大坂なおみ、赤土の準備万端だったからこその涙 会見で悔しさ露わ、英語で汚い言葉も 全仏オープン1回戦敗退

2025年5月28日(水)5時0分 スポーツ報知

◆テニス ▽全仏オープン第2日(26日、フランス・パリ)

 【パリ26日=吉松忠弘】女子シングルスで、4大大会4度の優勝を誇る世界ランキング49位、大坂なおみ(27)=フリー=が1回戦で敗れた。同10位のパウラ・バドサ(27)=スペイン=に逆転負け。会見では自責の念から、英語の汚い言葉が飛び出すほど感情が高ぶった。一時、退席し悔しさと悲しさの涙があふれた。赤土にかけた大坂の執念を、吉松忠弘記者が「見た」。

 試合終了が午後4時21分。通常、約15分ほどで会見の開始時間がアナウンスされるが、この日、大坂の会見は午後5時を過ぎても決まらなかった。何が起きているか。広報が接触できないほど、うちひしがれていることが容易に想像できた。

 今年は苦手だった赤土で、最高の準備を積んだ。全仏前、赤土の戦績は8勝3敗。これは、大坂が4大大会本戦に初出場した2016年以降、最多の試合数で勝ち星も最多だ。赤土で重要となる安定性に加え、相反する攻撃する勇気も備え、単発ではなく、赤土のシーズンを維持した。

 会見場に現れた大坂には、すでに泣きはらした跡があった。「もっとうまくやれるはずだった」「1回戦で負けるとは思わなかった」。何度も悔しさをにじませた。そして、昨年9月から指導を受けるムラトグル・コーチに話が及んだときだ。

 「彼は世界最高の選手と一緒にやってきた。なのに、(私は)一体、何をやっているの!」。コーチの名声を汚した自責の念と悔しさで感情が高ぶった。自らを叱咤(しった)した言葉に、いつもは絶対に使わない汚い英単語が交じった。

 最高の準備をしながら、第1セットを奪いながら、敗退した自分の情けなさを責めた。「人を悲しませたくなかった」。感情が抑えられなくなり、数分、退席した。その姿に、今大会にかける執念を感じた。赤土で学んだテニスは、パワー頼りだった大坂に、間違いなく新しい扉を開けた。その執念は決して無駄ではない。

スポーツ報知

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