F1カナダGP予選:ベッテルがコースレコードを更新しポール獲得、ハートレーは12番手と健闘
2018年6月10日(日)4時27分 AUTOSPORT web
6月9日現地時間午後2時、カナダGPの予選が行なわれた。朝からの快晴が続き、気温は22度、路面温度は44度というコンディション。ハイパーソフトとウルトラソフトのタイム差が約1秒と大きい反面、リヤタイヤのデグラデーションを考えると決勝ではハイパーソフトは避けたい。それを前提としてQ2でのタイヤ選択が別れる可能性もある中での予選となった。
FP3の最後に「パワーを失った」とピットに戻ってきたピエール・ガスリーは念のためパワーユニット交換を行なうことになり、モナコGPまで使用してきたコンポーネントに交換して予選に臨んだ。その一方で、予選開始直後にガレージを出たロマン・グロージャンは大量の白煙を吹いてピットレーンにストップしてしまった。
各車ともハイパーソフトタイヤでアタックを開始。メルセデスAMG勢、マックス・フェルスタッペン、ルノー勢、フェルナンド・アロンソは8分ほど待ってからトラフィックを避けてコースイン。マーカス・エリクソンはターン9出口でウォールにヒットしてサスペンションを壊してしまい、あわやレッドブルに接触しそうになりながらピットに戻り19台中19位で走行を終えた。
連続アタックでセバスチャン・ベッテルが1分11秒710でトップ、これにキミ・ライコネンも0.015秒差で続き、FP3までトップに立ち続けてきたフェルスタッペンは0.298秒差で4番手、メルセデスAMGにも及ばなかった。
中団以下は残り5分で2セット目のハイパーソフトを投入して2回目のアタックに入り、燃料を削ってタイムを更新していく。トロロッソはブレンドン・ハートレーは8番手でQ1を通過したがガスリーはターゲットとしていた計測1周目で上手くタイムをまとめられず16番手でQ1敗退。
7番手エステバン・オコンから16番手ガスリーまでは僅か0.470秒に10台がひしめく大接戦となった。それ以下はウイリアムズ勢とエリクソン、グロージャンがQ1敗退となった。
Q2では決勝のスタートタイヤを見据えてメルセデスAMG勢、フェラーリ勢がウルトラソフトで1回目のアタックに入る。しかしルイス・ハミルトンはヘアピンでタイヤをロックさせてフラットスポットを作ってしまい、タイムもバルテリ・ボッタスから0.226秒遅れてしまった。
ハートレーもアタック1周目はヘアピンでリヤが滑ってしまいアタックをし直し、残り時間の都合でチャージが充分でないままのアタックとなり12番手。ハイパーソフトを履いたフェルスタッペンは1分11秒472でトップに立つが2番手ボッタスには0.042秒しか差がない。
残り4分を切ったところで全車が2回目のアタックへ入り、10番手まで1.049秒しかなかったためメルセデスAMG勢、フェラーリ勢もハイパーソフトでアタックに向かう。しかしフェラーリ勢もメルセデスAMG勢もそのままタイムを記録せずピットに戻りウルトラソフトでのスタートを確定させた。ベッテルはバックストレートで左右に何台ものトラフィックに引っかかりアタックに入るのを断念している。
中団ではここで各車がタイムを更新する中でルノー勢とフォース・インディア勢が速さを見せQ3進出を決め、マクラーレン勢、シャルル・ルクレール、ハートレー、ケビン・マグヌッセンがQ2敗退となった。
Q3では再び全車がハイパーソフトでアタック。ハミルトンは再びヘアピンでロックしてしまいタイムロス。メルセデスAMGとフェラーリが予選モードを使うQ3ではレッドブル勢も振るわず、1回目のアタックではベッテル、ボッタス、ライコネン、フェルスタッペン、ハミルトン、リカルドの順となった。3強以外ではルノー勢だけが開始直後からアタックを行ない、フォース・インディア勢は最後の1回のみに賭ける。
残り2分で各車がハイパーソフトの新品で最後のアタックに入る。ライコネンは最後のアタックでターン2出口でグリーンにハミ出てしまい、ハミルトンはまたしてもヘアピンでロックアップ。最後にも完璧なアタックを決めタイムを縮めたベッテルが1分10秒776でポールポジションを獲得、ボッタスは0.093秒差で2番手、3番手に0.173秒差でフェルスタッペン、ハミルトンは4番手、ライコネン5番手、リカルド6番手。中団トップは7番手ヒュルケンベルグ、これにオコンが8番手、サインツ9番手、ペレスが10番手という予選結果となった。