山倉和博は巨人捕手初のシーズンMVP 最長13年間「15」背負った「意外性の男」…背番号物語
2025年5月29日(木)6時0分 スポーツ報知
81年、大洋戦で逆転の満塁本塁打を放った山倉
優れた投手が多い印象の「15」だが、変わり種の選手が、捕手の山倉和博と言えるだろう。
早大から77年のドラフト1位で入団。78年、4月1日、開幕の阪神戦(後楽園)。巨人では武宮敏明以来31年ぶりに開幕戦での新人捕手スタメンとなり、堀内恒夫とバッテリーを組むと、4回の第2打席で初安打、初本塁打をマークした。
江川卓、西本聖らの女房役として87年まで8年連続100試合以上にマスクをかぶるなど、80年代後半までレギュラー捕手を務めた。「15」を背負った期間は13年間、この番号で最長の記録だ。
ただ、名捕手というだけではなく、山倉には「意外性の男」という称号もあった。82年の打率は・196。規定打席に到達しながら2割未満という打者は、その後、現れていない。一方で85年7月12日の阪神戦(後楽園)では史上6人目の3イニング連続本塁打。翌86年も8月26日の広島戦(後楽園)でも1試合3本塁打の離れ業を披露している。
また87年には22本塁打を放ち、巨人捕手として史上初のシーズンMVPを獲得した。その後の巨人捕手のMVPは25年後の阿部慎之助まで待つことになる。