WTCR第4戦:ポルトガル戦レース1で約27台が巻き込まれる大クラッシュ。ヒュンダイが2勝挙げる

2018年6月26日(火)12時30分 AUTOSPORT web

 WTCR世界ツーリングカー・カップは6月23〜24日、ポルトガルのヴィラ・レアルで第4ラウンドが行われ、レース1でイバン・ミューラー(ヒュンダイi30 N TCR)が、レース2でマト・ホモラ(プジョー308 TCR)が、レース3でテッド・ビョーク(ヒュンダイi30 N TCR)が優勝を飾った。


 シリーズの前身にあたるWTCC世界ツーリングカー選手権時代からカレンダーに組み込まれてきたヴィラ・レアルは1周4.785kmの市街地サーキットで争われる1戦。


 また、この大会ではWorldRX世界ラリークロス選手権などで採用されている遠回りセクションの“ジョーカーラップ”も採用。各ドライバーにはレース中1度の通行義務が課されており、どのタイミングでジョーカーを通過するかがポイントとなった。


■レース1


 レース1の予選はロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)とメディ・ベナーニ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)のセバスチャン・ローブ・レーシング勢がフロントロウを独占。3番手にノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)が続く形に。


 迎えたスタートではミケリスが好スタートをみせたが、ハフとベナーニがサイド・バイ・サイドの状態で前を塞ぐ格好となり、集団のまま1コーナーをクリア。


 しかし、続く2コーナーでハフとベナーニが接触。2台はそのまま2コーナーアウト側のガードレールに激突してしまう。


 クラッシュの衝撃でベナーニのマシンは、一時ハフのマシンに乗り上げるような格好となると、2台はコースを塞ぐような形でストップ。これに後続の約27台が次々と巻き込まれる大クラッシュに発展した。


 ハフとベナーニのふたりは検査のために病院へ搬送されたほか、アクシデントの処理、ガードレールの修復のためにレースは2時間以上に渡って赤旗中断。クラッシュに巻き込まれた車両のうち7台がリタイアを余儀なくされた。


 大クラッシュの引き金となったセバスチャン・ローブ・レーシングの2台は修復を断念。レースウイーク全体をリタイアしている。

イバン・ミューラー(ヒュンダイi30 N TCR)


 レースは現地18時15分にセーフティカー先導で再開。予選6番手だったミューラーを先頭に、エステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)、ガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイi30 N TCR)と続いていく。


 セーフティカー退出後、ミューラーはレースをコントロールしてトップチェッカー。2位にグエリエリ、3位にはタルキーニを交わしたペペ・オリオラ(セアト・クプラTCR)が続いた。



■レース2


 現地24日に行われたレース2は、ゴードン・シェドン(アウディRS3 LMS)がポールを獲得。2番手にミューラー、3番手にホモラが続く。  


 ホモラは、オープニングラップでミューラーを交わして2番手に浮上すると、シェドンに接近していく。2台は下りセクション先にあるシケインに向かう。ここにオーバースピードで飛び込んだシェドンはウォールへの接触を避けるべくシケインをカット。これが後に5秒ペナルティの対象になってしまう。


 5秒ペナルティを受けることになったシェドンは、11周の決勝レース折り返しの6周目にジョーカーを通過。4番手までポジションを落とすことに。トップにはホモラが浮上した。

WTCRポルトガルでは、ジョーカーラップが導入。ここの通過タイミングが勝敗を分けた


 そのホモラは8周目にジョーカーを通過して2番手に後退。トップには大ベテランのミューラーが浮上し、ホモラとミューラーの一騎打ちの様相に。


 ジョーカーを通過していなかったミューラーはファイナルラップ直前の10周目にジョーカーへ飛び込んだが、ポジションを守るのに充分なマージンは築けておらず、ホモラがトップへ浮上。そのまま逃げ切り、自身初のWTCR勝利を手にした。


 2位はミューラー、3位はオリオラ。ホンダ勢はヤン・エアラッシ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)の7位が最上位だった。


■レース3


 最終のレース3では、ポールシッターのビョークがオープニングラップで2.8秒のリードを築く快走。2周目には4.1秒ものマージンを稼ぎ出したため、3周目にジョーカーを通過して走行義務の消化し、トップのままコースへ復帰する。

テッド・ビョーク(ヒュンダイi30 N TCR)


 その直後の4周目、ノルベルト・ナギー(セアト・クプラTCR)がクラッシュしたため、セーフティカーが導入。ビョークの築いたマージンがリセットされたが、この時点でジョーカー走行義務を消化していたのはビョークのみで、依然としてアドバンテージのある状態だ。


 レースは5周目に再開されると、4周後の9周目に11番手を走っていたファブリツィオ・ジョバナルディ(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)がマシンにダメージを負ってストップしたため再度セーフティカーが投入。


 レースは残り3周となる12周目に再開されたが、直後に今度はシェドンのマシンがドライブシャフトのトラブルでストップ。3度目のセーフティカーランとなる。


 車両回収を終えて、レースは残り1周で再開。この時点で上位を走るドライバーの多くがジョーカー未消化だったこともあり、ビョークはトップを維持したたまでチェッカー。2位にタルキーニ、3位にミケリスが続き、ヒュンダイが表彰台を独占する格好となった。


 WTCRの第5ラウンドは7月13〜14日、スロバキアで行われる。





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