板倉滉がボランチ柴崎岳のすごさを実感。「ああいうふうになりたい」

6月26日(水)11時17分 Sportiva

 エクアドルと戦った日本代表のボランチは、2戦目のウルグアイ戦に引き続き、柴崎岳(ヘタフェ)と板倉滉(フローニンゲン)がコンビを組んだ。ポゼッション時にはこのふたりがチームのメトロノームとなってリズムを刻み、相手に主導権を握られた時間帯では汚れ仕事を引き受けた。


板倉滉(左)は積極的な守備でエクアドルの攻撃の目を摘み取った

 勝たなければコパ・アメリカの決勝トーナメントに進出できない日本は、試合終盤の88分に板倉を下げて、FWの前田大然(松本山雅FC)をピッチに送り出した。結局、試合は1−1のままで終わったが、前回のウルグアイ戦に比べて著しくプレーが改善した板倉は「もっと試合をしたかった」と語る。

 A代表デビューマッチとなったウルグアイ戦は、22歳の板倉にとってほろ苦いものだった。開始2分に自陣でボールをルイス・スアレス(バルセロナ)に渡してしまい、あわやゴールになりそうな強烈なミドルシュートを打たれてしまった。

 その後もパスミスやトラップミスが続くなど、板倉のプレーは安定しなかった。中盤でバタつき、心もとないと感じた人も多かっただろう。

 2019年1月、板倉はマンチェスター・シティと契約を交わすと、そのままオランダリーグのフローニンゲンに貸し出された。板倉はほぼ全試合でベンチ入りすることができたものの、結局トップチームでデビューを飾ることはなく、オランダ1部リーグでの出場時間はゼロに終わった。

 その間、板倉の実戦経験はオランダ3部リーグ(アマチュア1部リーグに相当)での3試合。計270分間にとどまった。ウルグアイ戦のバタつきは、試合勘不足によるものだろうか?

「試合勘のせいにしてはダメだと思いますし、緊張もしてなかった」。ウルグアイ戦後、板倉はそう言って続けた。

「久しぶりの試合ということや、(CBではなく)ボランチということもあって、見えている範囲が狭かった。もちろん、周りの状況をよく把握しようと思って試合に入ったのですが、なかなか視野が広がらなかった。プレスに来た近くの相手に目が行きがち、というシーンが多かった。

 やっぱり、いい時は全体が見えているし、パスが来たときには次のプランがある。それが、ウルグアイ戦ではなかった。自分に来た相手を気にしすぎたり、パスのコントロールミスがあったり……」

 プレー強度やスピードの速さで負けていたのではなく、あくまで自分自身に問題があったと、板倉は言う。

「ミスをした後に、『ここが空いていたな』というのも徐々に見えてきた。技術的な問題でもあるし、視野の狭さもあった。ただ、今日の試合(エクアドル戦)ではさらに見えるようになってきたので、もっとやりたかったというのが正直な気持ちです」

 186cmの板倉は、日本のボランチのなかでは長身なほうである。足のリーチも長く、恵まれたフィジカルを誇っている。守備に関して、デュエルにスランプはない。ウルグアイ戦の中盤以降、板倉は激しい守備を繰り返すことで徐々にリズムを掴み、調子を上げていって視野の広さを確保した。

 そして、A代表2試合目となったエクアドル戦では、相手のプレッシングを受けながらも、板倉は遠くにいる味方の姿がしっかり見えていた。

「相手のボランチが、僕と柴崎岳選手に食いついてきた。だから、僕はパスを受けることも考えつつ、奥にいた久保(建英/レアル・マドリード)くん、中島(翔哉/アル・ドゥハイル)さん、岡崎(慎司/レスター・シティ)さんが空いているのが見えていたので、自分にマークを引きつけてパスコースを作ろうと意識しました」

 今回のコパ・アメリカでは、キャプテンマークを巻いた柴崎が大健闘を見せていた。若い選手たちをプレーで引っ張り、チームリーダーとしての役割もしっかりと果たしていた。

 中盤でコンビを組んだ板倉は、どのような目で柴崎を見ていたのだろう。

「柴崎選手が気を遣って、僕を見ながら自分のポジションを取ってくれていたので、すごくやりやすかったです。あれだけ試合状況やチーム全体のことを考えてポジションを取ってくれる選手がひとりいると、そこで落ち着きが生まれる。『ああいうふうになりたい』と思いました。

 前線にいた岡崎は、ウルグアイ戦から立て直した板倉のことを、こう見ていた。

「やることがはっきりとわかった(若手)選手は、そのストロングポイントを出そうとしてポテンシャルが引き出されていた。板倉は守備の部分がいいので、まずはそこに専念して、それからボール回しでリズムを取ろうとしていた」

 そのストロングポイントを研ぎ続け、視野の広いプレーを披露するためにも、板倉は新シーズン、フローニンゲンでの出場機会を増やさねばならない。

「前から『試合に絡まないといけない』と思っていましたが、さらにその気持ちは強くなっています。こういう(ウルグアイやエクアドルのような)相手と、また絶対に戦いたい。そして、A代表でやりたいという気持ちがすごく出てきました。

 そのためにも、まずはフローニンゲンでしっかりと活躍する。今はそこだけに重点を置いてやらないと。昨シーズンは試合に出られなかった悔しさがあった。それを、次のシーズンにぶつけます」

Sportiva

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