共同開発も行うなど、結びつきも深い。


 今回、REEオートモーティブと新たにパートナーシップを結ぶことになったのが、KYB株式会社だ。


 KYBは油圧機器メーカーとしてグローバル展開する独立系のメーカーで、2015年にカヤバ工業からブランド名の『KYB』を新たな屋号として採用している。


 日本のモータースポーツ界にも参画しており、過去にはF1やニュルブルクリンク24時間レース用のマシンにショックアブソーバを提供するなどの実績を持つ。


 今回の共同開発プロジェクトにおけるREEオートモーティブの狙いは、KYBの持つ世界最先端のサスペンション技術ノウハウの獲得だ。

REEオートモーティブ主導のEVプラットフォーム。サスペンションの開発はKYBがサポートしていく
REEオートモーティブ主導のEVプラットフォーム。サスペンションの開発はKYBがサポートしていく


 REEオートモーティブが現在開発中のEV用モジュールプラットフォームは、車体のボディ下部が平らなことが大きな特徴だ。


 このプラットフォームと駆動系部品を一体で開発し、ひとつのモジュール(かたまり)として展開する算段だ。


 下部の動画でも紹介されているが、このプラットフォームによって様々な形状のEV車を開発することが可能となる。


 REEオートモーティブが開発するこのプラットフォームは、設計の自由度が高く、小型車から大型車、またロボットタクシーなど、さまざまなモビリティへ適用が効く。工場内での荷物運搬車や、短距離移動に特化した車両など、適用できる箇所は豊富に考えられる。


 そして平らなプラットフォームに取り付く足まわりだが、タイヤホイールの内側にブレーキ、サスペンション、電気モーター、操舵システムが収まる非常にコンパクトな設計となっている。


 KYBはこのサスペンション領域を中心にREEオートモーティブをサポートしていくことになる。


 KYBのアクティブ、そしてセミアクティブサスペンションシステムは、舗装路からでこぼこな道まで、様々な環境下での走行を支える。これによりREEオートモーティブは、プラットフォームの汎用性を拡張し、加えて開発コスト低減を図れると期待を膨らませる。


 車両の完成スピードも従来の自動車に比べて早まるだろう。足まわりを含むプラットフォームが既製品として提供されれば、それ以外の部品開発にリソースを絞れる上、部品点数が削減可能だ。製造工数が大幅に縮小されるのは想像に容易い。


 加えて時代の進歩にともないリチウムイオンバッテリーの低コスト・大容量化が成されれば、長距離移動やエアコンなどの快適機能の充実化が可能になると推定される。


 このプラットフォームが使用されたモビリティを目の当たりにする機会があるとすれば、真っ先に思い浮かぶのが、トヨタ自動車が静岡県裾野に建設する近未来都市『ウーブンシティ』だ。


 ウーブンシティの交通手段はゼロエミッションのモビリティとされ、EVが中心となる。


 ウーブンシティでREEオートモーティブ製プラットフォームが採用されるかは不明だが、将来の日本をはじめ、世界の交通手段を支える可能性は充分にあると言えるのではないか。


 いずれにせよ、世界を面白くさせるイスラエルの期待の星と、その足元をささえる日本の老舗企業に注目していきたい。


 日野自動車が2019年、東京モーターショー向けに製作した未来の暮らしを題材にしたアニメ『あの日の心をとらえて』。同作に登場するモビリティが、やがて現実になるかもしれない。


トヨタ自動車のコネクテッド・シティ構想『ウーブンシティ』
トヨタ自動車のコネクテッド・シティ構想『ウーブンシティ』

AUTOSPORT web

「世界」をもっと詳しく

「世界」のニュース

「世界」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ