アキュラ陣営、新型LMDh『ARX-06』での2023年ル・マン出場を断念。将来のカギは“日本のホンダの許可”

2022年6月4日(土)16時52分 AUTOSPORT web

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に出場しているウェイン・テイラー・レーシング(WTR)とメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の両チームは、これまでアキュラの新型LMDh車両『ARX-06』でフランスの耐久クラシックに挑戦することを目標としていたが、ともに2023年のル・マン24時間レースへの出場を断念した。


 両チームはいずれも現在DPiクラスにアキュラのARX-05をエントリーさせており、新規定LMDhが採用される2023年においては、名称がGTPへと変わるIMSA最高峰クラスに、先頃ティザー画像がリリースされたARX-06で参戦することが決定している。


 WTRチームのボスであるウェイン・テイラーによれば、この展開は両チームとホンダ/アキュラの「共同決定」の一部であるという。テイラーはまた、2023年のIMSAウェザーテック選手権に全力を注ぐとSportscar365に語っている。


 MSRチームの共同オーナーであるマイク・シャンクもSportscar365の問いかけにこの状況を認めたが、それ以上のコメントは避けた。


 テイラーとシャンクは以前、自分たちのプログラムをル・マンに持ち込む可能性について話していたが、その野望は早くとも2024年まで棚上げされることとなった。


 ホンダのスポークスパーソンはSportscar365に対し、新たに公開されたアキュラARX-06によるル・マンへの参戦は来年の「予定にはなかった」としており、もし(日本の)ホンダが同意すれば、あらゆる話し合いは2024年に向けたものとして行われると語っている。


 かつてHPD ARX-03C LMP1により2012年から2013年にかけてWEC世界耐久選手権に参戦したときのように、ホンダの北米モータースポーツ活動を指揮するHPDホンダ・パフォーマンス・デベロップメントによる国際的なスポーツカー・プログラムの実施には、日本サイドから許可を得る必要があるのだ。


 6月3日にそのレンダリングイメージが公開はされたものの、アキュラ新型LMDhマシンの詳細は、まだ明らかにされていない。


 テイラーによると、サーキットテストは今年7月か8月にスタートするという。これは、他のLMDhマニュファクチャラーにも影響を与えている業界全体のサプライチェーンの遅延の問題により、当初目標であった4月から延期されたものだ。


 6月9日に公開される予定のキャデラックのLMDh車両はまもなくサーキットでのテストを開始、6日に発表を予定しているBMW LMDhもそれに続くものとSportscar365は理解している。


 ホンダ/アキュラのLMDhが来季のル・マンおよびWECに参戦しないとなると、2023年のWECにエントリーするLMDh車両として予想されるのは、ポルシェとキャデラックのみとなる。BMWは現在のところ、IMSAのプログラムのみにコミットしている。

2022年デイトナ24時間の予選レースで勝利し、ビクトリー・レーンへと向かうウェイン・テイラー・レーシングの10号車アキュラARX-05

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