日本が韓国に敗れた最大の理由。「あんなにダメージがあるなんて…」

6月6日(木)6時57分 Sportiva

 U−20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦。日本は韓国に0−1で敗れた。

「1点取られて負けた、というのが現実。やっぱり点が取れないのが敗因だと思うし、相手は1点取ったのがすべてだと思う」

 キャプテンのMF齊藤未月が発した、その言葉——文字にしてしまえば、当たり前のことを口にしているだけの当たり前の言葉に、だからこそ、悔しさや、やるせなさがにじむ。


決勝トーナメント1回戦、日本は韓国の前に屈した

 勝てた試合。もったいない試合。そんな内容の試合だった。

 後半33分にMF中村敬斗が右サイドを突破し、最後はFW宮代大聖のシュートがゴールポストにはじかれた場面をはじめ、チャンスは日本のほうが多かった。

 しかし、だからといって、決定力不足のひと言で、この敗戦を片づけてしまうことには違和感がある。

「結果論になってしまうが、前半で1点取っておくべきだった」

 そう振り返ったのは、ボランチのMF藤本寛也である。

 前半の日本は、非常にいいサッカーをしていた。速いテンポでボールを動かし、ピッチを横に広く使って攻めることで、韓国を自陣にくぎ付けにした。韓国側に「日本にボールを持たせている」という余裕はなかったはずだ。

 日本がグループリーグ最終戦から中5日。対する韓国は中3日。当然、その違いはあっただろう。韓国の選手は明らかに動きが重く、アルゼンチンに勝利したグループリーグ最終戦の出来を100とすれば、おそらくこの日は70以下。韓国は守勢一方にならざるを得ず、前半の日本のボールポゼッション率は70%を超えた。

 だが、韓国は後半開始から、突破力に優れるFWウン・ウォンサンを投入するとともに、前半の5−3−2から4−4−2へ布陣変更。韓国が攻撃機会を増やしたことで、試合は一進一退の展開となった。

 加えて、この日の気温は25度に達し、17時半キックオフの試合とはいえ、日の長いヨーロッパでは、まだ強い日差しがピッチを照りつけていた。藤本が語る。

「前線の選手は点を取りたい、後ろの選手はリスクマネジメントしたいという部分があり、後半は結構、間延びしていた。あまりコンパクトではなく、セカンドボールも前半より拾えていなかった。暑さもあったが、こっちが先に焦(じ)れた部分はあった」

 両チームともに間延びし、危うい状態に陥りながら、しかし、どちらもそこを突いて得点することができない。ボールが行ったり来たりを繰り返し、日本は前半のように落ち着いて試合を進めることができなかった。

 結局、「(試合を)90分で見ていた」(藤本)はずの日本だったが、「(前半に)ボールを回して相手を疲弊させてから、90分の最後のところで勝利できればよかったが、逆にひとつのミスで失点してしまった」(藤本)。

 後半39分の失点シーンにしても、直接的にはDF菅原由勢のパスミスによるものである。菅原が奪ったボールを味方につなごうとして、相手に渡してしまったことが失点に直結した。

 だが、その直前の場面では、MF山田康太が攻め急いでボールを失っている。そこから、相手にボールをペナルティーエリアまで運ばれ、それを菅原が奪い返し、という流れで失点シーンに至っている。行ったり来たりの落ち着かない試合展開、つまりは、危うい流れを放置した結果の失点だったとも言える。「そこは試合のなかで改善できる部分」(藤本)だっただけに悔やまれる。

 とはいえ、後半の日本がリズムを失ったのは、韓国の布陣変更や暑さだけが原因ではない。そこにはアクシデント(結果的に、正当な判定が正当に下されたことをアクシデントと表現していいのかわからないが)も加わった。

「ゴールになった喜びをみんなであれだけ分かち合ったあとに、VARで取り消させるのは、あんなにダメージがあるんだなというのをすごく感じた」

 そう語ったのは、齊藤未だ。

 日本は後半5分、宮代のシュートを相手GKがはじいたところをMF郷家友太が押し込み、先制点を奪った、はずだった。

 ところが、最初のシュートを放った宮代がオフサイド。齊藤未からのパスが出た瞬間、4、5人の日本選手がオフサイドライン前後にいたため、肉眼で判定を下すのは困難だったが、今大会で導入されているVARの映像を見れば、宮代のオフサイドは明らかだった。

 判定自体は仕方がない。だが、一度喜びを爆発させたのち、水を差されるように試合再開を待たされ、挙句にノーゴールとなった数分間が、潮目を変えた。

 その直後から15分ほどは、韓国の攻勢が続いた。前半は息も絶え絶えだった韓国が、生気を取り戻すきっかけになったのは間違いない。

 齊藤未は「それを言い訳にするわけではないが」とつけ加えたうえで、こう続ける。

「ああいうこととも向き合っていかなければいけないのが、今後のサッカーだと感じた。日本人のメンタリティ的にというか、僕のメンタリティ的に、チームに声をかけるのも少なかったし、あそこからもう一回ギアを上げるというのは、10分、20分で戻せるレベルではないなと思った」

 20歳以下の、まだ経験に乏しい選手たちに、常に試合の流れを読み、どんなアクシデントでも乗り越えろ、と求めるのは酷な話だろう。言ってみれば、若さゆえの、想定内の負け方である。

 だが、今回のU−20代表は、サッカーをよく知っている、頭のいい選手が多いチームだった。影山雅永監督は、「(大会を通じて)試合ごとに進化する姿を見せられたのは、ひとつの成果」と語っていたが、試合を重ねるごとに示した適応能力の高さは、その証明だろう。

 しかし、だからこそ、より一層悔しさが募る。勝てた試合、勝つべき試合、勝たなければいけない試合だった。

 準々決勝へ進出していれば、対戦相手はセネガル。今大会では初めてとなるアフリカ勢との対戦が実現していた。そして、もうひとつ勝って準決勝に進めば、結果はどうあれ、自動的にもう1試合(決勝か、3位決定戦か)戦うことができた。ここから先には、さらなる貴重な経験が待っていた。

 敗れた相手がアジアのライバル、韓国であったことも含め、やはり、もったいない敗戦だった。

Sportiva

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