【ブログ】ホンダF1に先駆けてFIA-F2の松下もレース1で堂々の勝利/F1オーストリアGP現地情報(2)
2019年7月7日(日)10時0分 AUTOSPORT web
2019年F1第9戦オーストリアGP週末の様子をムッシュ柴田氏がお届けします。マックス・フェルスタッペンの優勝で表彰式ではオランダ人ファンたちが熱狂。やはり母国のドライバーが活躍するとやはり嬉しいですよね。決勝日のライバルとなったフェラーリのシャルル・ルクレールは、グリッドに並んでいるときから少し重い雰囲気……。
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いや〜、とうとう勝ってしまいましたね、レッドブル・ホンダ。
表彰式の盛り上がりぶりは、イタリアGPでフェラーリが勝った時と遜色ないものでした。
オランダ人ファンは興奮のあまり、コース脇の標識をかっさらってくるし。こういうメンタリティも、ティフォシたちと似通ってるかも。
と、決勝日の悲喜こもごもはあとでお伝えするとして、僕たち日本人にはこれも大変うれしかった。
前日土曜日のFIA-F2で松下信治選手が堂々のレース1初優勝。しかも4番グリッドからコース上で3台を抜いての、堂々たる勝利でした。
ゴール直後、パルクフェルメに駆けつけてホンダの山本雅史F1マネージングディレクターの横で写真を撮っていたら、
ノブがやって来て、僕にも抱きついてくれました。
その瞬間、ノブがパリにいた頃の数年間が去来して、ちょっとジーンとしてしまいました。スーパーライセンスを勝ち取るまでには、まだ相当頑張らないといけないけど、この週末のノブは今までにない強さを見せてくれました。変なトラブルさえ出なければ、今後のレースはコンスタントに上位グリッド→表彰台のパターンを繰り返せるはずです。
そして迎えた決勝当日。梅雨空の日本と違って、オーストリアの山の中はこの日も雲ひとつない快晴でした。
うちの農家のラマ、退屈そう……。
サーキットに行くと民族衣装の美女たちがぞろぞろ歩いてたので、お、グリッドガール復活かと一瞬期待しましたが、
そんなことは全然なかったですね。
週末の3日間を通じて、日曜日が一番暑く、これまで大雨の時しか見たことのなかった簡易テントが、グリッド上に登場してました。直射日光で車体が加熱してしまうのを、少しでも防ぎたいのでしょう。熱田カメラマンが、「まるで町の運動会みたいで、雰囲気ぶち壊し」と、ボヤいてました。
フロントローに到着したフェルスタッペン。絶好のグリッド順とはいえ、この時はまさかメルセデスやフェラーリをぶち抜く速さを発揮するとまでは思わず。報道陣の注目度も、そこまで高くなかったです。
対照的にカメラマンたちが群がってたのが、ポールシッターのシャルル・ルクレール。もう怒号が飛び交って、大変でした。確かにこの時点では、ルクレールが大本命でした。
ただここ数戦のルクレールは、なんか去年までの屈託のなさが消えてしまってる印象です。こんな眉間にしわを寄せる表情、今までしたことなかったんですけどね。フェラーリドライバーであることの重圧と、思うように結果が出ないことの焦りが、かなりのストレスになってるのかも。
そしてレースは、フェルスタッペンが神がかりドライブで優勝を勝ち取りました。レッドブル・ホンダファンならずとも、十分に堪能できた内容だったと思います。これこそF1というレースでした。
レッドブルの総帥ディートリヒ・マテシッツも、実に満足そう。
そしてトロロッソのフランツ・トスト代表は、自チームがノーポイントに終わったことなどまったく意に介してないかのように、ホンダのモーターホームにやって来て、倉石副社長などなどホンダの首脳陣に祝福を述べてました。まるで日本のサラリーマンのようなこの気遣いには、頭が下がります……。
一方、マクラーレンのランド・ノリスも抜きあぐね、7位に終わったピエール・ガスリーは、モーターホームの奥の方でじっと唇を噛みしめてました。果たして復活はあるのか。苦しい状況は、当分続きそうです。