香川真司、トルコに別れ。ベシクタシュでの4カ月は何を意味するのか

5月28日(火)8時17分 Sportiva

 トルコの観客は、熱しやすく冷めやすい。ベシクタシュは第31節でガラタサライに敗れ、優勝戦線から脱落する。するとその頃から、客足が遠のき始めた。ふだんはほぼ満員になるホームスタジアムのボーダフォンアリーナは、今季最終節のカスムパシャ戦、およそ4分の1から3分の1の入りだった。観客数の正式な発表はなかったが、スタジアムのキャパシティは4万2000人ということなので、1万人から1万5000人程度だろう。

 せっかくホームでの最終節だというのに、それは寂しい光景だった。そして3−2で勝利を飾ったにもかかわらず、試合後のミックスゾーンに、チームは選手たちを出さなかった。その理由はわからないが、トルコ人記者たちも、どこかあきらめ顔だった。

 そのカスムパシャ戦に、香川真司は先発出場し、80分に退いた。自身が無得点だったこともあり、少しうなだれた様子だったが、場内から暖かい拍手が送られたことに気づくと、視線を上げて拍手を返した。


トルコリーグ最終節、カスムパシャ戦に先発した香川真司(ベシクタシュ)

 香川はベシュクタシュに加入して14試合に出場。そのうち先発は4試合で計4得点という結果だった。拍手が送られた理由は、来季、香川がここにいないことが暗黙の了解になっているからだろう。

 試合から2日たち、香川は自身のSNSに「タイトルを取れなかったことと、思ったほど貢献できなかったことを後悔しています。チームメイト、スタッフ、トルコのファンのことはすばらしい思い出です」と、英語で記した。

 香川の2018−19シーズンはとても厳しいものだったと言わざるを得ない。

 ロシアW杯で1ゴールを挙げて戻ったブンデスリーガ。だが、ドルトムントで迎えた新シーズンは不遇だった。出場機会は激減し、子供の頃から夢見ていたスペインリーグでのプレーを実現させるべく、秋にはメディア上で移籍希望を公言した。だが、冬の市場でスペイン移籍はならず、移籍期限の最終日にベシクタシュを選択した。

 香川がイスタンブール行きの飛行機に乗った頃、ドイツではハノーファーが獲得希望を明らかにした。ハノーファーの選手たちの間でも、報道を見て「カガワが来るらしい!」と話題になっていたそうだ。だが、結局は間に合わなかった。

 ベシクタシュでは、途中出場したデビュー戦こそ2ゴールを挙げたが、その後、なかなか先発の座をつかめなかった。試合勘、ゲーム体力を取り戻すところから始めたわけだから、必ずしも悪い結果とは言えないが、「思っていたほど貢献できなかった」のは確かだろう。助っ人としてチームを大きく変える存在にはなり切れなかった。

 それでは香川にとって、ベシクタシュでプレーした4カ月間はどのような意味を持つのだろうか。

 出場機会を得たことで、ある程度フィットネスを取り戻すことはできた。90分出場した試合は少ないが、逆に途中出場が多かったため、そこで試合の流れを変えることはできていた。先発出場とはギアの入れ方が違う、途中出場のコツを掴んだかもしれない。シーズン前半戦の流れから見て、ドルトムントにいては難しいことだっただろう。

 夢のスペインリーグへの移籍のために、アピールになったのか。そう言い切るには少々難しいところがあるだろう。トルコリーグはやはり各クラブのレベルにかなりのばらつきがある。チャンピオンズリーグ(CL)に出てくるような、たとえばガラタサライとの試合であれば、クオリティも高く、見応えもあるが、下位チームとの試合ともなると、どんなに活躍してもあまりプラスの要素にはなりそうもない。

 しかし香川は、この4カ月間がどのような意味を持とうと、次につなげなくてはならない。

 スペイン移籍希望を公言してからまだ半年しかたっていない。今後に関しては、イングランド、ドイツ、はたまた日本復帰と、さまざまな噂が飛びかっている。考えてみれば、欧州に渡って以来、香川はリーグ戦で優勝争いをしたり、CLに出場しているクラブにしか在籍していない。

 ここはスペインのリーグ下位のクラブへの移籍の可能性を探るくらい、割り切るべきではないだろうか。どうにかして夢を叶える、そのためのシーズンオフとなる。

Sportiva

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