拒否権を持つのになぜ? 鈴木誠也の“異例トレード放出”の可能性を米メディアが指摘「不可能なわけではない」
2024年7月6日(土)5時40分 ココカラネクスト

苦心するカブス。その中で主力として活躍する鈴木は貴重な戦力だ。(C)Getty Images
大谷翔平(ドジャース)の快進撃が連日のように列島を沸かせた。無理もない。月間12本塁打とアーチを量産した6月にギアを一気に上げた天才は、ナショナル・リーグの指名打者部門で最多得票を集め、4年連続での球宴スタメン出場も確定させた。
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異次元のパフォーマンスで日米両球界を沸かせた大谷。そんな偉才と同世代のスラッガーには、キャリアの分岐点ともなり得るトレードの可能性が浮上している。カブスの鈴木誠也だ。
2022年に5年総額8500万ドル(約100億3000万円=当時のレート)の大型契約をカブスと締結した鈴木。3年目の今季はここまで61試合の出場で、打率.257、11本塁打、34打点、OPS.799を記録。右わき腹痛などで戦線離脱をしながらもまずまずの成績を収めている。
復調の気配も漂っている鈴木。一方で、カブスはナ・リーグ中地区で首位のブリュワーズから12ゲーム差の最下位と低迷。今夏のトレード市場では売り手に回り、いわゆる「再建モード」に入ると見られ、主力である29歳の日本人スラッガーもご多分に漏れず、放出の可能性が論じられているのだ。
球界のありとあらゆる移籍情報を発信している米専門サイト『MLB Trade Rumors』は、鈴木の契約にトレード拒否条項が付帯していると指摘。その上で「だからといってトレード移籍が不可能なわけではない」と断言。カブス退団の可能性を推察している。
「仮にスズキが『どんな状況になろうと(トレード移籍候補とうわさされるマリナーズの本拠地)シアトルではプレーしたくない』と言えば話はそれまでの話だが、チームに望まれていない状況で選手が残りたくないと考えるケースは多々ある。トレード拒否条項を破棄すれば、その分、何らかのボーナスを得られることもあるのだ」
さらに同メディアは「今シーズンのスズキはキャリア平均に並ぶ122wRC+を記録している。三振が増えているが、6月は良く打った。守備は平均以下だが、致命的というレベルではない」と指摘。「トレード市場には堅実なレギュラークラスの選手があふれているわけではない。契約以上の価値があると見出される可能性もある」とし、8月に30歳となる鈴木が“人気銘柄”になるポテンシャルを伝えている。
もっとも、トレードが限りなくゼロに近いと考えるメディアも少なくない。シカゴの地元紙『Daily Herald』のマイク・マグロウ氏は「球団の将来が危機に瀕しているわけではない」と強調。「たとえトレードデッドラインまでに売り手になったとしても、カブスのできることは限られている」とし、トレード拒否権を持つ鈴木についても「球団はトレードするつもりはないだろう」と説いている。
今シーズンのトレード期限は7月30日。果たして、そこまでに鈴木が新天地に行く可能性はあるのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]