F1カナダGPでの進歩を喜ぶも「勝てたかもしれないという気持ちを忘れることはできない」とメルセデスのTDアリソン

2024年6月16日(日)7時30分 AUTOSPORT web

 メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、W15の開発におけるチームの進歩を称賛した。しかし彼は多くのスタッフと同様に、第9戦カナダGPで優勝できたかもしれないと感じていたため、複雑な気持ちでモントリオールを去ったことも認めた。


 アリソンはチームの公式メディアプラットフォームに対して、「大きな喜びを心のなかで感じているが、『ああ、あれは勝てたかもしれない』という思いも多少ある」と率直に語った。


「どれだけ頑張っても、その気持ちを忘れることはできない」


 それでも、メルセデスは期待が裏切られてばかりの2年半を過ごしてきたので、アリソンはモントリオールで示されたペースは非常に励みになると認めた。


「マシンが新たに前進したことは、本当にうれしい気持ちだ」


「これは我々が十分に競争力があると主張できる最初の週末だ。今後より素晴らしいことが起こる前兆となるだろう」

2024年F1第9戦カナダGP 3位に入賞したジョージ・ラッセル(メルセデス)


 モナコでのジョージ・ラッセルのマシンに取り付けた新しいフロントウイングについては多くのことが語られ、ルイス・ハミルトンはそれがその週末にチームメイトに後れをとった理由だと主張した。そしてアリソンは、その新しい要素がメルセデスにとって明らかな前進となったと明かした。


「私はそう思う。前回のモナコのレースでジョージだけが使用したが、それがどのような挙動をするかわかっていた。モントリオールでは2台用意し、パフォーマンスの向上を期待していた。カナダのコースは普通ではないとはいえ、モナコに比べれば標準寄りのコースなので、カナダではモナコよりもう少しよい結果が出るだろうと予想していた」


「それによってさらにパフォーマンスが向上し、マシンは操縦しやすくなり、バランスもよく取れていた。マシンはドライバーが手こずるものではなく、味方となった」

2024年F1第9戦カナダGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 2022年シーズンから続くハミルトンとラッセルの主な不満のひとつは、メルセデスのマシンの適正範囲が非常に狭いということだったが、現在アリソンは「我々はそれを大幅に広げた」と考えている。


「まだやるべきことがたくさんある。次のコースであるバルセロナに行けば、確実にわかるだろう。なぜなら、コーナリングの条件の範囲が実に幅広いからだ。さらに、温度がはるかに高いコースなので、車両にとってはかなり厳しい試練になるだろう」


 そのような条件下でも、アリソンは「我々が施した変更によって、このマシンはより素晴らしいものになっている。我々が向かうどのコースでもそうなるだろう」と明らかに自信を持っている。だが依然として評価にあたっては非常に慎重であり、「モントリオールではその特性によって、今後のレースで我々がコントロールするよりもマシンが少々速く見える」と認めている。


「競争力は出せるだろう。しかし、すぐトップにということではない。これからのコースは、アスファルトは熱く、コーナリング速度が幅広いので、マシンにとって少し厳しいテストになるからだ。しかし、これから何が起こるか分かっているし、マシンをさらに改善するために計画していることも理解している」


「我々の課題は、他チームが追いつけないペースでアップグレードを継続することだ。そのためには、今後数週間や数カ月にわたり、ここにいる全員が努力してマシンを前に進めるだけだ。今後直面するどのコースでも、モントリオールの週末を再現するか、それ以上に優れた結果を出せるようにするためだ」

2024年F1第9戦カナダGP ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトン(メルセデス)


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