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広島に食らいつく阪神!救援4投手奮闘/里崎智也

日刊スポーツ6月20日(火)11時0分
画像:交流戦3連覇のソフトバンク工藤公康監督とナインはレフトスタンドに向かって「1ダホー!」ポーズ(撮影・梅根麻紀)
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交流戦3連覇のソフトバンク工藤公康監督とナインはレフトスタンドに向かって「1ダホー!」ポーズ(撮影・梅根麻紀)

 元ロッテの里崎智也氏(野球評論家)の「ウェブ特別評論」を掲載中。42回目は「交流戦総括」です。
    ◇   ◇   ◇
 ソフトバンクが広島との交流戦最終決戦を制し、史上初3年連続7度目の最高勝率球団となった。交流戦前に見どころで最高勝率ラインをズバリ13勝5敗と予想したが、12勝6敗で落ち着いた。交流戦最終戦でセ・リーグが5勝すれば、リーグ対抗戦ではセの勝ちだった。パが圧倒しているイメージが強い交流戦だが、今年はパ56勝vsセ51勝と肉薄したのが特徴だった。大負け気配のあったヤクルト、巨人が終盤に巻き返したため、突き抜けたり、大きく引き離されたりする球団は出なかったようだ。
 ソフトバンクの選手層の厚さはさすがとしか言いようがない。投手陣では和田、武田、千賀、野手陣では内川、デスパイネといずれも投打の大黒柱を欠く中、交流戦を制した。捕手の甲斐も18試合中14試合で先発し急成長した。13年育成ドラフト1位の石川が5月31日の中日戦で今季初先発ながらプロ初勝利を挙げるなど交流戦で2勝1敗。1敗も巨人山口俊との投げ合いで6回途中2失点とゲームは作った。
 また、14年のドラフト1位松本裕も今月3日のDeNA戦プロ2度目の先発登板で見事にプロ初勝利を挙げた。高校3年のドラフトイヤーでは夏の甲子園で右肘不安を抱えていたため、指名を見送った球団もあっただろう。熟成栽培を許すことができるチーム状況があればこそのドラフト1位指名だった。プロ3年目で沢村賞右腕、斉藤和巳の背番号66を引き継ぐ松本裕が芽を出し始めた。和田らが負傷離脱しながら、手塩にかけた新顔が次々に出てくる。ドラフト戦略、育成面での歯車もうまく回転しているようだ。
 パ・リーグ首位を走る楽天とのゲーム差も交流戦前の3・5から、ジワリ詰まって1・5差。武田、内川、デスパイネら主力が復帰してくれば、強烈な追い上げ態勢が整う。昨シーズンは先頭を走りながら、日本ハムの驚異的な追い上げに屈したが、若手も着実にチーム戦力となりつつあり、加速する気配さえ漂う。
 広島は、球団初となる交流戦1位を惜しくも逃した。勝敗はソフトバンクと同じ12勝6敗ながら規定により直接対決で1勝2敗で負け越したため1位の座を奪われた。勝てば巨人(2回)に次ぐセ・リーグ2球団目の1位だった。交流戦期間の打率は全体3位の2割6分6厘、防御率も2位の2・73、16盗塁、26本塁打は1位と攻守全体的にバランスが良い。昨年ペナント制覇に貢献したジョンソンも9日の楽天戦で1勝、中崎も交流戦前に戻り厚みを増した。丸は交流戦で3打席連発など打率4割1分1厘(交流戦首位打者)、5本塁打で計12本塁打に、鈴木誠也が同期間6発の計15本塁打と存在感を見せつけた。序盤出遅れた選手も次々に復帰しつつある状況で今後の不安材料は主力のけがだけ、死角なしの状況だ。
 阪神は10勝8敗と勝ち越した。広島に離されず食らいついているのは評価できる。昨年の交流戦は7勝11敗で借金4だった。中継ぎの充実ぶりが「前年比プラス」に働いている。「勝利の方程式」を担う4人衆の桑原は交流戦10試合で防御率0・00、高橋は同8試合で同2・45、マテオは同11試合で同1・80、ドリスは同7試合で同5・40。ドリスに若干疲れが見えるものの、全体的にリリーフ陣は整備されている。救援4投手の交流戦防御率は2・23。阪神投手陣の同防御率は12球団3位の3・01。「勝利の方程式」が先発陣をフォローしたことが数字にも表れた。
 序盤の勢いがすさまじかったせいか、楽天の10勝8敗は何か足踏みした感さえ受けるのは私だけだろうか。梨田監督も球団初の最高勝率を掲げたが、交流戦は5位に終わった。同期間の打率は10位タイの2割4分2厘、同防御率は3・50で6位。成績自体、特別に悪いというわけではないものの、結果、ソフトバンクに詰め寄られた。交流戦前の勢いからすれば少し物足りない気もした。
 オリックスは、昨年5勝13敗で12球団最下位だったが今年は10勝8敗の6位、打率2割7分6厘は、同2位ソフトバンク、同3位広島を上回る1位だった。交流戦前は右肩下がり傾向だったが歯止めをかけた。中日も9勝9敗の勝率5割で8位、交流戦前はセ最下位だったが1つ順位を上げて5位に。交流戦最終日までセがパに勝ち越すチャンスがあったが、広島、阪神、DeNA、中日の踏ん張りが大きい。結局、8年連続でパの勝ち越しとなったが、巨人、ヤクルトの交流戦序盤の連敗が響いた。巨人は交流戦前から同期間序盤まで続いた13連敗もあったが、FA組の陽、森福、山口俊が戻り、ここ1週間は5勝1敗、ヤクルトも同4勝2敗で巻き返し態勢が出来つつあるのは、リーグ戦再開へ明るい材料か。
 交流戦を終えセ・リーグは1位広島、2位阪神が頭一つ抜け出したが、最下位ヤクルトはCS進出となる3位まで6ゲーム差。連勝が来れば、まだまだあきらめる数字ではない。
 パ・リーグは1位楽天、2位ソフトバンク、3位西武と4位以下の差がくっきり出てきた。残念ながら5位日本ハム、6位ロッテは交流戦前後で勢いは変わらず。CS進出となる3位以内を最低目標とすれば、3位西武までロッテから見れば17差。首位楽天とは同22・5差。10以上の大型連勝が必要な状況となった。
 ◆里崎智也(さとざき・ともや)1976年(昭51)5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮)−帝京大を経て98年にロッテを逆指名しドラフト2位で入団。06年第1回WBCでは優勝した王ジャパンの正捕手として活躍。08年北京五輪出場。06、07年ベストナインとゴールデングラブ賞。オールスター出場7度。05、09年盗塁阻止率リーグ1位。2014年のシーズン限りで引退。実働15年で通算1089試合、3476打数890安打(打率2割5分6厘)、108本塁打、458打点。現役時代は175センチ、94キロ。右投げ右打ち。
(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「サトのガチ話」)

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