サカキン編集部が劇的な幕切れとなったCL決勝を厳選…1位は試合終盤にドラマが待っていた「あの」試合!

2019年5月31日(金)20時45分 サッカーキング

サッカーキング編集部は、劇的な幕切れとなったCL決勝をピックアップした [写真]=Getty Images

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 欧州クラブの頂点を決める戦いが、まもなく始まる。今季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝に勝ち残ったのは、トッテナムとリヴァプール。両雄は6月1日(日本時間28時)、アトレティコ・マドリードの本拠地『エスタディオ・メトロポリターノ』で相まみえる。

 過去のCL決勝では、度々予想もつかない劇的な展開が繰り広げられてきた。観る者たちが呆気にとられるような、永遠に脳裏に焼き付くような予測不能のドラマが。まさに「事実は小説よりも奇なり」な出来事が、決勝の舞台ではよく起きるのだ。

 期待が高まる今季の大一番を前に、サッカーキング編集部では劇的な幕切れとなった過去のCL決勝を5試合ピックアップし、ランキングを作成した。サッカーファンの胸を熱くさせた名勝負を振り返りつつ、マドリードで行われる決戦に思いを馳せてみよう。

※呼称が現在の『UEFAチャンピオンズリーグ』に変更された1992−93シーズン大会以降に限定して、試合をピックアップしている

5位

2007−08シーズン
マンチェスター・U 1−1(PK 6−5) チェルシー

【得点者】
1−0 26分 クリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・U)
1−1 45分 フランク・ランパード(チェルシー)

【PK戦】
カルロス・テベス 〇 〇 ミヒャエル・バラック
マイケル・キャリック 〇 〇 ジュリアーノ・ベレッチ
クリスティアーノ・ロナウド × 〇 フランク・ランパード
オーウェン・ハーグリーヴス 〇 〇 アシュリー・コール
ナニ 〇 × ジョン・テリー
アンデルソン 〇 〇 サロモン・カルー
ライアン・ギグス 〇 × ニコラ・アネルカ

【編集部の推薦コメント】
 史上初のイングランド勢対決となったこの試合は、PK戦までもつれた。PK戦では、マンチェスター・Uの3人目クリスティアーノ・ロナウドがまさかの失敗。対するチェルシーは5人目が決めれば優勝という場面を迎えるも、キャプテンのジョン・テリーが雨でぬかるんだピッチに足をとられてしまう。最終的には、サドンデスの末にマンチェスター・Uが2度目のビッグイヤーを掲げた。試合中に降り始めた雨が、激闘を演出し、勝負を決した。勝ったマンチェスター・Uサポーターにとっても、負けたチェルシーサポーターにとっても忘れられない「劇的な幕切れ」だった。

4位

2011−12シーズン
バイエルン 1−1(PK 3−4) チェルシー

【得点者】
1−0 83分 トーマス・ミュラー(バイエルン)
1−1 88分 ディディエ・ドログバ(チェルシー)

【PK戦】
フィリップ・ラーム 〇 × フアン・マタ
マリオ・ゴメス 〇 〇 ダヴィド・ルイス
マヌエル・ノイアー 〇 〇 フランク・ランパード
イヴィツァ・オリッチ × 〇 アシュリー・コール
バスティアン・シュヴァインシュタイガー × 〇 ディディエ・ドログバ

【編集部の推薦コメント】
 この試合のチェルシーは、3回負けを覚悟するシーンを迎えた。1つ目は83分の失点、2つ目は延長戦でのPK献上。そして3つ目はPK戦だ。だが、試合終盤の失点は直後のディディエ・ドログバのヘディング弾で帳消しとなり、延長戦でドログバが献上したPKは守護神ペトル・チェフが阻止。PK戦でもチェフが4人目と5人目を止め、チェルシーはクラブ史上初のビッグイヤーを獲得した。決勝を戦うにあたり、出場停止選手が続出していたこと、決勝の舞台がバイエルンのホーム『アリアンツ・アレーナ』だったことを踏まえても、逆境に打ち勝ったチェルシーの優勝は「劇的な幕切れ」だったと言えるだろう。

3位

2013−14シーズン
レアル・マドリード 4−1(延長) アトレティコ・マドリード

【得点者】
0−1 36分 ディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリード)
1−1 93分 セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)
2−1 110分 ギャレス・ベイル(レアル・マドリード)
3−1 118分 マルセロ(レアル・マドリード)
4−1 120分 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)

【編集部の推薦コメント】
 レアル・マドリードがCLで10回目の優勝(デシマ)を達成した一戦。最終スコア(4−1)だけを見れば「劇的な幕切れ」とは言えないと思うかもしれないが、後半アディショナルタイムの段階でアトレティコ・マドリードの初優勝がほぼ確実な状況だったことを考えると、やはりこの決勝戦も非常にドラマティックだったと言える。まさかの延長戦突入でアトレティコ・マドリードの選手たちが肉体的・精神的に追い込まれるなか、レアル・マドリードの勝負強さがいかんなく発揮された。デシマ達成を果たしたいレアル・マドリードの底力が、初のビッグイヤー獲得に燃えるアトレティコ・マドリードを凌駕した、そんな一戦だった。

2位

2004−05シーズン
リヴァプール 3−3(PK 3−2) ミラン

【得点者】
0−1 1分 パオロ・マルディーニ(ミラン)
0−2 38分 エルナン・クレスポ(ミラン)
0−3 43分 エルナン・クレスポ(ミラン)
1−3 54分 スティーヴン・ジェラード(リヴァプール)
2−3 56分 ヴラディミール・シュミツェル(リヴァプール)
3−3 60分 シャビ・アロンソ(リヴァプール)

【PK戦】
セルジーニョ × 〇 ディートマー・ハマン
アンドレア・ピルロ × 〇 ジブリル・シセ
ヨン・ダール・トマソン 〇 × ヨン・アルネ・リーセ
カカ 〇 〇 ヴラディミール・シュミツェル
アンドリー・シェフチェンコ ×

【編集部の推薦コメント】
 これを“奇跡”と呼ばずして何と呼ぼう。前半の45分が終了した時、ミランはリヴァプールに3点差をつけて圧倒的に有利な状況にあった。しかし、後半にリヴァプールが猛攻を仕掛け、60分のシャビ・アロンソのゴールでついに同点に追いつく。そして迎えたPK戦では、リヴァプールの守護神イェジー・ドゥデクが奇妙なダンスでミランのキッカーを翻弄。奇跡の優勝の立役者となった。リヴァプールらしいエモーショナルな試合展開と信じられないような結末は、多くのサッカーファンに感動を与えたことだろう(ただしミラニスタを除く)。

1位

1998−99シーズン
マンチェスター・U 2−1 バイエルン

【得点者】
0−1 6分 マリオ・バスラー(バイエルン)
1−1 91分 テディ・シェリンガム(マンチェスター・U)
2−1 93分 オーレ・グンナー・スールシャール(マンチェスター・U)

【編集部の推薦コメント】
 生中継で観ていた世代(40代以上?)のサッカーファンは、この試合をCL史上最高のファイナルに挙げる人が多いと思う。下馬評優位のバイエルンが先制点を挙げ、その後は守備を固める決勝戦らしい堅い展開で終わると思いきや、後半アディショナルタイムで2点取ってマンチェスター・Uが逆転優勝。CLファイナルというビッグマッチでの劇的すぎる幕切れに、バイエルンの選手たちはただただ呆然と立ち尽くす他なかった。まさに、サッカー史に残る「奇跡の試合」である。

企画・構成=松本武水
写真=Getty Images

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