南米主導の新型『トヨタ・カローラTCR』は、2021年末にトラックデビューへ

2021年6月1日(火)7時0分 AUTOSPORT web

 アルゼンチンの人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)に参戦するTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)と、その母体であるトヨタ・アルゼンティーナは、この4月にもセダンボディを採用した新型『カローラTCR』の開発を正式に表明したが、計画ではそのニューマシンのシェイクダウンを2021年末までに実施する予定であることも明かされた。


 2020年夏にはすでにプロジェクトの存在を認めていたTGRA代表のダニエル・エレーロは、その段階で「セダンボディを持つTCR車両を製造するため親会社との協議を続けており、すでに承認は得られている」としていた。


 そして2021年に入りプロジェクトに正式なゴーサインが出ると、ベースモデルは事前の予想どおり北米大陸や欧州でも展開される『カローラセダン』が選定され、すでに進行中の開発工程とスペックの一部などにも言及された。


「我々は今年の終わりまでに、このTCR車両の最初のテストとプレゼンテーションを実施することを計画しています。TGRAの本拠地ではすでに技術的な設計デザイン作業やエンジニアリングワークが開始されています」と説明したTGRAの広報担当者。


 改めて明かされたベースモデルの仕様は、トヨタのアルゼンチンとブラジルの技術部門がデザインを担当した『カローラセダンGR SPORT』となり、同社初の過給ダウンサイジングターボとして登場した2リッター直列4気筒エンジンの“8AR-FTS”型を搭載。完成後の開発作業はTOYOTA GAZOO Racingラテンアメリカと契約を結ぶドライバーが担当するという。

ベースモデルの仕様は、トヨタのアルゼンチンとブラジルの技術部門がデザインを担当した『カローラセダンGR SPORT』となり、2リッター直列4気筒エンジンの“8AR-FTS”型を搭載する
アルゼンチンの人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)に参戦するTOYOTA GAZOO Racing Argentina(TGRA)が、TCRの開発とカスタマー供給を担う


■新型マシンはグローバルでの販売と技術サポートも計画


 その配下には、TGRA側にSTC2000で5冠を誇るマティアス・ロッシや、隣国ブラジルでSCBストックカー・ブラジルに参戦するTOYOTA GAZOO Racingブラジル所属のルーベンス・バリチェロやトニー・カナーン、リカルド・ゾンタにネルソン・ピケJr.など、経験豊富なビッグネームたちが顔を揃える。


 そしてこの新型『トヨタ・カローラセダンGR SPORT TCR(仮称)』は、南米市場に限定せずTGRAを窓口としてグローバルな販売が計画されている。


「もちろん、この新型TCR車両は世界中のTCRシリーズで活動するカスタマーに向け、グローバル展開することを目指して開発されています。TGRのネットワークと協力し、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアのチームに技術サポートを提供する予定です」と続けたTGRAの広報担当者。


「我々TGRAとしては、TCR競技用のトヨタ車の開発とその後のホモロゲーション、製造、およびマーケティングにのみ責任を負っています。このように、我々は日本のGRカンパニーやTGRヨーロッパと協力して取り組んでいく計画です」


 そのアルゼンチンやブラジルを中心として、2021年のシリーズ創設を予定するTCRサウスアメリカ・シリーズは、この4月27日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でカレンダー改訂を強いられたものの、当初予定通り2戦の耐久イベントを含む全8戦を計画。


 チャンピオンシップ初戦は6月26〜27日のブラジル・インテルラゴスを皮切りに、アルゼンチン、チリ、ウルグアイなどでレースを開催する予定で、ダンロップがオフィシャルタイヤサプライヤーに就任。すでにアルファロメオ、アウディ、ホンダ、ヒュンダイ、クプラを含めて35台のエントリーを集めている。

2021年4月にシリーズ初の公式テストを実施したTCRサウスアメリカ。6月26〜27日にブラジル・インテルラゴスでの開幕を予定する
シェイクダウンを担当するドライバーやその時期を含め、日本での導入、活躍にも期待が集まる

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