WRC:シトロエン、活動終了の噂を一蹴。チーム代表が2020年までの参戦継続を明言

2018年6月8日(金)12時50分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているシトロエン・レーシングのピエール・ブダール代表はWRC公式サイト『WRC.com』に対し、少なくとも2020年まではシリーズへの参戦を継続するとコメントした。


 フランスの自動車メーカーであるシトロエンは、これまでWRCとWTCC世界ツーリングカー選手権にワークス参戦をしてきたが、2016年限りでWTCCでのワークス活動を終了し、2017年からWRCにワークス活動を一本化している。


 しかし、そのWRCでシトロエンはライバルのヒュンダイやMスポーツ、トヨタに対して苦戦。車両規則更新による新型マシン導入初年度となった2017年はランキング最下位、2年目となる2018年も第6戦終了時点でトップと64点差で最下位につけている。

クリス・ミーク操るシトロエンC3 WRC


 また、長年チームのエースドライバーを務めてきたクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)については速さはあるものの、走りの安定性にムラがありクラッシュを頻発。この状況を受けて、チームは「クルーの安全を確保できない」として2018年第6戦限りでミークの起用を取りやめた。


 サービスパークでは、シトロエンが苦戦を強いられている現状や、2018年はライバル陣営より1台少ない2台体制を軸としていること、そしてミークの起用取りやめなどを受けて、シトロエンがシリーズでの活動を終了するのではと噂されている。

2020年までの参戦を明言したシトロエン・レーシングのピエール・ブダール代表


 これに対し、ブダール代表は「WRCにおけるシトロエンの来季活動は承認されている」とコメント。2020年シーズンについても「基本的には承認されている。(現時点では)100%参戦する」と述べ、噂を否定した。


 また、ミークを解雇するという決断は、簡単に下せるものではなかったとも述べている。

シトロエンから契約解除を言い渡されたクリス・ミーク


「クリス(ミーク)とポール(ネイグル/コドライバー)との関係は良好だった。彼らはナイスガイだったし、素晴らしい時間をともに過ごしてきた。だから、本当に難しい選択だった」


「ただ、個人的感情とプロとしての仕事はしっかりと切り分けて考える必要があるんだ」


 シーズン後半、ミークの代役を務めるドライバーについて、ブダール代表は数週間以内にアナウンスするとしたほか、シトロエンでWRC9連覇を達成したセバスチャン・ローブの起用は否定。ただし、現行チャンピオンであるセバスチャン・オジエには興味があるとしている。


「ローブ起用について聞きたいだろうが、彼がシリーズをフルで戦う時期は終わったと思っている。我々としても、あるドライバーの代わりにローブを数戦で起用していく戦い方はしたくないんだ」


「セブ・オジエ(セバスチャン・オジエ)については、サービスパークにいる全チームが獲得したがるドライバーだ。彼のラリーキャリアはシトロエンで始まっているし、我々としても彼がシトロエンのマシンを操る姿を見られれば最高だ」


「付け加えれば、彼はフランス人で、我々はフランスのチームだ。ストーリーとしても完璧だろう。ただ、オジエについては我々だけで判断を下せる状況ではない」


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