井上尚弥が「史上最高」になるために提言 パッキャオと対戦した伝説戦士が“異論”「今の階級には何もない」

2024年6月13日(木)17時0分 ココカラネクスト

さらなる階級上げが求められる井上にはレジェンドからも厳しい言葉が飛ぶ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 現役時代に数多の名勝負を演じてきたレジェンドから興味深い提言が飛んだ。

 米メディア『Fight Hub TV』に出演した元世界2階級制覇王者ティモシー・ブラッドリー氏(米国)は、現スーパーバンタム級4団体統一王者に君臨する井上尚弥(大橋)について言及。巷で囁かれるフェザー級への転級を勧めた。

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 キャリア27戦無敗(24KO)と文字通り敵なし強さを誇る井上。史上2人目となる2階級での4団体統一を果たし、「最も価値がある」とされる米老舗誌『THE RING』のパウンド・フォー・パウンド(PFP)でも当たり前のようにトップ3に食い込んでいる。

 この現状から、さらに階級を上げるように求めるファンやメディアは少なくない。かく言うブラッドリー氏も井上のフェザー級行きを推奨するうちの一人だ。

 無論、先述の数字を代表とする井上の実績を認めないわけではない。しかし、「ナオヤ・イノウエのここまでの輝かしいキャリアのおけるパフォーマンスもちろん、ルイス・ネリ戦も素晴らしかった」と強調するブラッドリー氏は、「ボクシングの歴史全体で頂点へ達するには、まだ小さな一歩が必要だ」と断言。その理由を次のように話す。

「今のスーパーバンタム級にはイノウエのレベルに達した選手はいない。彼はフェザーに上げて、自分の力を試すべきなんだ。もしも、彼が新しい舞台(フェザー級)で成功すれば、それはボクシング史の頂点に立つにふさわしい偉業だ。フェザー級で統一王者となれば、前例のないことだし、史上最も偉大なボクサーにふさわしいだろう。3階級で3回統一は歴史上ないだろ」

 さらに「今の階級で、出すべきもの、出せるものは何もない。歴史を塗り替えたいのなら、数ポンド体重を増やして、4つのベルトを探す必要がある」とも訴えるブラッドリー氏。自身も現役時代には世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)らと激闘を見せ、2階級でタイトルを手にした実績を持つレジェンドは、井上にさらなる飛躍を求めている。

「私がイノウエを気に入ったのは、ネリに倒されてからも落ち着いていたからだ。立ち上がり、戦略を変えて、そして2度と同じミスを繰り返さなかった。彼は驚異的な選手で、階級の上げ方を知っている、だからスーパーバンタム級では全員を仕留めた。もう何もない。すでに王者を倒しているし、そもそも挑戦できる選手はほとんどいない。数少ない選手ですらもKOされるよ」

 階級上げには「簡単じゃない」と慎重な姿勢を貫いてきた井上。待ち望まれるフェザー級転向も早くても来年以降になる見通しとなっている。そうした状況下でも「敵はいない」とレジェンドが猛プッシュを続ける事実が、日本のモンスターに対する世界の期待を物語っていると言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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