19年ぶり、伝統のWRCサファリ。トヨタは選手権首位維持と通算8度目の優勝目指す

2021年6月18日(金)19時14分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは6月24〜27日、アフリカのケニアで開催される今季第6戦『サファリ・ラリー・ケニア』に、トヨタ・ヤリスWRCを駆るセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が参戦する。さらに、過去2戦で自己ベストリザルトとなる総合4位フィニッシュを果たしている勝田貴元も、ヤリスWRCで出場予定だ。


 2021年シーズンの折り返しを迎える第6戦ケニア。この伝統のラリーに挑むトヨタはここまで5戦4勝、その内3勝を挙げているオジエがドライバー選手権をリードし、1勝のエバンスがチームメイトに次ぐランキング2位につけている。
 
 マニュファクチャラー選手権でもリードする立場にあるトヨタは、このケニア・ラウンでライバルをさらに突き放しに掛かる。
 
 その“サファリ・ラリー”は1953年から続く伝統のラリーイベントであり、WRCが創設された1973年からシリーズに組み込まれてきた。ケニアを中心とした東アフリカの大地を舞台としたラリーは非常に壮大なスケール、長距離走行するアドベンチャー色の強い他に類を見ないラリーとして長年にわたって人気を博し、トヨタはWRCとして開催された同イベントで過去7回の勝利を収めている。


 2002年を最後にWRCのカレンダーから外れたサファリ・ラリーは昨年、ふたたび世界選手権へのカムバックが決まったものの、新型コロナウイルス“パンデミック”の影響で大会は中止に。それでも今季改めてカレンダー入りを果たし、19年ぶりにシリーズを迎えることになる。


 ラリーはサービスパークが24日(木)、首都ナイロビ中心部でのセレモニアルスタートで開幕し、その後近くの“カサラニ”で全長4.84kmのスーパーSSが行われ競技がスタートする。


 翌25日(金)以降、本格的なグラベル(未舗装路)ラリーが開始され、広大なアフリカの大地を舞台に18本のステージ、SS合計距離320.19kmで争われる。なお、リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は1133.94kmとなる予定だ。


 トヨタはこのラリーに向け、スペインで走行テストを実施。これはWRCの規則で欧州以外でのテストが禁じられているためだ。


■「サファリ・ラリーはWRCの中でもっとも難しいイベントだった」とヤリ-マティ・ラトバラ


「僕はこれまで、新しい挑戦にいつもワクワクしてきたが、今回のラリーはこれまで経験してきたものとはまったく違うものになると思う」とベテランのオジエが語るように、現役トップドライバーの中にサファリ・ラリーの経験者はおらず、今戦は誰にとっても初めてのラリーとなる。


 ランキング2位につけるエバンスは「スムーズなイベントになるとは思っていませんし、クルマだけでなく、選手にとってもきっと大きなチャレンジになるだろう」とひろ筋縄にはいかないと予想。


 チーム最年少のロバンペラはラリー・サファリの経験者である父、ハリ・ロバンペラが「いろいろな話をしてくれた」といい、「最新のラリーカーであのようなステージをどのように攻略するのか、とても興味深い」とコメントした。


 チームを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表は「WRCにケニアでのサファリ・ラリーが戻ってくるのは素晴らしいことだ」と述べた。
 
「クローズされていない一般道を走り、対向車が来ることをヘリコプターで選手に警告していた以前のスタイルとは大きく異なるが、それでも新たな試練に直面することが予想される」


「サファリ・ラリーはかつて、WRCの中でもっとも難しいイベントだった。今年のステージがどのようになるのか正確にはわからないが、クルマにとって非常に厳しいラリーになることを覚悟して準備する必要がある」


「チームにとっても、現役のドライバーたちにとっても、未知なる領域への挑戦はとてもエキサイティングなことだ」

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