11度目の挑戦でインディ500を制したパワー「アドレナリンで寝ることができなかった」

2018年5月29日(火)7時42分 AUTOSPORT web

 第102回インディ500を制したチーム・ペンスキーのウィル・パワー。11度目の挑戦での勝利を挙げた彼は、その晩に眠ることができなかったようだ。


 2008年にKVレーシングからインディカーに参戦したパワーは翌年チーム・ペンスキーに移籍。2010年からはフル参戦し5勝を挙げる活躍を見せた。ロード/ストリートで強さを見せるパワーは2014年に念願のシリーズチャンピオンを獲得したが、インディ500では2015年に2位が最高位。


 今年は予選で3番手とフロントローを獲得し、レースでも勝利にまい進した。最後はトップ争いをしてきたエド・カーペンターを寄せ付けず念願のインディ500トップチェッカーを受けた。


「崩壊した気分だよ。泣きたいね。叫ぶのをやめることができなかったし、信じられなかった」


「(最後のリスタートについて)彼らを交わす必要があった。どれくらい燃料を持っているかわからなかったからね。でもこれが人生のリスタートとなった。彼らがピットに向かったんだ。これで勝つことができるとひとりで叫んでいた」


「インディ500をどうやったら勝てるかずっと困惑していた。長い間考えていたよ。キャリアでは多くの勝利やポールを獲得していたけど、いつもみんなはインディ500について語っていたからね」


「今日はリードしたいレースだったんだ。良いクルマを持っていれば、リーダーとして引き離すことができる。僕はそれが好きだよ。2008年や09、10、11年もこのようなレースだった。スピードがあってもタイヤが劣化するので、大きく差を開くことができなかった」とパワー。


 ビクトリーサークルでは前年のウイナーで友人の佐藤琢磨もパワーに声を駆けに行くなど多くのドライバーや関係者が彼を祝福した。翌日の記念撮影に現れた彼は寝ることができなかったと語る。


「悪い日のときはいつもしている。繰り返して繰り返し考えるんだ。たぶんレースについて考えなかったのは初めてのことだよ。レースで何が間違っていたかを考え、もっとうまくやれたかもしれないってね。でも完璧な一日だったんだ。ミスを犯さなかったし、ピットでもね」


「セレブレーションやこのレースを勝利した気分を味わっていた。アドレナリンで寝ることができなかったよ。肩の荷が下りた感じだね。インディ500を勝つことが何を意味するのか、もう疑問に思うことはないよ。今、僕はそれを理解しているし、言葉にはできないね」

ロジェー・ペンスキーとティム・シンドリックと記念撮影をするパワー


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