STCC第2戦はPWRのダールグレン&コチュリンスキーが1-2達成も、アウディ勢が逆襲の今季初勝利

2021年6月25日(金)6時50分 AUTOSPORT web

 STCCカンジナビアン・ツーリングカー選手権の2021年第2戦、シェレフテオでの1戦が6月18〜19日に開催され、PWRレーシングのロバート・ダールグレン(クプラ・レオン・コンペティションTCR)がレース1勝利に続き、僚友ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クプラ・レオン・コンペティションTCR)を従えてレース2でも快勝しワン・ツー・フィニッシュを達成。サクセスウエイトを搭載しながら、開幕2戦連続での快挙達成で2度のチャンピオン獲得経験者としての地力を見せつけた。


 また、予選後のトラブルでエンジン交換の憂き目にあったブリンク・モータースポーツのトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)は、レース3で意地の今季初勝利を挙げている。


 元王者ダールグレンの地元、シェレフテオ・ドライブセンター・アリーナでのラウンドを前に、開幕戦の3ヒートで2勝を飾ったPWRのエースには50kgものサクセスバラストが搭載され、直接のライバル勢であるレストラップ・レーシングの新エース、オリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)や、ブリンクのアウディに対して5kg重い条件での勝負となった。


 しかし予選Q1、Q2ともにホームレースのダールグレンが見事なスピードを披露し、レース1とレース2に向けての最前列を確保。双方ともフロントロウ2番手には開幕レース3勝者で同じく35kgのバラストを積むマティアス・アンダーソン(リンク&コー03 TCR/MA:GP)と、2列目3番手に同30kg搭載のコチュリンスキーが続くグリッドとなった。


 明けた19日のレース1は、ポールシッターのダールグレンが盤石のホールショットを決めると、10周のスプリントで1度も首位を明け渡すことなく“ライト・トゥ・フラッグ”での今季3勝目を獲得した。ポジションを上げて来たカヤード・レーシングのアンドレアス・アールベルグ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)、そしてアンダーソンのリンク&コー03 TCRが続く表彰台となっている。


 同じく午後17時を前にスタートしたレース2もダールグレンがトップランを堅持すると、前戦同様3番手発進だったコチュリンスキーが今度は抜群の蹴り出しを見せ、リンク&コーを出し抜いてエースのテールに続いてターン1へと向かう。


 その直後から、執拗に彼女のクプラにプレッシャーを掛け続けたアンダーソンだったが、STCC史上初の女性ウイナーは前に出たアドバンテージを活かしてポジションを明け渡さず、盤石のブロックラインでパッシングの機会を封じていく。

開幕戦の3ヒートで2勝を飾ったPWRのエースには50kgものサクセスバラストが搭載されるも、そのスピードは衰えず
開幕に続き連続1-2に貢献したミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(Cupra León Competición TCR)も、ランキング4位につける


■ダールグレンがSTCC通算100回目の表彰台を獲得


 終盤には4番手にセーデルシュトレーム、5番手にハンス・モーリン(アウディRS3 LMS/ブリンク・モータースポーツ)が迫ったことで、アンダーソンはミラーに集中する必要に迫られ、そのままのオーダーでチェッカー。


 PWR勢が開幕オープニングヒートに続く2度目のワン・ツーを飾り、6位にブリンク。7位にミカエル・カールソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)、そして8位のアールベルグが最終ヒートのリバースポールを手にする結果となった。


 現地時間20時55分開始のレース3を前に、上空からの雨量が増しトラック上は一部がプールのような状態に。そんな厳しいコンディションのなかスタートが切られると、アールベルグが首位を守りホールショットを奪ったものの、背後には3番手発進のブリンクがうまくトラクションを掛けてゴルフのテールに迫ってくる。


 雨中のアウディは勢いが衰えず、アールベルグはわずか3周でトップランを明け渡すと、続くラップでは同じアウディに乗るモーリンにもパスされ、さらにポジションを下げてしまう。


 すると、その後方からアウディ軍団を上回る速さで上位に進出して来たのが8番手スタートのダールグレンで、パープルカラーのクプラは5周目に早くも3番手に浮上し、アウディ2台の背後につける。


 ここから元王者の老獪な誘いに翻弄されたモーリンは、7周目にミスを犯して失速し、ここで2位を明け渡す結果に。ダールグレンはファイナルラップで首位ブリンクのテールに迫ったものの、宿敵をオーバーテイクするには至らず。アウディが今季初優勝を飾り、2位のダールグレンはこれがSTCC通算100回目の記念すべきポディウムに。3位にモーリン、4位アールベルグ、5位にコチュリンスキーを抑え切ったセーデルシュトレームの続くトップ5となった。


「信じられない週末の結果になったね。チームは僕に文句のつけようがないほど完璧なクルマを用意してくれた。100度目の表彰台なんて知らなかったけれど、ここで油断することはできない。このゲームを長く経験していると、状況はすぐに変わることをイヤと言うほど知らされるからね」とダールグレン。


 これでシリーズポイントを122点として首位独走体制に入った元王者は、2戦目にしてランキング2位浮上のブリンクを39点も引き離し、新シーズンでの3冠獲得に向け視界良好の結果となった。


 この後、STCCは早くもサマーブレイクに突入し、第3戦ゲラーローゼン・アリーナでの1戦は8月21〜22日の週末が予定されている。

同じく35kgのバラストを積むマティアス・アンダーソン(リンク&コー03 TCR/MA:GP)も、連続表彰台となった
予選後のトラブルでエンジン交換の憂き目にあったBrink Motorsport(ブリンク・モータースポーツ)のトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)が、レース3で意地の今季初勝利を挙げている

AUTOSPORT web

「アウディ」をもっと詳しく

「アウディ」のニュース

「アウディ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ