U-20日本代表、完勝の要因。炸裂するゲーゲンプレッシング、取り戻した本来の姿と「授業料」【U-20W杯】

5月27日(月)11時57分 フットボールチャンネル

U-20メキシコ代表に完勝

 U-20日本代表は26日、FIFA U-20ワールドカップ2019のグループリーグ第2節でU-20メキシコ代表と対戦し、3-0で勝利している。フィールドプレイヤー10人全員がハードワークを惜しまず、グループリーグ突破に王手をかけた影山ジャパン。U-20メキシコ戦は、多くのものを取り戻せた試合でもあった。(取材・文:本田千尋【ポーランド】)

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 誰もが「ハードワーク」を惜しまなかった。U-20エクアドル戦で日本を救った守護神は、目の前で戦う仲間たちに「安心感」を覚えたという。

26日に行われたU-20ワールドカップのグループB、U-20メキシコ代表戦。U-20日本代表は、築き上げてきた持ち味を存分に発揮した。

 試合後、GK若原智哉は、いたく感嘆した様子だった。

「フィールドのみんなが、攻撃から守備への切り替えをめっちゃ早くしてくれたので、キーパーとしても後ろから見て安心感がありましたし、シュートを打たれるところでも体を張って守ってくれるところがあったので、こっちとしては本当にありがたかったです」

 3日前に南米王者との初戦を1-1のドローに終えた若き日本代表。「絶対勝つ」という共通意識でメキシコ戦に臨んだ。必勝を期したのは、グループ最終戦の相手がU-20イタリア代表で、ここで勝ち点3を確保しなければ厳しい状況に追い込まれるから、ではない。若原によれば、エクアドル戦の前半にあったという。

「この前の試合(エクアドル戦)の前半は、思ったように自分たちのプレーができなくて、そこで反省しました。次の試合は立ち上がりから、前半から、自分たちの思ったことをしっかりやっていこう。そういったことを引き出すために、『この試合(メキシコ戦)に勝つ』って影山さんは言っていたんじゃないかなあと思います」

「払った授業料をしっかりと取り戻そうじゃないかと」(影山監督)

 若き守護神は、指揮官の意図を確かに汲み取っていた。試合後の会見で、影山雅永監督は次のように述べている。

「初戦の前半に授業料を払うことになりました。(エクアドル戦の)後半、やっと勇気を持って安定した守備から攻撃のきっかけを作ることができたんですけれども、今日の試合(メキシコ戦)で払った授業料をしっかりと取り戻そうじゃないかと。そういった自分たちで感じているものを表現するようにしてくれと、私からも言いましたけど、選手たちも自分たちで言っていましたので、そんなものを発揮してくれたんじゃないかなと思います」

 序盤こそプレーが固く決定機も許したU-20日本代表だが、15分も過ぎる頃には落ち着きを取り戻していった。こちらの不意を突いてきた相手の中盤ダイヤモンドの[4-4-2]にも柔軟に対応。何よりチームとしての守備の意識が高い。ボールを失ってもすぐに奪い返しに行った。若原によれば、ドイツ風に言うと“ゲーゲンプレッシング”が、このチームの特徴である。

「チームの立ち上げからずっと、影山さんは『攻撃と守備の切り替えのスピードをどこよりも早くしよう』ということを言っているので、この大会ではそういうところを見せることができているんじゃないかなあと思います」

 21分の日本代表の先制点は、そうした高い守備意識がもたらしたもの、と言えるだろう。相手のクリアボールをダイレクトでゴール前に入れ、FW宮代大聖の“バースデー弾”をアシストしたMF藤本寛也は、次のように振り返っている。

「だいたいあの辺に落とせばいいかな、とは思って、タイセイがうまく感じてくれて、フィニッシュしてくれました。その前の過程でこぼれ球を拾うという部分で、あそこで相手に拾われちゃうとカウンターを受けちゃうし、自分が拾えればいい起点にもできたと思うので、良かったかなと思います」

「ハードワーク」の重要性

 また、藤本が警戒したように、「カウンター」に対する「リスク管理」も、守備陣を中心にチームが徹底していることである。CB瀬古歩夢は言う。

「得点を重ねるごとに試合は落ち着きましたけど、その分後ろは、リスク管理を徹底しながら、攻撃の時のリスクを考えながらやっていました。やはり攻撃する時に自分たちディフェンス陣がどれだけリスク管理をできるかっていうのは、どの試合もそうですし、次の試合もしっかり続けていけたらいいなあと思っています」

 そして30分も過ぎる頃には、ボランチで主将の齋藤末月を中心に、奪ったボールをしっかりと繋げるようになってきた。「安定した守備から攻撃のきっかけを作ることができた」。対照的にU-20メキシコ代表は、上手くパスを繋ぐことができない。そもそも、どこでどのようにボールを奪うのか、はっきりしなかった。

例えば、昨年のロシアワールドカップでフル代表がドイツ代表を相手に繰り広げたような爆発的なカウンターは皆無。“要注意の10番”ディエゴ・ライネスも、いつの間にか試合から消えていた。

 日本代表は、52分、CKから田川亨介がヘディングで追加点を挙げる。リードを2点に広げてなお、集中を切らさず、守備の意識を高く保ち続けた。77分にダメ押しとなる3点目を決めた宮代は、やはり「ハードワーク」の重要性に触れている。

「今日みんながハードワークした結果、無失点っていう結果に終わることができたと思うので、そういう意味では、すごく良いゲームだったと思います」

 最終的にU-20メキシコ代表を3-0で下したU-20日本代表。誰もがハードワークを惜しまず、本来の姿と、「払った授業料」をしっかりと取り戻した。

(取材・文:本田千尋【ポーランド】)

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