「火の球ストレート」を持つ藤川球児氏が「あんな投手はいない」と語る最強投手とは

2023年5月28日(日)6時0分 ココカラネクスト

巨人のエース、クローザー、またメジャーに渡っても活躍した上原氏(C)CoCoKARAnext

 元阪神、メジャーリーグでも活躍、名クローザーとして日米通算61勝、245セーブ、164ホールドの記録を積み上げ、昨年12月に名球会入りをも果たした藤川球児氏が、上原浩治氏のYouTubeチャンネル「上原浩治の雑談魂」に出演。

 これまで対戦してきた数多くの選手の中で、自身が思う敵わない選手について語った。

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 現役時代を通して、藤川氏が1番打たれた選手でいうと、A.ラミレス氏(通算対戦成績49打数17安打、打率.347、4本塁打9打点)だというが、その見た目の数字以上に嫌だった選手がいたという。

 藤川氏が、「僕が掃除をやっていないとかで、帰りの会で手を挙げて何かをチクるような奴」として例え、名を挙げたのが、かつて中日の名コンビとして一時代を築いた荒木雅博氏・井端弘和氏による「アライバコンビ」だ。

 先の例で挙げたように、常に気にしなくてはいけない存在だったというが、その真意についてこのように口にしている。

「お前のこと鬱陶しくないよ、という感じでとにかくバレないようにマウンドで立ち振る舞いをしないといけない存在でしたね。怖いという感情が出てしまうと、マウンドで時間をとってしまったりしてバレる。そういった空気感を出さないよう、いかにも簡単に退けてるようにしなくてはいけなかった。1点を守りにいく仕事をしている立場からすると、1番嫌な存在だったかもしれないですね」

 藤川氏といえば、ゆったりとしたフォームから、打者の手元で浮き上がるように伸びるようなストレートが武器であり、その球威や球筋から「火の玉ストレート」と呼ばれるなど、自身の代名詞であった。

 そんな藤川氏ですら、そのストレートが敵わないと口にするのが、対談相手でもあった上原氏だった。

 現役時代、2度のWBCや北京五輪など国際大会で共に日の丸を背負ってプレー経験のある両者だが、同じチームでプレーをし、間近でその投球を見る中でその凄さを感じたという。

 藤川氏が投じる球種では、ストレートは高め、フォークは低めというように、球種によって高低差をつけていたという一方で、上原氏は「バーチャルのピッチングマシーンのように球種がわからない状態で腕を振られたら打てない」というように、どの球種も同じゾーン目掛けて投じる手前、打者の手元にボールがきて初めて球種がわかるような球だったという。

 球種は多いほうではなかったが、様々なテクニックを駆使し、メジャーの強打者を封じ込めた。分業化が進む現代の野球界の中で世界でたった2人しか達成していない「トリプル100(100勝・100ホールド・100セーブ)」という偉業を成し遂げた上原氏(日米通算134勝、128セーブ、104ホールド)。それゆえ、現役選手で上原氏に近い投手はいるかという問いに対して藤川氏は「いないですよ」と即答するほど、同じ投手として尊敬の意を示し、自身も名球会入りを果たし、レジェンドとも言える存在であるだけに、上原氏の凄さがよりわかる話であった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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