今年の楽天、なぜ強い? 専門家が分析、この先も「簡単に落ちない」理由とは?

7月1日(月)20時51分 フルカウント

昨季は最下位も…野口寿浩氏が分析、今年の楽天は「ここぞというところを見逃さない」

 楽天が好調だ。交流戦を10勝8敗で終え、1日時点でリーグ2位。ソフトバンクと首位争いを繰り広げている。

 昨季は58勝82敗3分の勝率.414でリーグ最下位に沈んだ楽天。6月には梨田昌孝前監督が成績不振で辞任。その後、平石洋介1軍ヘッドコーチ兼打撃コーチ(当時)が監督代行として指揮した。そして、シーズン終了後に平石監督が正式誕生。39歳の若き指揮官のもと、チームは今季も好調を維持している。

 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団でプレーし、昨季までヤクルトのバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は、強さの理由について「ここぞというところを見逃さない」と分析。さらに、チームが好循環となっていることから「余程のことがないかぎり落ちてこない」と予想する。

 なぜこんなに昨季から成績が変わったのか。野口氏は、新加入で主軸を担う浅村栄斗内野手、ジャバリ・ブラッシュ外野手の存在は確かに大きいと指摘。「いろんな人から、浅村がプレーだけじゃなくて精神的な支柱にもなってるという話も聞く」とも明かす。ただ、それだけでは片付けられない部分もあるという。

「どの選手もここぞというところを見逃さない。野手陣が特にそうですね。ここで1本出れば、というところでしっかり出る」

 野口氏が例として挙げたのが、20日の阪神戦(甲子園)だ。2点を追う5回に相手の2つのエラーで無死一、二塁とチャンスを掴むと、太田が中前打で満塁に。ピッチャーの石橋は見逃し三振に倒れたものの、茂木が同点の2点タイムリーを放った。そして、7回に島内の決勝打が飛び出し、3-2で接戦をモノにしている。

「エラー、エラーでもらったチャンス。ここで点を取ったら相手チームはダメージが大きいだろうな、というところでしっかり取っている。そういう印象です。勝っているチーム、強いチームというのは、そういうもの。バカバカ点を取らなくても、ここというポイントを抑えて、そこでしっかり得点できている。先発ピッチャーが初回、2回に点を取られても、決して諦めることなく1点ずつコツコツ返していって、結局は追いついてひっくり返す。そういう粘りもあります」

 今年の楽天は強いチームの戦い方をできているというのだ。野口氏はさらに、投手力の高さも好調の要因として挙げる。

「基本的にピッチャー陣もいいですよね。先発陣が頑張っている。開幕直後は岸も則本もいなかったわけで、まだ1人(則本が)帰ってきていませんが、その中でも代わりに入った選手が、ここがチャンスと思って、目の色を変えて頑張ったおかげ。石橋あたりもそうですね。そういう選手たちがいいボール投げる」

この先も「落ちない」と分析する理由は…「全てがいい風に循環していく」

 救援陣の安定感も光る。

「救援の人材は元々豊富。今年はブセニッツが入って、ハーマンもいて、森原がいる。この3人はとてもつない球を投げますからね。そこに左の高梨、ベテランの青山、久保というところが頑張っている。あとは、松井の状態がいい。完全復活の兆しが見えるので。唯一の気がかりはちょっと登板過多かなと。ただ、外国人投手は宋も加えた3人をうまく1人を休ませながら2人使って、ということができているので、いい状態で回せています。この間までハーマンが休んでいましたが、その間に残りの2人が頑張っていた。ハーマンが復帰したら宋を抹消しましたが、ブセニッツも同じようなリフレッシュ休暇を与えることができます。勝ちパターンのセットアッパーというのは大事な部分ですから。1人がこけた、いなくなった、困った、という形ではない。その3人をうまく回せばいいわけですから。そういう意味でもうまい流れになってますよね」

 さらに、則本が復帰すれば、救援陣の負担は確実に減ることになる。これもプラスに作用すると、野口氏は見ている。楽天にとって、あらゆることがうまく巡っているという。

「うまく回しているうちに則本が帰ってくれば、最初は無理させられないかもしれませんが、フル回転できるようになれば、則本の日は(救援陣を)使っても松井くらい、という日ができます。岸が万全の状態なら、岸の日も救援陣は休めます。そうなると、週に1回どころか、1カードに1回そういう日が作れるようになります。流れとしては素晴らしいですね。そうやって安定した形が見えてくれば、他の先発陣も楽になって頑張りだす、いい成績を残しだす、と全てがいい風に循環していく気がしてなりません。なので、楽天はそう簡単には落ちない感じがします。それこそ、打線が全員揃って打てなくなるとか、主力が3人くらい怪我するとか、そういうことがない限り」

 もちろん、この流れを作り出しているのも首脳陣の手腕だ。引退後に2軍で経験を積み、正式な指揮官としてチームを率いる平石監督の存在は大きい。野口氏は言う。

「それもこれもみんな、平石監督の手腕なのかなと考えられますよね。新加入の浅村、ブラッシュはよく頑張ってますが、それだけではない。表現は正しいか分かりませんが、選手を踊らせるのがうまいというか。投手陣のメンバーは、ブセニッツはいますが、去年とほとんど変わりません。それで去年と今年のこの違いですから。去年も途中から平石監督が監督代行として率いましたが、半年の間にしっかりと1軍にいた選手の状態、戦力を把握できたのでしょう。しかも、2軍監督だった人間が1軍の監督になったら、それは2軍でずっとやってた選手たちはチャンスと思う瞬間ですよね。特に、平石監督の場合は2軍が長かったので、目にかけていた選手もいっぱいいます。そういう選手が頑張ってきていますよね」

 2017年はリーグ3位に入り、クライマックスシリーズのファイナルステージまで進んだが、ソフトバンクに敗れた。そして、昨季は最下位。2013年以来のリーグ制覇、そして、日本一へ——。楽天が後半戦もパ・リーグの「台風の目」となりそうだ。(Full-Count編集部)

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