予選最速のトヨタ小林可夢偉「アタックは1周だけ。あとはテストに集中した」/ル・マン24時間

2022年6月9日(木)12時17分 AUTOSPORT web

 6月8日、フランス、ル・マンのサルト・サーキットにおいて、WEC世界耐久選手権2022年第3戦/第90回るマン24時間レースの公式走行セッションがスタートした。初日は2回の練習走行と、翌日の『ハイパーポール』進出をかけた予選のセッションが行われ、トヨタGAZOO Racing(TGR)の7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)が最速タイムをマークし暫定ポールを獲得した。


 14時からの3時間行われたフリープラクティス1では、2台のGR010ハイブリッドはテストデーで得られたデータの検証などを行い、とくに空力的な比較に重点を置いてセットアップへの最適化に取り組んだ。


 19時からの1時間は、予選のセッションが行われた。5台がエントリーするハイパーカークラスでは全車がハイパーポールへと進出できることもあり、チームはさらなる練習走行としてこのセッションを使い、空力の最適化やメカニカルおよび制御系のセッティングに時間を費やした。


 しかし8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)は車体右後方部の交換作業により出走が遅れ、コースインしたものの間もなくGT車両のアクシデントで赤旗中断となってしまう。


 再開後も、ハートレーがアタックに入ろうとしたタイミングで雨が降り始めてしまい、8号車は総合29番手でこのセッションを終えることとなった。


 対照的に、7号車はセッション序盤に可夢偉がマークしたタイムが僅差ながら最速となり、暫定ポールポジションを獲得した。

予選で最速タイムを記録した7号車GR010ハイブリッド


 予選のあと、22時からは2時間にわたるフリープラクティス2が行われた。決勝レースに出場する全ドライバーが最低5周の夜間走行を行う必要があるが、TGRの全ドライバーはセッション終了までにこの条件をクリアしている。


 TGRはタイヤの比較やセットアップ調整を続け、7号車が2番手、8号車が3番手でこの日のナイトセッションを終えた。


 ル・マンウイーク走行初日を終えた6人のTGRドライバーのコメントは、以下のとおり。


■ル・マンの夜間は「ライトが明るい」と平川亮


■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)


「レースウイークが始まって嬉しいですし、週末に向けた準備を進めています。今日は走れる時間が長く、テスト同様に多くの周回をこなし、さまざまなコンディション下での車両バランスなどを確認することができました」


「すべてが順調に進んでいて、予選で最速タイムを出せたのは良かったです。とはいえアタックしたのは1周だけで、あとはテストに集中しました」


「もちろん、明日はポールポジションも狙っていますが、我々の目標はあくまでも、決勝レースで勝てる車両を作り上げることです」


■マイク・コンウェイ(7号車)


「今日は良い一日で、予定していたプログラムの多くをこなすことができた」


「予選はクリーンなラップを取ることと、ハイパーポール進出を確実にすることが目的であり、それは達成できた。その後は夜間走行でも快適に走れるようにすることに集中した」


「GR010ハイブリッドは好調に感じられるし、セットアップという面でも良い方向に進んでいると思う。あとは細かい微調整を続け、週末へ向けて完璧に仕上げていくだけだ」


■ホセ・マリア・ロペス(7号車)


「GR010ハイブリッドは好調で、可夢偉が予選で良いラップタイムをマークしハイパーポールへの進出を決めてくれたので、予選セッション残りの時間はテストに充てることができた」


「2回の練習走行も非常に充実したものとなり、決勝レースへ向けて多くの有意義な準備作業を進められた。ここル・マンでのナイトセッションは何度走っても特別な体験で、とても楽しい。ハイパーカークラスでのラップタイムは非常に接近しているが、まだ始まったばかりだし、これから数日間で状況は変わっていくだろう」

フリープラクティス2で夜間走行に臨む8号車GR010ハイブリッド


■セバスチャン・ブエミ(8号車)


「多くの周回をこなし、慌ただしい一日だった」


「予選は予定していたとおりには行かず、やや時間をロスしてしまった。ハイパーポールに出走するためにラップタイムを残す必要があったが、まさにその時に雨が降ってきたので、タイムを伸ばせなかった」


「そのため、理想的な状況とは言えず、決勝レースへ向けて改善すべき作業が残っている。とはいえ今日も多くの周回をこなしたので、データを見直し、明日はもっと速く走れるようにしたいと思う」


■ブレンドン・ハートレー(8号車)


「フリープラクティス1は順調だったが、予選では我々の車両はやや出遅れてしまい、コースに出た途端に赤旗が出されてしまった」


「そのあと雨が降り始めたため、いいラップタイムを出すことができなかったが、ハイパーポールへの出走条件である最低1周のラップタイムを記録できて良かった」


「ここル・マンでの夜間走行はいつ走っても素晴らしく、アドレナリンが沸き起こって楽しい。まだ改善すべき点がいくつかあり、明日も決勝レースへのセットアップ作業で忙しい一日になるだろう」


■平川亮(8号車)


「今日はとても良い一日で、夜間走行も楽しめました。テストではもっと暗いサーキットを走ったこともあるので、ここル・マンではライトがとても明るく有効だということがわかったのは良かったです」


「コースは昼間と夜では感覚が違い、とても良い経験でした。明日木曜日はもっと距離を走ってル・マンでのGR010ハイブリッドに慣れて、決勝レースへ備えたいと思います」

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