高卒2年目もずば抜けている清宮と村上。敵も味方も絶賛する凄さとは

6月10日(月)6時37分 Sportiva

 プロ野球セ・パ交流戦が開幕した。日本ハム×ヤクルトが札幌ドームで6月4日から3日間にわたって行なわれ清宮幸太郎と村上宗隆が一軍の舞台で初めて顔を合わせたことで注目を集めた。

 村上は3試合連続打点を挙げるなど活躍。一方の清宮も3戦目に2安打1打点でチームを勝利に導いた。”高卒2年目のスラッガー”ふたりは、互いに存在感を示した。


高卒2年目ながらチームの主軸として活躍する清宮幸太郎(写真左)と村上宗隆

 第1戦の試合前練習では、ともに多くの報道陣に囲まれ、高校時代(1年時の5月)に練習試合で初めて出会った時のお互いの印象について聞かれていた。

*清宮は、早稲田実業高校(東京)。村上は、九州学院高校(熊本)

「体がデカいというのが最初の印象でした」(清宮)

「存在は会う前から知っていたのですが、僕も(清宮への)第一印象はデカいなと思いました。あの日、早実戦で打ったホームランが高校での1本目だったので記憶に残っています」(村上)

 試合は、清宮が「6番・DH」、村上は「5番・ファースト」で先発出場した。

 まずは村上が札幌ドームに集まった観客の度肝を抜いた。2回表、ワンアウトで打席に立つと、先発・上沢直之の投じた初球、外角低めの144キロのストレートをセンター中段へと叩き込んだ。推定飛距離130メートルの特大ホームランだった。試合後、村上は次のように語った。

「打つ体勢は整っていたので、来たボールにしっかりとコンタクトできました。チームとして、先制点がほしいなかで、いいホームランになったと思います。そのあとの打席では四球も取れましたし、ああいう打席は大事。僕は毎日が勝負なので、チームの勝敗に関係なく、1打席1打席を大事に集中していきたいです」

 上沢は村上との対戦をこう振り返った。

「投げたボール自体はそれほど悪くなかったと思います。村上くんについては”すごい”とは聞いていたのですが、高卒2年目の選手がこの球場のセンター中段に飛ばすんですからね。思っていた以上にすごいバッターでした。あのホームランはすごかったです」

 2打席目以降は、セカンドエラー、セカンドゴロ、四球と安打は許さなかった。

「あとの対戦では、いろいろ組み立てながらやったんですけど、それでも雰囲気はありましたね。外のボールをあれだけうまく打てて、なおかつインコースもさばけそうな雰囲気があります。そうなると組み立てが難しいですよね。

 間違いなく日本を代表する打者になると思います。清宮は同じチームだから対戦していないので何とも言えませんが、やっぱり高卒2年目にしてはすばらしいですし、飛距離もすごい。あいつもファイターズ、そして日本を代表する選手になってくれると思っています」

 迎えた2戦目、日本ハムのスタメンに清宮の名前はなかった。ヤクルトの近藤一樹は、前日の試合でリリーフ登板して、清宮をセカンドゴロに打ち取った。

「僕は日大三高出身で、清宮くんの早実とはライバル校ということで、後輩たちが”打倒・早実”として戦っている映像はよく見ていました。すごくいい打者だなと。それが当時の印象でした。

 プロに入ってからは、ニュースで流れる清宮くんの”いい映像”も見ました。そういう映像ってマウンドで思い出してしまったりすることもあるので、僕にとってはいい映像とは言えないんですけど(笑)。とはいえ、バッティング練習を見て、『ここに投げてはいけない』とかは把握できたので……。それが何かは言えませんけど、特徴などは把握したつもりです」

 1打席の対戦だったが、近藤は清宮に対してどんな印象を持ったのだろうか。

「雰囲気があるなと……正直、ツボにはまったら本当にとんでもない打球になってしまうという雰囲気がありました。うちが1点リードしていた状況だったので、1球1球が勝負、失投に気をつけながら……という感じでした。ピッチャーとしては、注目されている選手はやりにくいですよね。打たれることで、試合の流れを変えられてしまうので。そういう意味で、まだ若いですけどチームの中心になっていると感じます。

 投手はなかなか甘いボールを投げてこないですが、そういうなかで経験を重ねていけば、日本を代表する打者になることは間違いないと思います。うちの村上であったり、若い子たちがこれからの野球界を引っ張っていくのでしょうね」

 この日も村上は「5番・ファースト」で出場。1打席目は先発の杉浦稔大から四球を選び、満塁のチャンスで迎えた3打席目はダメ押しとなる2点タイムリー。4打席目はロドリゲスの外角チェンジアップをきれいに逆方向に弾き返した。この日、2安打2打点の活躍でチームの勝利に大きく貢献した。

 この試合で日本ハムの先発マスクを任された鶴岡慎也に、村上の印象について聞いた。

「まずスイングの思い切りがいいですよね。若さを前面に出して、恐れずに振ってくる。こちらとしては、一歩間違えたら長打になるので、やっぱり嫌ですよね。なにより、ただ思い切り振り回すだけでなく、狙い球をある程度絞って打席に入っている。打つことに関しての能力がすごく高いと感じました。これからいろいろ研究されて、弱点をどんどん突かれていくと思いますが、そのなかでどう対応して進化していくのかなと。ひとりの野球ファンとしての興味はあります」

 ベテランの鶴岡に、若い世代の選手たちはどのように映っているのだろうか。

「僕らの時代に比べたら、今の若い子たちは体も大きくなっていますし、レベルの高いトレーニング方法も普及している。村上くんにしろ、うちの清宮にしろ、一軍レベルでプレーできる選手が多くなりましたよね。それこそ、これから彼らの下の世代もどんどん出てくると思いますよ。

 清宮にしても、試合に打てなかったらすぐショボンとしたり、まだまだ子どもの部分はありますけど、経験を積んでもっともっと大人になって、将来のプロ野球を支える選手になっていってほしいですよね。こんなことを言うと『また偉そうに』と嫌がられるんでしょうけど」

 鶴岡が「なっ?」と笑うと、その横で試合の準備をしていた清宮が照れ笑いを浮かべていた。

 6月6日、3連戦最後のカードは、村上が「5番・ファースト」、清宮が「6番・ファースト」で先発出場。それぞれが試合の流れを変える活躍を見せた。とくに清宮は3回裏の第2打席で1打点をあげるライト前ヒット。守備でもファウルフライをスライディングキャッチで好捕してみせた。

 清宮は試合後、次のように語った。

「自分のスイングをしようと打席に入りました。タイミングをしっかり取って、打つことができました。(守備について)初回にファウルフライを落としてしまいましたし、勝ちたい一心で何としても捕るんだと追いかけました。本当に勝ててよかったですし、打点も挙げることができたので充実感はあります」

 村上の存在について記者に聞かれると、清宮はこのように答えた。

「『自分も負けられないな』という思いが強くなりました。この3連戦はすごく有意義な時間だったと思います。(村上は)ホームランだったり、チャンスでしっかり打つ。ああいう選手がチームに求められているのだと思いました。(自分は)まだまだ足りない部分が多いので、練習から必死に取り組んでいかないといけないと思います」

 3連戦中、日本ハムの中田翔とヤクルトの宮本慎也ヘッドコーチにも、ふたりについて話を聞くことができた。

 中田は2007年のドラフトで日本ハムから1位指名を受けて入団。1年目から常に注目を浴びながら、今では日本を代表する選手となった。

(村上は)間近で見てもオーラがありますし、しっかりボールを見ることもできる。2年目とは思えないですよね。高卒2年目で、あれだけしっかりとバットを強く振れる選手はいないですし、そこに関しては清宮もね、ずば抜けている。ふたりのすごいところはそこじゃないですか。

 村上くんも清宮も、今でもスケールは大きいですけど、もっともっとスケールの大きい選手になってほしいですね。そうなることは間違いないですから。これから先、日本のプロ野球界のために、それぞれのチーム、そして日本を背負うような選手に1年でも1日でも早くなってほしいと思っています」

 宮本ヘッドコーチは、常にプロ野球の未来を考え、少年野球の発展にも力を入れている。宮本ヘッドには、ふたりがどんな野球選手になってほしいか質問した。

「ふたりとも、普通にいけばそれなりの選手になると思います。そのなかで、道徳的な面で……と聞かれれば、やはり野球選手の模範になってほしいですよね。グラウンドでの立ち居振る舞い。ユニフォームの着こなしであったり、凡打したあとの態度だったり……。それこそ、グラウンドにツバを吐く選手がいますけど、そういう部分ですよね。『成績を出せばいいんでしょ』という選手にはなってほしくない。子どもたちをはじめ、みんなが尊敬できるような選手になってほしい。

 そういう意味では、試合終了までグラウンドにいるのがスーパースターなので……。今のままであれば、守備固めを出される選手になってしまいます。全部が全部とはいかないかもしれませんが、プロ野球界としてはふたりにそういう選手になってほしいと思います」

 ふたりの若きスラッガーがチームの看板選手となり、日本代表の主軸を任される日は、そう遠くないはずだ。

Sportiva

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