ル・マンでの走行がスタート。トヨタGRはテストデー総合3番手&9番手「もう少し改善が必要」と平川亮

2024年6月10日(月)12時31分 AUTOSPORT web

 ル・マン24時間レースの決勝を1週間後に控えた6月9日、フランスのサルト・サーキットでル・マンの公式テストが実施された。2台のトヨタGR010ハイブリッドでこの“テストデー”の2セッションに臨んだTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、トップカテゴリーでのライバルである他8つのハイパーカーメーカーとともに1周13.626kmのフルコースの走行を開始。


 現地10時から3時間にわたって行われたセッション1では小林可夢偉/ニック・デ・フリース/ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタGR010ハイブリッドがトップタイムをマークした。午後に設定された同じく3時間のセッション2は7号車が10番手、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車トヨタGR010ハイブリッドが2台のポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)に次ぐ3番手に入った。


 このテストでは、直前の木曜日にサイクリング中の事故で負傷したマイク・コンウェイに代わって急きょTGRからル・マンに出場することとなったロペスが、7号車GR010ハイブリッドで今季初となる走行を実施した。


 また、セッション1で6番手につけた8号車ではTGR WECチームのリザーブドライバーである宮田莉朋が、セッション序盤にGR010ハイブリッドに乗り込み、自身初となるル・マン24時間サーキット(サルト・サーキットの正式名称)の走行を経験した。なお、LMP2クラスからル・マン24時間レースに初参戦する宮田はTGRでのドライブ後、所属するクール・レーシングに戻りLMP2カーでテストに臨んでいる。

宮田莉朋もドライブした8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間テストデー


 トヨタ陣営は、午前のセッションでメカニカルなセットアップの比較を行い、午後はセットアップの分析を継続しながらミディアムとソフト、2種類のタイヤコンパウンドをテストしパフォーマンスと摩耗の比較を実施した。8号車が一日の総合順位で3番手、7号車は同9番手となったテストデーで2台のトヨタGR010ハイブリッドは、最終的に合計144周をラップ。延べ1962kmを走破し、レースウイークへ向けた準備に大きく貢献するデータを収集した。


 計6時間のテスト走行を終え、ドライバーとエンジニアは、12日水午後に開始される公式練習走行へ向けて月曜日と火曜日は車両セットアップの最適化作業を行うことになる。その12日は2回のフリープラクティスの間で予選が行われ、ここでハイパーポールに進出する上位8台が絞られる。ハイパーポールは翌13日木曜に実施され、ここで決勝レースのスターティンググリッドが決定することとなる。


 第92回大会となる2024ル・マン24時間レースの決勝は15日土曜16時(日本時間23時)にスタートが切られる予定だ。

7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間テストデー


■「リズムをつかむのに数周かかった」「忘れられない特別な瞬間」/TGR WECドライバーコメント


●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)


「ル・マンに戻り、ふたたびこのコースを走れることができ楽しかったです。ここへ戻ってくるのはいつでも最高です。我々はクルマの適切なバランスを見出すことに専念しました。ここはとくに周回を重ねるごとにコースのコンディションが変わっていくので、良いセットアップを見出すのは簡単ではありませんでした。さらにスピードを増すためにすべきことをまとめ、次の週末へ向けてもっと良くなるよう頑張ります」


●ホセ-マリア・ロペス(7号車ドライバー)


「テスト初日が終わったが、またトヨタGR010ハイブリッドに戻れて本当にうれしいよ。チームメンバーみんなも、クルマもよく知っているので、まるで、ずっと変わらず同じ家に居たような感覚だった。分析すべき大量のデータがあるが、これからの数日、そのすべてのデータを確認するというもっとも重要な作業が待っている。順調なスタートを切ることができ、チームの働きにはとても満足している」


●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)


「僕にとってハイパーカーでのル・マン初走行だったけれど、本当に最高だった! ここル・マンでの自分自身の基準を見出し、リズムをつかむのに数周かかった。それでも、自分の走りには満足している。今日のように、時間が限られ、3人のドライバーでシェアしながら1周の長いコースを走らなくてはならないという状況では、当然ながら走れる時間はそれほど多くない。ハイパーカー間の戦いは非常に接近しているが、次の週末になればそれも明らかになるだろう。今から楽しみだ」

小林可夢偉(右)と7号車トヨタGR010ハイブリッドに乗り込んだホセ-マリア・ロペス(左) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間テストデー


●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)


「ル・マンに戻ってくるのは、いつだってとても素晴らしい気分だ。今日は天候にも恵まれた。レースウイークを通してそうなるとは限らないが、僕自身はかなりの周回を走ることができた。僕はテスト走行1回目の最初と、2回目の最後に走行したので、路面コンディションが大きく向上したことを確認できたよ。クルマの感触はとても良く、今日の走行には満足している。これから得られたデータを分析し、水曜日までに改善できる点を探っていくことになるね」


●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)


「ル・マンに戻って来られて本当にうれしい。毎年、ここに戻ってくると最高の気分で、まるで家に帰ってきたかのようなんだ。今日は大きなトラブルもなく、スムーズな一日で、予定していたプログラムの大半をこなすことができた。何度か赤旗やセーフティカーも出たけれど、それはどのチームにとっても同じことだ。現段階では我々にとって期待の持てる状況だと思う。他のチームがどんなことをしているのかはわからないが、まずは良いスタートを切れた」


●平川亮(8号車ドライバー)


「今日は多くの異なるオプションをテストし、有意義な一日でした。予定されていたプログラムをこなし、これからの数日間は、今日得られたデータの精査とレースウイークへ向けた車両セットアップ改善に専念することになります。これまでのところはすべて順調ですが、ライバルに追いつくにはまだもう少し改善が必要です。レースウイークまでには更なる改善ができるはずです」


●宮田莉朋(テストドライバー)


「ル・マンで初めてトヨタGR010ハイブリッドをドライブしたフィーリングは最高でした。私にとってここル・マンでの初走行でもあり、忘れられない特別な瞬間に今日はなりまし、本当に楽しみました。私自身はトヨタGR010ハイブリッドでは午前中数周したのみで、その後はクール・レーシングのLMP2車両に乗り換えることとなり、忙しい一日でしたが、素晴らしい経験でしたし、多くのことを学ぶことができました。この機会を与えてくれたTGRに心から感謝しています」

2024年WEC第4戦ル・マン24時間テストデー 8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング)


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