ランボルギーニが1-2含む週末2勝。富田竜一郎も2度登壇/GTWCヨーロッパ第4戦

2021年6月22日(火)7時10分 AUTOSPORT web

 SROモータースポーツ・グループが主催するGT3シリーズ、ファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSの2021年シーズン第4戦がオランダ、ザントフォールで開催され、エミル・フレイ・レーシングのランボルギーニ・ウラカン勢が週末の2レースで勝利を飾った。


 6月18〜20日にザントフォールトで開催された今季第4戦、その土曜レース1に向けて行われた予選では、シルバーカップにエントリーしている14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(エミル・フレイ・レーシング)のリカルド・フェラー/アレックス・フォンタナ組がポールポジションを獲得した。


 すると、彼らは同日に行われた決勝レース1でも速さを発揮し、後続に9.6秒の大差をつけてトップチェッカー。並み居るプロクラスのマシンを尻目に見事、ポール・トゥ・ウインを飾った。


 その後方では7番手スタートから順位を上げてきたアッカASPの88号車メルセデスAMG GT3が2位でフィニッシュし、フロントロウの2番手からレースを開始したCMRの107号車ベントレー・コンチネンタルGT3はひとつ順位を落としたものの、シルバーカップ2位と総合での表彰台を確保した。総合4位はチームWRTの31号車アウディR8 LMSとなり同車をドライブしたフランク・バード/富田竜一郎組はシルバーカップの3位表彰台を得ている。


 明けた日曜の決勝レース2前に実施された2度目の予選では、前日2位となった88号車メルセデスが、チームWRTの32号車アウディR8 LMSをわずか0.019秒上回りグリッド最前列を獲得する。32号車の後方には開幕戦ウイナーの54号車ポルシェ911 GT3 R(ダイナミック・モータースポーツ)と、163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo(エミル・フレイ・レーシング)がセカンドロウに並んだ。


 レース1と同じく60分間で争われたレース2は波乱に満ちたものとなった。その際たるは、ポールスタートからラファエル・マルチェッロがリードを守り、ティムール・ボグスラフスキーにバトンをつないだ88号車メルセデスだ。


 強豪アッカASPが走らせるこのクルマは、ピットウインドウが閉まるぎりぎりまでマルチェロが引っ張り、チームメイトに後半戦を託す戦略をとった。この作戦はうまくいきレース終盤に入る段階で88号車は、アンダーカットで2番手順位を上げてきた163号車ランボルギーニに対して11秒ものギャップを築いていた。

レース1でポール・トゥ・ウインを飾ったエミル・フレイ・レーシングの14号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo
レース1、レース2ともにシルバーカップの3位表彰台を獲得した富田竜一郎・フランク・バード組(右)


■盤石に見えた88号車メルセデスに悲劇


 しかしチェッカーまで残り20分少々となったタイミングで88号車は突如スロー走行に。ピットに戻されたメルセデスは車載バッテリーのトラブルでリタイアとなった。その4分後には4番手を走る54号車もマシンにトラブルを抱えてピットイン。ガレージに収められてしまう。
 
 上位陣が相次いで戦線を離脱するなか、終盤にトップに浮上した163号車はそのまま首位でファイナルラップを迎え、アルバート・コスタのチームメイトであるノーベルト・シードラーのドライブでトップチェッカーを受けた。


 このクルマの後方には選手権リーダーの32号車アウディがつけていたが、ピットレーンでの速度超過によるドライブスルーペナルティを受けて3番手に後退する。これに代わって14号車ランボルギーニが2位でフィニッシュラインを通過したことで、エミル・フレイ・レーシングはワン・ツー・フィニッシュを達成している。


 決勝レース2を最後尾からスタートしたバード/富田組の31号車アウディは、序盤からオーバーテイクを繰り返しレース折り返しの段階で18番手に浮上。最終的には総合7位まで順位を上げ、シルバーカップ3位となった。
 
 GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの次戦第5戦は7月2〜3日、イタリアのミサノ・サーキットで開催される。なお、今週22日(火)〜23日(水)の2日間はスパ24時間に向けた公式テストがベルギー、スパ・フランコルシャンで実施される予定だ。

ファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第4戦ザントフォールト レース2のスタートシーン
チームWRTの31号車アウディR8 LMS(フランク・バード/富田竜一郎組)

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