リアライズにウェッズ、難コース鈴鹿の予選で上位獲得。決勝の鍵を握るヨコハマ勢のタイヤの進化

2023年6月4日(日)10時30分 AUTOSPORT web

 鈴鹿サーキットで行われている2023スーパーGT第3戦『SUZUKA GT450km RACE』。予選後の再車検不合格により、トップタイムだったリアライズコーポレーション ADVAN Zのタイムが抹消されたものの、今回もヨコハマタイヤ勢の速さが光った一日となった。


 前回の第2戦富士と同様に2番グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra。朝の公式練習では10番手に終わったものの、路面コンディションがよくなっていた公式予選では抜群の速さを発揮した。Q1では阪口晴南が担当し1分44秒366でトップタイムを記録すると、Q2では昨年ここでコースレコードをマークした国本雄資が担当。昨年同様に初夏の鈴鹿ラウンドでポールポジション獲得に期待が高まったが、わずかに及ばず1分44秒679で3番手となった。


「自分のリクエストで、もう少し高速コーナーで速く走れるようにとクルマを変えていったことが、裏目に出てしまいました」と国本。確かにセクター1とセクター2ではライバルを凌ぐ速さを見せていたが、低速コーナーが点在する後半セクターでの伸びが今ひとつだった。


「低速コーナーでグリップが出なくて、ヘアピン(NISSINブレーキヘアピン)とシケイン(日立Astemoシケイン)のロスが大きかったので、少しもったいなかったです。自分のドライビングも含め、もう少しできたかなというところでした」と悔しい表情をみせていた。


 今回、ヨコハマタイヤ勢は計測2周目と早いタイミングでタイムアタックを行っており、Q2では逆算して残り5分でコースインしている印象があった。ただ、国本に関してはセッションが始まってライバルが続々とコースインをしている最中に、マシンに乗り込んでいた。


  これについては「特に理由はないです」と国本。「計測2周でアタックするので(最初の)4分くらいは待つというのは決まっていました」と、何かマシンに対して大掛かりな作業をしていたから乗り込みが遅れたという理由ではないようだ。


 今回の決勝レースは第2戦富士に続いて450kmの距離で争われるが、今のところ19号車陣営にとって大きな不安要素はない模様。「今週このタイヤでロングランができていないので、ちょっと見えない部分はありますけど、明日のレース前に20分のウォームアップ走行があるので、そこで確認してみてどうなるかというところですね。どう転んでも良いようにタイヤは持ってきているので、心配はないと思っています」と、国本も前向きに捉えている様子だった。

2023スーパーGT第3戦鈴鹿 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)


■富士で見つけた新しいタイヤをベースに鈴鹿用にモディファイ


 一方、午前中の公式練習からトップタイムを記録するなど、調子の良い走りを見せていた24号車リアライズコーポレーションADVAN Z。予選Q1では佐々木大樹が2番手につけると、Q2では平手晃平が1分44秒320を叩き出しトップにつけた。今季は2戦とも高いパフォーマンスを見せていながら不運な結果が続いてきたこともあり、予選Q2終了後には相方の苦労を一番身近に感じていた佐々木が公式映像のインタビュー中に涙をこぼすシーンも見られた。


 KONDO RACINGのピットも、予選後は歓喜に包まれたのだが、再車検でガスバック容量の違反が見つかり、予選の全タイムが抹消されてしまった。予想外の展開になってしまったのだが、ヨコハマタイヤとのマッチングは相変わらず良いようだ。


「富士のレースで強いタイヤが見つかって、そのエッセンスをもとに高荷重のかかる鈴鹿向きのものを持ち込みました」


 そう語るのはQ2を担当した平手。第2戦富士と同様にタイヤのウォームアップ周が、ライバルより少なかったのだが、それもすべて織り込み済み。富士で使ったタイヤをベースに、コース特性の違いも加味したタイヤを用意してきている。


「やはり鈴鹿はタイヤへの入力が高いので、それにモディファイしたものを今回新しく持ち込みました。それと昨年実績のあったタイヤを軸に、新しいゴムもトライしてみようということで、持ってきました」


「その新ゴムも良い結果をもたらしてくれていて、鈴鹿にパッと持ってきたタイヤですが、すごく耐えてくれている印象です。温まりも良いし、ロングランも速そうです」と平手。


 改めて、第2戦富士で大きな方向性を掴めたようで「ここ最近、路面コンディションが上がってきたところに対して、タイヤがしっかりとパフォーマンスを出してくれますし、一発だけではないというところも前回の富士で証明できています。今年は、本当に良い方向性のタイヤがひとつできました」と、自信を持った表情で話していた。


 決勝は最後尾からのスタートとなるが、レースペースでもライバルを上回るものを発揮する可能性は十分にありそう。展開次第では昨年に続いて“テール・トゥ・ウィン”も期待できるかもしれない。

2023スーパーGT第3戦鈴鹿 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)

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