今季初優勝の松下信治が歓喜の雄叫び「最高のマシンだった、本当にうれしいよ!」/FIA-F2第6戦オーストリア レース1【詳報】

2019年6月30日(日)1時17分 AUTOSPORT web

 6月29日、2019年FIA-F2第6戦オーストリアのレース1が開催され、日本の松下信治(カーリン)がF2復帰後初の優勝を飾った。


 年間12戦で争われる2019年FIA-F2は早くも6戦目を迎えた。現地時間17時45分スタートのレース1は気温29℃、路面温度48℃のドライコンディション、規定周回数は40周だ。


 ポールポジションはポイントランキングトップのニック・デ・フリース(ART)、2番手は前戦フランスのレース2を制したアンソニー・フバート(BWTアーデン)、3番手にルーキーのチョウ・グアンユー(ユニヴィルトゥオーシ)、そして日本の松下が4番手から前を追うことになった。

FIA-F2第6戦オーストリア レース1 スタートシーン


 フォーメーションラップで7番手スタートのミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)が発進できず。幸いシューマッハーは再始動できたが最後尾へ後退することに。


 そしてレースはスタート。デ・フリースが無難に1コーナーを通過。3コーナーで2番手フバートに仕掛けたグアンユーがコースオフ、その隙を突いて松下が3番手に浮上する。


 勢いに乗る松下は2周目にレイトブレーキでフバートのインに飛び込み2番手に。直後にその真後ろでフバートとグアンユーがデッドヒートを繰り広げるなど、序盤から白熱したレース展開となった。


 そして7周目、スーパーソフトでスタートした首位デ・フリースや松下らが一斉にピットイン。ソフトタイヤに変えてコースへ復帰する。


 同じタイミングでピットインし序盤にトップを争っていたグアンユーは、アウトラップを終えた9周目のホームストレートで加速できないトラブルが発生。1コーナー通過後にレーススピードへ回復できたが、レース後半に向けて不安を残すことになり、そのあと後退してしまった。


 実質トップのデ・フリースを追いたい松下だが、ピットインを遅らせている全体7番手ライアン・ティベター(トライデント)に10周近く蓋をされてしまう。19周目にパスするもデ・フリースとは6秒以上の差が開くことに。


 そのデ・フリースはスタートから一貫して快調なペースで走行。25周目には暫定首位のニキータ・マゼピン(ART)を除く後半ピット組をすべてパスし、全体2番手までポジションを上げてきた。


 29周目、松下が暫定3番手のマイニを捉え全体3番手に浮上。4秒前を行く全体2番手で実質トップのデ・フリースよりも早いペースで周回を重ねる。


■松下がついにトップ浮上へ


 そこに伏兵として登場したのが5番手スタートのルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)。33周目には松下の後ろ1.2秒まで接近。レースは終盤に向けて混沌としていく。


 34周目、松下とギオットがマゼピンをパス。トップのデ・フリースに続いてそれぞれ2番手、3番手へ浮上。


 そして35周目、松下がホームストレートエンドでデ・フリースをインから抜きついに首位へ浮上。タイヤが厳しいデ・フリースはギオットにもパスされ3番手まで後退した。


 一時はギオットの勢いが勝るもタイヤを温存していた松下はマージンを維持しそのままトップチェッカー。


 F2復帰後初優勝、2017年のハンガリー戦以来の勝利となった松下は「僕のレースキャリアの中で最高のマシンだった、本当にうれしいよ!」と無線で雄叫びをあげた。


 パルクフェルメにマシンを止めた松下にはホンダF1の山本雅史マネージングディレクターも祝福に駆けつけ、国歌斉唱では君が代を目を瞑って聞き入った。


 インタビューで松下は「昨日のフリー走行から感触が良かったのでチャンスがあると思っていました。決勝ではタイヤを交換した後は(タイヤを)セーブしながら走りました。なので終盤に余力を残せたのかなと思います」と英語で回答。


「チームの素晴らしいサポートに感謝したい、今日は本当に最高の日です」と改めて喜びを表現した。


 なお2位にはギオット、3位にはデ・フリースが入っている。


 ポイントランキングはデ・フリースが141点でトップ。ニコラス・ラティフィ(ダムス)が111点で2番手、セルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)が92点で3番手につけている。


 レース2は日本時間6月30日(日)18:00から行われる。

優勝した松下信治(カーリン)へ山本雅史MDも祝福に駆けつけた

FIA-F2第6戦オーストリア レース1 松下信治(カーリン)


■FIA-F2第6戦オーストリア 決勝レース1 リザルト












































































































































































Pos.No.DriverTeamTime/GapSP
12松下信治カーリン40Laps4
28L.ギオットユニ ヴィルトゥオーシ2.9635
34N.デ・フリースART10.4281
419A.フバートBWTアーデン10.7862
55S.セッテ・カマラダムス12.7209
67Z.グアンユーユニ ヴィルトゥオーシ15.5143
71L.デルトラズカーリン16.5418
816J.キングMPモータースポーツ22.32115
96N.ラティフィダムス23.1846
1015J,エイトケンカンポス32.91914
1112J-マヌエル・コレアザウバー・ジュニアチーム35.89213
123N.マゼピンART35.98812
1320G.アレジトライデント39.89016
1411C.アイロットザウバー・ジュニアチーム46.13810
1514A.マイニカンポス49.45418
1621R.ティベタトライデント1’10.05719
1710S.ゲラエルプレマ・レーシング1’15.74211
1818T.カルデロンBWTアーデン1’16.58620
199M.シューマッハープレマ・レーシング1Lap7
2017P.オワルドMPモータースポーツ1Lap17


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