安田記念でも使える!牝馬2kg減が背中を押す 東大HCが「斤量差」を徹底分析

6月5日(金)17時0分 SPAIA

2011年以降のGⅠ軽斤量馬の成績ⒸSPAIA

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好走の一因は斤量差?

今週は2020年の府中春GⅠ戦線を締めくくるマイル王決定戦の安田記念。ヴィクトリアマイル をほぼ馬なりで2着に4馬身差をつける破格のパフォーマンスで勝利し、史上初の芝GⅠ・8勝目に手を掛けた女王アーモンドアイを筆頭に、昨年の春秋マイルGⅠを制したインディチャンプ、桜花賞馬グランアレグリアなど総勢11頭のGⅠ馬が集結した。
今週のコラムは「斤量差」。近年牡牝混合GⅠでの牝馬の活躍や秋競馬における3歳馬の好走が目立っているが、その一因となっているのが古馬牡馬との斤量差だ。安田記念でも古馬牡馬は58kgでの出走だが、アーモンドアイなど牝馬3頭は2kg軽い56kgでの出走となる。果たして斤量差がパフォーマンスに影響を与えるのか、平地重賞のデータを分析していく(使用するデータは2011年以降)。

牝馬は安定感、3歳馬は人気を重視

まずはGⅠレースをチェック。JRAで施行されるGⅠは馬齢重量の世代限定戦を除き、全て定量戦で行われる。
3歳馬・牝馬はおおむね2kg軽い斤量での出走となる(チャンピオンズカップなどは1kg軽い斤量も)が、この優遇を受けた馬(以下「軽斤量馬」)の好走は近年際立っており、一例として2019年の有馬記念では断然人気のアーモンドアイが9着に沈むも、同じく55kgの斤量を背負った牝馬リスグラシュー・3歳馬サートゥルナーリア・ワールドプレミアの軽斤量馬3頭が馬券圏内を独占した。

2011年以降のGⅠ「軽斤量馬」成績ⒸSPAIA

斤量に恵まれる3歳馬と牝馬の成績に大きな差はないものの、特に注目したいのは牝馬だ。
牝馬限定戦を除くと単勝回収率81%という及第点の数字をマークしているが、さらに前走4着以内に限定すると【16-10-13-100】で複勝率28.1%、単勝回収率138%・複勝回収率88%まで上昇する。
近走で安定した走りを見せている牝馬は牡馬相手でも通用しており、18年スプリンターズSで11番人気ながら2着に頑張ったラブカンプー、19年天皇賞・秋で3着に逃げ粘ったアエロリットなど人気薄も該当。該当馬は人気に関わらず押さえておくと良いだろう。
ちなみに安田記念に出走する牝馬3頭はいずれもこの条件に合致。牝馬2頭がワンツーフィニッシュした大阪杯の再現もありそうだ。
3歳馬は人気馬が買い。5番人気以内に限ると【12-9-5-39】複勝率40.0%、単勝回収率92%とこれだけでも水準以上の好走率だ。ただこのパターンは近年殊に機能しており、2017年以降に限定すると【7-4-2-11】と半数以上の馬が馬券になっているほか、単勝回収率174%・複勝回収率120%と機械的に買うだけでプラスになる。
古馬との実力差はそれほどではなく、むしろ斤量で恩恵を得られる利点が大きいのだ。

3歳牝馬の軽量は反則級!

次にGⅡ・GⅢをチェック。スーパーGⅡとして知られる札幌記念・阪神カップ(定量戦)とハンデ戦を除く全てのレースが別定戦で行われる。牝馬限定戦以外ではおおむね56kgを基準とし、牝馬や3(4)歳馬は斤量減、収得賞金の多い馬やGⅠ好走歴のある馬が斤量増という設定になっている。

2011年以降の別定GⅡ・GⅢ斤量別成績ⒸSPAIA

牝馬限定戦を除く別定GⅡ・GⅢでは基準となる斤量56kgの馬よりも55kgの馬を買いたい。
おおむね秋競馬における3歳馬、明け4歳馬の設定で、1kg減は小さなものに見えても威力は絶大。3歳馬に限定すると【8-9-3-40】複勝率33.3%とちょうど3頭に1頭が馬券になっており、単複回収率はともに100%以上だ。
対照的に牝馬や夏競馬における3歳馬が背負う53・54kgは全体的に芳しくなく、GⅠと違い疑ってかかりたいところ。ただしこれよりも軽い52kg以下になると話は別。夏のスプリント戦で3歳牝馬が躍動し、単勝回収率160%・複勝回収率119%もうなずける。
一例として、初夏の訪れを感じさせる函館スプリントでは2014年以降の該当馬が出走した5レース全てで馬券になっている。天性のスピード能力は古馬に劣らず、それでいて4kg以上斤量が軽ければさもありなんといったところ。快速馬×軽量はそれだけで本命候補となりうる反則的な存在だ。

牝馬限定戦は実績馬の壁

最後に牝馬限定GⅡ・GⅢ(ハンデ戦を除く)の斤量別成績を挙げる。

2011年以降の牝限GⅡ・GⅢ斤量別成績(ハンデ戦を除く)ⒸSPAIA

54kgが基準となる牝馬限定戦だが、こちらは対照的に実績でハンデを背負う55・56kgの馬が走っている。牝馬同士では軽い斤量よりも実績を重視したほうがよさそうだ。
特に気になるのが53kgの不振で、2011年以降の該当馬の勝利はショウリュウムーンの京都牝馬Sしかなく、連対まで広げてもリラヴァティの福島牝馬Sを数えるのみ。この斤量は人気にかかわらず嫌った方が良いだろう。
唯一活躍が目立つ52kg以下は大半がクイーンSでの3歳馬のもの。それでも好走馬はアヴェンチュラ・アイムユアーズ・アエロリットとGⅠでも活躍した馬に限られており、並大抵の実力では実績馬の壁を越えられないと見ていい。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

2011年以降のGⅠ軽斤量馬の成績

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