『TCRヨーロッパ SIM Racing』第3戦はナジー&オモラのBRGヒュンダイ勢が制覇

2020年5月29日(金)14時45分 AUTOSPORT web

 5月27日(水)開催の『TCRヨーロッパ SIM Racing』第3戦ハンガロリンク・ラウンドは、BRC Racingのチームメイトであるダニエル・ナジーとマット・オモラが勝利をシェアし、ナジーはeシリーズ4勝目をマーク。アクシデント満載のレース2を制したオモラとともに、実力者ふたりのヒュンダイi30 N TCRが強さを見せた。


 人気レースシムの『Assetto Corsa Competizione(アセットコルサ・コンペティツィオーネ)』を採用した同イベントは、リアルなシリーズに参戦するプジョー308TCRやルノー・メガーヌR.S.TCRなど、TCR規定ツーリングカーの主要車種を網羅するなど、実際の選手権を忠実に再現。また、レギュラー勢のほとんどが参戦する仮想空間での各イベント成績優秀者には、対応する現実のレースでもヨコハマタイヤ2セットが無償供給されるプライズが用意された。


 そのeシリーズ第3戦の予選で速さを見せたのは、開幕戦ハットトリックと第2戦レース1での勝利に続き、3戦連続ポールポジションとなったナジーで、地元ハンガロリンクの地の利も活かし、レース1スタートでも僚友オモラを引き連れて悠々ホールショットを奪っていく。


 しかし2番手オモラの地位は短命に終わり、前戦レッドブルリンクのレース2ウイナーであるニールス・ラングフェルド(アウディRS3 LMS/Comtoyou Racing)にドアをこじ開けられ、トラックを外れて10番手にまでポジションダウン。


 このアクションで漁夫の利を得たのは、ラングフェルドのチームメイトであるジル・マグナス(アウディRS3 LMS/Comtoyou Racing)で、長らく2番手の位置をキープしていたマグナスだったが、13周レースの終盤8周目にペダルのトラブルが発生し敢えなく脱落。代わってオーレリアン・コンテ(プジョー308TCR/DG Sport Compétition)がラングフェルドを抑えて2番手を守り、開幕戦を回線トラブルで落としたコンテが初表彰台を獲得する結果となった。


 続くレース2では前戦トップ12のリバースグリッド方式が採用され、ニコラス・バート(アウディRS3 LMS/Comtoyou Racing)がリバースポールに。フロントロウ2番手にはジュリアン・ブリシュ(プジョー308TCR/JSB Compétition)が並んでのレーススタート。


 ここで波乱に巻き込まれたのがレース1勝者のナジーで、12番手から発進したBRC Racingのヒュンダイはテディ・クレーレ(プジョー308TCR/Team Clairet Sport)、ケビン・チェコン(アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR/Romeo Ferraris)、ジャンニ・モルビデリ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/WestCoast Racing)らとのアクシデントに巻き込まれ、15番手にまで下がってしまう。

3戦連続ポール、6戦4勝とバーチャル空間で無類の強さを披露するダニエル・ナジーが、地元でのレース1を制した
開幕戦でも活躍を演じたタマーシュ・テンケ(セアト・クプラTCR/Tenke Motorsport)は、レース1でラングフェルドを追走し4位に


 おなじく、このアクシデントで12番手となったラングフェルドに代わってレース1をペダルの不具合で落としたマグナスがジャンプアップに成功し、先頭集団を追う体勢に入っていく。


 バートが首位で逃げを打ち、ビクトル・ダビドフスキー(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR/PSS Racing)や地元のベンス・ボルディズ(セアト・クプラTCR/Zengő Motorsport)、ジミー・クレーレ(プジョー308TCR/Team Clairet Sport)らにオモラが加わる2番手争いが続いたレースは、7周目のターン10でダビドフスキーを仕留めたクレーレが、じわじわとバートのマージンを削っていく。


 首位バートを上回るラップタイムで差を詰めたクレーレは、最終ラップを前にテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込むと、ターン4の進入でインサイドへ。しかしバートの抵抗に遭いドアが閉められると、2台は接触しバートはバリアに激突。このアクシデントに乗じたオモラがトップでチェッカーを受け、2位にボルティズ、バトルで失速したクレーレが3位に踏み止まった。


「レース1はアクシデントでクルマが真っ直ぐに走らず、なんとかポジションを失わないことだけを考えた」というオモラだが、これでeシリーズ初勝利。


「レース2は対照的にクールな展開で、至るところで接触バトルがあった。ハンガロリンクはオーバーテイクポイントがなく、ツーリングカーは接触上等だ。とくにドライバーの力量がおなじ場合にはね。ファンには楽しめたんじゃないかな」と振り返ったオモラに対し、レース1を制したチームメイトも祝福の言葉を掛けた。


「僕はレッドブルリンク同様にリバースのレース2でクラッシュに巻き込まれたけど、オモラには本当におめでとうを言いたい」と語ったナジー。


「実はレース1も、首位で6周目に入ったところで必要な残り燃料が足りないことに気づいた。そこからはすべてのストレートでスロットルを早めにリフトしコースティングしていたから、正直『このレースは終わった』と思っていたんだ」


「こうしてリフト&コーストを活用するとこれほどの燃料がセーブできるとは知らなかったから、良い勉強になったよ。マットと僕はとても良い関係にあり、こうしてeシリーズに慣れるのは良いことだと思う。このまま実際のレースに向けて準備を進めていきたいね」


 全7戦予定で3戦までを終えた『TCRヨーロッパ SIM Racing』シリーズは、再び2週間後の6月10日(水)に第4戦を開催。仮想空間のポールリカールを舞台に2ヒートで争われる。

レース2、7周目のターン10でビクトル・ダビドフスキーを仕留めたジミー・クレーレが首位に迫っていく
最終周で勝利が転がり込んできたマット・オモラがトップチェッカーを受け、第3戦はBRC Racing完全制圧となった


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