ソン・フンミンを知る韓国人記者に聞くルーツと活躍の秘密 CL決勝で躍動すれば…

2019年6月1日(土)10時10分 サッカーキング

CL決勝でどのようなプレーを見せるのか [写真]=Getty Images

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 1日に行われるトッテナムvsリヴァプールのチャンピオンズリーグ決勝。トッテナムが勝利するために、活躍が不可欠となる存在がいる。韓国代表FWソン・フンミンだ。

 2015年夏にレヴァークーゼンからトッテナムへやってくるとシーズンを追うごとに存在感を高め、今シーズンはエースFWハリー・ケインの負傷離脱を感じさせないほど貢献し、決勝進出の立役者の一人となった。そんな彼は、いったい母国でどのように評価されているのか。ソン・フンミンを昔から知り、誠実な取材活動でトッテナムからも信頼を得ている『Goal.com Korea』の編集、記者を務めるリー・スンモさんに、決勝の地となるマドリードで話を聞いた。

 ソン・フンミンは韓国の全スポーツ選手で現在「最も有名な選手」であり、「アイドルであると同時にヒーローでもあります」と、母国に光を与える存在と話すリーさん。そのリーさんが考える、ソン・フンミンのストロングポイントは「自分に対して大きな自身を持っていること」と説く。

「インタビューをする時はいつも笑顔で、みんながソンは優しい人間だと思っています。確かに優しい人間であるのは間違いないですが、同時にその笑顔の中に、非常に強い自信がある」という人間性はどこから来たのか。リーさんは、父親の影響があったと考えている。

「彼はハンブルガーSV時代からそうでした。若い時から常に自分のサッカーの実力に自信を持っていて、時にそれを失う時もありますが、切り替えが早い。お父さんは元サッカー選手で、毎日ソンの隣でサッカーを教えてきました。その影響でメンタルが強くなったと思います。フィジカルの部分で優れている点も半分は父親の指導の影響、もう半分は若いタイミングでドイツに渡ったからですね」

 目覚ましい活躍を見せるソン・フンミンの将来について、韓国国民はどう見ているのか。「国民の半分はトッテナムでレジェンドと呼ばれる選手になってほしいと思っていますが、もう半分はさらなるビッグクラブに行って、選手としての価値を証明してほしいと思っています」と真っ二つのようだ。

 リーさん自身は、個人の取材としてではなく、以前にレアル・マドリードとの関係性が報じられたことを引き合いに出し、「トッテナムに残ることも悪い選択ではないですが、新しい挑戦をするのであれば、レアル・マドリードに行ってほしいですね。ブンデスリーガとプレミアリーグはすでにプレーしたので、新しい挑戦としてふさわしいですし、アジアの選手がレアル・マドリードでプレーするということも、信じられないことなので」と、スペイン行きを望んでいる。

 ただ、「個人的にはこのオフシーズンではなく、次のシーズン終了後に、今よりももっとレベルアップして行ってほしい」そうで、その理由として「今のレベルでレアル・マドリードに行っても通用する可能性はあります。でも、もっといいタイミングを探す必要があると感じるからです」と続ける。なぜ、次のシーズン後なのか。

「アジアの選手でベストかどうか聞かれれば、私はまだパク・チソンが上だと思っています。彼が活躍した時期のマンチェスター・Uは世界一のクラブだったからです。でも、ソンが抜く可能性は十分あると思っています。マンチェスター・Cとのチャンピオンズリーグの試合をスタジアムで取材していて、ソンのプレーを見てパク・チソンを超える可能性があると感じたんです。すごく近い将来、もっと大きな選手になる可能性があると思いますね」

 最後に、決勝の予想を聞くと「リヴァプールが勝つ」と即答。「ニュートラルな目で見たら、リヴァプールの方が上回っています。一方でトッテナムが勝利するにはソンの役割が重要であり、不可欠です」と、中立な視点としてキープレーヤーにソン・フンミンを挙げている。

取材=小松春生

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