WEC唯一のリジェユーザーがマシンをスイッチ。ル・マン24時間からオレカを使用へ
2021年7月6日(火)11時38分 AUTOSPORT web
WEC世界耐久選手権のLMP2クラスを戦うチームとして唯一、リジェ・オートモーティブ社製のシャシー『リジェJS P217』を使用してきたARCブラティスラバがマシンスイッチを決断し、来月のル・マン24時間レースでは『オレカ07』を使用することが分かった。
ミルコ・コノプカが率いるスロバキアのチームは8月21〜22日にフランスで行われるシーズン第4戦でLMP2シャシーを変更する計画を宣言した。また、同チームはWECにフルシーズンエントリーしている44号車のドライバーとしてマテイ・コノプカが父ミルコと、イギリス人ドライバーのオリバー・ウェッブとともにラインアップに加わり、“世界三大レース”のひとつに参戦するとした。
このトリオは、ARCが現在ユーラシア・モータースポーツの支援を受けて走らせているリジェでのラストレースとなる、WEC第3戦モンツァでもチームを代表して参加する予定だ。
「ポルトガルでのレース後にも、ファクトリーからの技術サポートなしにリジェで24時間レースを完走することは非常に難しい、あるいは不可能であることは明らかだった」と語ったミルコ・コノプカ。
「そのため、私たちはこの状況に早急に対処しなければならなかった。幸いそれに成功した。我々はオレカ07・ギブソンでル・マン24時間レースをスタートする」
ARCは今年5月、他のチームと同様にスパでシーズンの戦いを開始した。しかし、チームの今季初のレースは、スタート前に発生したオイル漏れの影響でリジェがグリッドに到着する前に終了してしまった。2戦目のポルティマオ8時間ではLMP2 Pro/Amクラスでの初ポイントを獲得したが、LMP2クラス全体では最下位となっている。
コノプカは今季のドライバー設定について、リジェのパフォーマンスが影響したと述べた。
「今シーズンは私とオリバーに加えてもうひとり、資金を持ち込めるドライバーを乗せようとしたが、リジェのパフォーマンスを考えると、それはとても困難だった」と同氏。
「もし誰かがチームに資金を持ち込まないかたちで我々と一緒にドライブしなければならないとしたら、私はスロバキアの誰かにチャンスを与えたいと考えた」
「そして、私の息子である“マト”(マテイ・コノプカ)は長い間、ドライバーとして成熟したことを示してきた。彼を起用することは、若い世代にセプターを渡したいという私の意思を象徴するものだ」
ARCブラティスラバがル・マンに向けマシンをスイッチすることで、フランス伝統の耐久レースのグリッドに着くリジェが1台減り、ユーラシアが運営するレーシング・チーム・インディアの1台のみとなった。
LMP2クラスは現在まで25台がル・マンのエントリーリストに登録されているが、この内の24台がオレカ07となっている。