久保建英の強力なライバルはこいつらだ。欧州で東京五輪出場国が決定

6月27日(木)6時57分 Sportiva

 現在、イタリアで開催されているU−21ヨーロッパ選手権で、準決勝進出の4カ国が出そろった。

 ベスト4へ進んだのは、スペイン、ドイツ、フランス、そしてルーマニア。と同時に、この4カ国はヨーロッパの代表として、来年の東京五輪に出場することも決定した。

 4カ国のなかで最初に”東京行き”を決めたのは、グループAを首位通過したスペインだ。

 グループAは最終的に、スペイン、イタリア、ポーランドが2勝1敗の勝ち点6で並ぶ大接戦。勝負は得失点差に持ち込まれた。

 最終戦でポーランドと対戦したスペインは、圧倒的な攻撃でポーランドにほとんど何もさせず、5−0の圧勝。とくに中盤を制圧したMFダニ・セバージョス、ファビアン・ルイスは鬼気迫るプレーで、大量得点での勝利が必須のチームを引っ張った。

 チームを率いるルイス・デラフエンテ監督も「衝撃的な試合。歴史的な瞬間だった」と語るほどの完璧な勝利で、わずか得失点差1の差でイタリアを振り切った。

 続いて、東京行きのキップを手にしたのは、グループBを首位で突破したドイツである。

 2連勝でグループリーグ最終戦を迎えたドイツは、引き分けでも準決勝進出。しかも、開始14分にして、MFルカ・ヴァルトシュミットが強烈なミドルシュートを叩き込んで先制し、状況はかなり楽になった。

 その後、オーストリアにPKで同点には追いつかれたものの、目論見どおりに1−1で引き分け。2年前の前回大会を制しているディフェンディングチャンピオンが東京五輪出場を決めた。

 そして、最後はグループC。そろって2連勝で直接対決を迎えたルーマニア対フランスのグループリーグ最終戦は、想定内の0−0で勝ち点1ずつを分け合った。得失点差で上回るルーマニアとともに、各組2位の中の成績最上位となったフランスも準決勝進出を果たした。

 ルーマニアが、フランス、イングランドを出し抜いてベスト4入りしたことは、今大会最大のサプライズと言ってもいいだろう。もし、この試合でルーマニアが勝利していれば、グループA2位の地元イタリアが準決勝へ進めただけに、ルーマニアのミレル・ラドイ監督は「イタリアには申し訳ないが」とつけ加えたうえで、「我々にとって引き分けは十分な結果だった」と、満足そうに語った。

 さて、こうして東京五輪出場の4カ国が決まった今、気になるのは、どんなチーム、どんな選手が1年後の日本にやってくるのか、ということだ。

 東京五輪ヨーロッパ予選を兼ねている今大会の出場資格は、今年時点での23歳以下。すなわち、1996年以降生まれの選手である。

 だが、2020年東京五輪の出場資格は、(オーバーエイジ枠を除くと)来年時点での23歳以下。つまり、1997年以降生まれの選手となり、今大会とは1歳の違いが生まれる。前記したセバージョスやルイス、ヴァルトシュミットなどは、いずれも1996年生まれのため、その対象から外れてしまう。

 ベスト4進出の4カ国のなかでは、ドイツ、スペインに1996年生まれの選手が多く、登録メンバー23人中、ドイツは11人、スペインは9人を占める。今大会で出色の活躍を見せた選手が、そのまま東京五輪にやってくる、というわけにはいかないのだ。

 たとえばスペインでも、1998年生まれのMFダニエル・オルモは、積極的な飛び出しやドルブルでの仕掛けで攻撃にアクセントをつけてはいた。だが、やはりセバージョスやルイスほどの影響力を、チーム全体に及ぼしていたとは言い難い。つまり、スペインやドイツは東京五輪用のチームを、かなり根本的なところから作らなければならないことになる。

 リオデジャネイロ五輪をコーチとして経験した、ドイツのステファン・クンツ監督は、「それは承知しているが、その話をするのは少しばかり早い。まずは(今大会の)準決勝、決勝に集中したい。タイトルを獲ってから、また話そう」と多くを語らなかったが、ピッチ上の顔ぶれが今大会とは大きく変わることは間違いない。

 そんななか、若い選手中心の編成で快挙を成し遂げたのが、ルーマニアである。登録メンバー中、1996年生まれ、1997年生まれはそれぞれ5人ずつしかおらず、チームの過半数が1998年以降生まれなのだ。

 そんな若いチームを象徴するのが、MFイアニス・ハジ。1998年10月生まれの20歳である。


東京五輪出場を決めたルーマニアのイアニス・ハジ

 世界的スター選手にして、ルーマニアのレジェンドであるゲオルゲを父に持つハジは、トップ下に位置する攻撃的MF。典型的なレフティだった父とは違い、左右両足を同等に操り、正確なキックからチャンスを作り出す。

 一見すると、ややクラシカルな香り漂うプレーメイカーだが、前線から相手のパスコースを切る守備もうまく、非常に現代的なフットボーラーという点も、父とは似て非なるところ。フランス戦でも敵陣でタイミングのいいアプローチからボールを奪い、決定機につなげている。父が2009年に創設し、若手育成に力を入れる新興クラブ、ヴィトルル・コンスタンツァで育ったというのもうなずける。

「今大会のイアニスは、1994年ワールドカップでの彼の父親と同じようなパフォーマンスを見せている。キープ力があり、ディフェンスをかわしてチャンスを作ることができる。ただし、彼は両足を使う。父親とよく似ているが、まったく同じではない」

 ラドイ監督も、そんな言葉でハジの能力を高く評価する。

 実力はもちろんのこと、”ハジ・ジュニア”という話題性も含め、東京五輪に出場すれば、間違いなく大きな注目を集めるはずだ。

 そしてルーマニア同様、1996年生まれが5名と、若い選手中心の編成だったフランスで注目したいのは、最終ラインでチームを支えるCBコンビ。1999年生まれのDFイブラヒマ・コナテと、1998年生まれのDFダヨ・ウパメカノだ。

 グループリーグ3試合での総得点が3と、攻撃の迫力に欠けるフランスがここまで勝ち上がってきた要因として、彼らの存在は見逃せない。

 ともにドイツのRBライプツィヒでプレーするふたりは、堅実な守備ばかりでなく、攻撃の起点としての働きも目立つ。とくにコナテがボールを前に持つ出すときのドリブルのスピードは驚異的で、警戒を怠って彼の前を空ければ、たちまち中盤をも破られてしまう。

 ドイツが2009年にこの大会を制したときのメンバーだった、DFマッツ・フンメルス、ジェローム・ボアテングのように、彼らもまた、今後A代表で中心的役割を果たすのではないか。そんな将来を予感させる選手たちである。

 もちろん、オーバーエイジ枠で選ばれない限り、セバージョスをはじめ、今大会で活躍した1996年生まれの選手を東京五輪で見られないのは、残念だ。

 加えて言えば、東京五輪が開催されるのは来年8月。ヨーロッパでは、新シーズン開幕前後の重要な時期と重なる可能性が高い。たとえ1997年以降生まれの選手であろうと、所属クラブの意向によっては、各国ともベストメンバーを編成するのが難しくなるのかもしれない。

 だが、せっかく日本で五輪が開催され、世界トップレベルのプレーを直に見られる貴重な機会なのだ。できることなら、各国とも東京五輪世代のトップ選手をそろえ、日本にやってきてほしいものである。

Sportiva

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