巨人・原監督の公開説教に広岡達朗氏、「選手叱るのは間違い」

7月2日(火)16時0分 NEWSポストセブン

「甥っ子」に厳しい原監督(時事通信フォト)

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 巨人の5年ぶりとなる交流戦優勝が懸かった6月23日のソフトバンク戦。エース・菅野智之(29)が初回から先頭打者弾を含むいきなりの4失点。さらに2回、先頭打者の9番ピッチャー・和田毅(38)に四球を出したところで、原辰徳監督(60)は“甥っ子”に早々と見切りを付けた。


 攻撃陣も1点しか奪えず完敗──憤りを隠せない原監督は試合後、報道陣に対し「先頭打者に本塁打、四球、四球。リズムもへったくれもあったもんじゃないですね」と、まくし立てた。記者が質問しようとするや、「智之のことはこのぐらいでいいんじゃないですか?」と、有無を言わせぬ様子で遮った。


 昨年末の就任当初は“のびのび野球”を掲げていた原監督だが、ここにきて公衆の面前で選手を叱咤する「公開説教」の場面が目立つ。


 6月20日のオリックス戦では若手の重信慎之介(26)が対象になった。出塁した重信が二盗を試みる姿勢を見せなかったことが、指揮官の逆鱗に触れたのだ。攻撃終了後、ベンチで重信を呼びつけて叱責。テレビでもおよそ10秒にわたり、期待の若手が直立不動で青ざめた表情になる様子が映し出された。


 はたして監督が選手を公開説教するのは、是か非か。特定の選手を厳しく叱るのは、選手全員をピリッとさせる手段だという声もあるが、一方で否定的な意見もある。


「そもそも監督が選手を叱るのは間違いだ」と語るのは、巨人の名ショートとして活躍し、引退後は万年Bクラスだったヤクルトと西武を常勝球団として日本一に3回導いた、球界のご意見番こと広岡達朗氏。監督時代は「管理野球」で知られ、評論家としても選手に厳しくモノ言うイメージの広岡氏だが、意外にも原監督の今回のやり方には否定的な意見だ。


「私なら“何を教えているんだ”とコーチを叱りますね。コーチが教えていないから選手ができないんですよ。ベンチの中で叱るのもよくない。私はコーチ会議で“お前は何を教えている”と叱ります。コーチは“教えました”“言いました”と言い訳しますが、“それならできるまで言うべきじゃないか。それでも選手ができなければ(選手を)捨てればいいことだ”と叱ります」


 監督の公開説教が行なわれること自体、コーチの指導力不足の証左であるとする見方だ。


「チームが強くなるには、優秀なコーチを育てることが必要なんです。今のチームに足りないのは投手力なのか、守備力なのか、打力なのか、走力なのかをコーチが見極め、指導力で底上げしていく。そのためにも、選手にはできるだけコーチから言わせる。


 昔は“あのコーチに見てもらったから選手が伸びた”という指導者がいた。川上(哲治)監督は自分の欠点を知っていたから、コーチにすべて任せていた。選手の前で難しい顔して腕を組んでいるだけで、黙っていましたよ。ミーティングで“今日の試合は○○のエラーで負けた”くらいはいうが、細かいことはガミガミいわなかった。監督はドンと構えているべきですよ」


 時代の移り変わりとともに、練習法などの“テクニック”は変化しているが、根本的な“指導の本質”は不変であると、広岡氏は力説する。


「時代が違う? 何をいっとるか。野球をやっとる子供たちは今も昔も野球バカ。悪いのはいません。ただ、覚えるのに遅いのと早いのがいる。早い方はすぐ忘れ、遅い方がコツコツ覚えるから忘れない。それは経験でわかっている。だからこそコーチがコツコツ教えることが重要なんです。


 ベンチで監督が選手を怒鳴るなんて本当にナンセンスですよ。コーチを含めたチーム体制が機能していないことを世間にアピールしているようなもの。それに原監督は気付いていないのか、丸佳浩(30)がホームランを打つと、選手と一緒になって頭の上で“マル”を作って喜んでいる。アホですよ。いまの坂本(勇人・30)は守備で二遊間の打球をすぐに諦める。コーチが細かく指導し、叱るべきなのに誰もしていないからです。坂本がキャプテンの間は巨人の優勝はないね」


 部下を如何に活躍させるか──監督を“管理職”の一人として見ると、プロ野球の一味違った面白さが見えてくる。


※週刊ポスト2019年7月12日号

NEWSポストセブン

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