スペインの慧眼が森保Jを激励。「不安定さはあるが胸を張って前進を」

7月4日(木)6時17分 Sportiva

「試合を通じて、エクアドルは秀逸なプレッシャーを前線からかけていた。日本陣内で何度かボールを奪い返し、決定機を迎えている。日本がその規律と強度に苦しんだのは事実だろう」

 “スペインの慧眼”ミケル・エチャリ(72歳)は、コパ・アメリカで日本がエクアドルに1−1で引き分けたゲームについて、そう考察を加えた。

 エチャリは今回のコパ・アメリカを通じて、日本の攻守を高く評価してきた。0−4で敗れ、批判を浴びたチリ戦でさえ、むしろ「不当な結果」と訴えている。ウルグアイ戦の善戦も予期していた。ただ、エクアドル戦に関しては、攻撃面のクオリティを称賛しつつ、課題を挙げている。

「指摘すべき点は、まだ他にもある」

 レアル・ソシエダ、エイバル、アラベスなどで要職を務めてきたエチャリは、エクアドル戦で何を目にしたのか?


エクアドルと引き分け、決勝トーナメント進出を逃した日本代表

「日本はチリ戦、ウルグアイ戦と同じように、4−4−2、もしくは4−2−3−1の布陣で挑んでいる。勝ち上がるためには勝利が絶対条件。とは言え、立ち上がりは慎重にならざるを得なかった。

 エクアドルは日本の戦い方を研究してきたのだろう。前線から強度の高いプレッシングを仕掛けている。4−1−4−1の布陣で、1トップはセンターバックのコースを切るのが通例だが、それだけでなく、前線の選手それぞれが素早い出足で出どころにフタした。MF柴崎岳(ヘタフェ)が下がってボールを受けても、包囲の手を緩めていない。

 日本もプレッシングで対抗していたものの、後手に回った。たとえば前半11分、日本は自陣での植田直通(セルクル・ブルージュ)の久保建英(レアル・マドリード)へのパスを、後ろから突かれている。裏返される形で、ボランチが背後を取られ、エネル・バレンシアに強烈なシュートを打たれた。日本はビルドアップにまごついており、その点、形勢は悪かった。

 ただ、攻撃面で怯んではいない。ピンチの直後、再び植田からのパスを受けた久保がチャージをかわしながら力強く前へ持ち運び、左前方の中島翔哉(アル・ドゥハイル)へパス。中島はミドルシュートを放ち、エクアドルを脅かした。日本はコンビネーションを使って果敢に攻め続け、攻撃に活路を見出していた。

 前半15分の先制点は、まさにそれが結実した。我慢強くボールをつなぎ、久保が中盤に落ち、ボールを受けて前を向く。中島がそのパスを受け、鋭い動きで裏を走る岡崎慎司(レスター)へ。そのボールは飛び出したGKにクリアされたものの、再び拾った中島が押し込んだ」

 エチャリはそう言って、先制点への流れを称賛した。その一方で、戦いの不安定さも見逃さなかった。

「日本はエクアドルのプレッシングに苦しみ、自陣内で何度もボールを失っている。22分にはGK川島永嗣(ストラスブール)の軽率なパスミスを奪われ、シュートを浴びたが、川島自身がどうにか捕球した。25分にはバックラインに下がった柴崎が冨安健洋(シント・トロイデン)へボールをつけた後、そのリターンを奪われ、ピンチを迎えている。最初に柴崎が下げたボールは、強いプレスを受けるのが明白だったし、ボールを受けた冨安も囲まれていた。ボールをつなぐ、というプレーを狙われた格好だ。

 ここで特記すべきは、エクアドルが攻防で、高さのメリットを生かしていた点だろう。彼らは積極的なプレスを仕掛け、日本にボールを蹴らせたら有利な状況だった。なぜなら、高さで跳ね返すことができたからだ。また、自分たちがプレスを浴びても、無理と思ったらつながず、長いボールを使って高さで打開できる利点を持っていた。

 たとえば27分、日本は練度の高いプレスを駆使し、エクアドルの攻撃を見事に押し下げている。ところが、単純なロングボールを蹴られると、まず冨安が対応しきれず、クロスを折り返され、逆サイドにいた岩田智輝(大分トリニータ)も空中戦で競り負け、エリア内でシュートまで打たれている」

 エチャリにとって、35分の同点弾は必然だったようだ。

「左CKのあと、右サイドから逆サイドに上がったクロスだった。エリア内に戻っていた岩田、三好康児(横浜F・マリノス)の2人は、続けて正しく対応できていない。アンヘル・メナには、クロスを胸でトラップされているが、体をぶつけることなどはできたはずで、マーキングの問題があった。そこで打たれたシュートを、一度は川島がすばらしいセービングで止めたが、こぼれ球を詰められた。

 チリ戦、ウルグアイ戦もそうだが、日本は高さの問題を露呈していた。とりわけ、セットプレー、もしくはセットプレー崩れの攻撃を受けた場面では、不利な状況に陥った。エクアドルには、ファーサイドへ狙いをつけたクロスを放り込まれており、日本の弱点を研究されていたのかもしれない。

 とは言え、日本は攻撃では劣っていない。同点にされたあとも、三好、岩田、久保、岩田、三好と、右サイドでスペースを作っては使って攻め崩し、最後は久保がエリア内で受け、左足で強烈なシュートを打ち込むというシーンがあった。久保のプレーは際立ち、何度も好パスで相手を慌てさせていた。

 後半も、交代出場したFW上田綺世(法政大)が2、3回は決定機を迎えており、同じくFW前田大然(松本山雅)も千載一遇のチャンスを得たが、決め切れなかった」

 結局、日本はグループ3位となり、得失点差で決勝トーナメントに勝ち進むことはできなかった。エチャリは引き分けで終わったエクアドル戦について、こう締め括っている。

「どちらも最後まで攻め合い、拮抗した一戦だった。日本はプレッシャーの掛け合いのなかで力を示したが、旗色が悪い場面もあった。この結果を真摯に受け止め、内容を詳細に検証し、胸を張って前に進むべきだろう」
(つづく)

Sportiva

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