【二宮寿朗の週刊文蹴】最適解の中心にふさわしい香川

6月15日(金)10時0分 スポーツ報知

12日のパラグアイ戦で初勝利を挙げ、選手たちを握手を交わす西野監督

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 結果的には“妙手”だった。先日のパラグアイ戦において日本代表の西野朗監督は、スイス戦の先発メンバーから10人を入れ替えた。就任後「組み合わせによってチームの良さ、信じられないプレーが出てくるのが日本の強み」と語っていたが、己のポリシーを曲げることなく大会直前まで組み合わせの最適解を探すやり方を貫いた。2試合で23人全員を使い切り、そしてパラグアイ戦に勝利したことでムードも一変した感がある。

 やらされるのではなく、自分たちで日本の良さを出す。この方針によって殻破りの気配を見せているのが、香川真司である。

 トップ下で攻守に連動して1得点2アシストの活躍。守備のタスクをしっかりこなしつつ、前でボールを受けてチャンスメイクの任に専念した。できるだけ下がらないように。自分の役割を果たすために、ポジショニングに注意を払っていた。

 何よりも、いい意味で肩の力が抜けていた。“前のめり感”がなかった。

 10年南アフリカW杯でメンバーから外れた理由について、岡田武史氏から聞いたことがある。

 「監督に言われた通りのことだけをやるだけの選手じゃ面白くないし、真司はそこが魅力。ただ、自分の力をW杯で試したいという気持ちが強すぎると感じた。これがブラジルやドイツだったら『俺は俺でやるんだ』という選手がいたほうが絶対に面白い。でもあのときの日本は違う。チームのためだけに尽くして一つになっていくことが、必要だと考えた。(外れた)真司は反発心みたいなものを成長に変えてくれた」

 己の力を試したいという欲、ドルトムントでの輝き、代表10番の重圧、ケガ、先発落ち…紆余(うよ)曲折を経て、ようやく代表における自分の最適解にたどり着きつつある。

 チームのために尽くす中で自分の特色を出す—。吹っ切れた彼は、日本の希望。最適解の中心にふさわしくなってきた。(スポーツライター)

スポーツ報知

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