現在リーグ2位、上り調子の阿部巨人を悩ます「5番問題」 注目される"最適解"の行方
2025年5月29日(木)17時22分 ココカラネクスト

大城は昨季も5番打者として勝負強い打撃を見せた(C)TakamotoTOKUHARA
巨人は28日の広島戦(金沢)に4−1と勝利。1番・増田陸の先頭打者弾、4番トレイ・キャベッジのアーチなどもあり投打がかみあって快勝。先発の山崎伊織は7回途中6安打1失点の粘投でリーグトップタイの6勝目をマークした。
【動画】笑顔が光る!大城がイースタン・ロッテ戦で豪快なアーチをかけたシーン
直近5試合は4勝1敗と調子を上げてきた阿部巨人。この試合では自身初のクリーンアップと3番起用となった泉口友汰も猛打賞としっかり結果を残した。
新リードオフマン、増田陸の攻撃的な打撃、キャベッジも再び調子を上げてきた。泉口の攻守にわたる奮闘など明るい材料も増えてきた。ただそんなチームの懸案事項としてあがるのは「5番問題」にある。
開幕戦を「5番・中堅」として迎えたエリエ・ヘルナンデスが今季はここまで打率.220、2本塁打、8打点と苦しんでいる。阿部慎之助監督も直接指導を行うなど、何とか状態を上向かせようとするが、一進一退の状態が続く。
来週から交流戦がスタート。ヘルナンデスといえば昨年は「交流戦の鬼」として打ちまくったとあって、これを機会に浮上が期待されるが、替わりのポイントゲッターとすれば、ベテラン丸佳浩の存在も注目される。
今季は開幕直前の負傷で離脱。先の北陸遠征から1軍復帰し、早速27日の広島戦(富山)では9回二死一塁の場面で代打として出場、初球を安打とするなど、さすがの打撃を見せた。
昨年はチーム2位の14本塁打をマークするなど勝負強さを持ち合わせるエイトマンに5番を託したいところではあるが、開幕前に痛めた脚の状態も心配される。長いシーズンを考えれば、無理はさせられず思案どころともなりそうだ。
またファームで注目の存在としては大城卓三もいる。
今季1軍では23試合に出場、打率.149、2本塁打にとどまり、24日に抹消されていた。
その大城は28日のイースタン・ロッテ戦に「5番・捕手」で先発出場。1発を含む、3打数2安打3打点と大暴れした。
第1打席で適時二塁打を放つと、3回無死一塁で回ってきた第2打席はロッテ先発・中村亮太の直球を振り抜き、右中間フェンスを越える豪快な2号2ランを放った。ダイヤモンドを1周、ベンチの祝福に笑顔もこぼれた。
元々打撃の良さで知られるベテラン捕手も今季はここまで打撃低迷に苦しんでいる。
ただ昨年も5月8日に不振が原因のファーム落ちの時期があり、交流戦明けに5番に定着してからチームの得点力アップに大きな力となった経緯もあり、首脳陣の判断が注目される。
主砲の岡本和真の長期離脱がわかった際には、危機感が走ったチームも持ち直してきた。リーグ連覇、日本一に向けても大事なピースとなる「5番打者」の役割は誰が担うのか。今後の戦いぶりも注目となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]