WTCR代表、ワイルドカード枠の再評価を検討。「ほかのカテゴリーで活躍するヒーローを見たい」

2018年7月9日(月)16時37分 AUTOSPORT web

 WTCR世界ツーリングカー・カップのプロモーターを務めるフランソワ・リベイロは、チャンピオンシップ2年目となる2019年シーズンに向け、他のトップレベル・カテゴリーに参戦しているドライバーたちがより多く参戦可能となるよう、ワイルドカード枠のシステムを再評価する意向だと語った。


 2018年のWTCRは25台のグリッドが固定されているが、各イベントでは開催地の地元ドライバー向けに2台のワイルドカード枠が設定されており、広くエントリーを募っている。


 シリーズ創設初年度の開幕戦を務めたモロッコでは、このシステムはスキップされていたものの、第2戦のハンガリーでは選手権の前身となるTCRインターナショナルや、今季は同ヨーロッパに参戦するアッティラ・タッシとダニエル・ナジーがエントリー。第3戦のドイツ・ニュルブルクリンクでは、DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のレネ・ラストがチームWRTのアウディRS3 LMSをドライブし、KCMGはTCRヨーロッパやドイツで活躍するスイス人、クリス・リチャーズを走らせた。


 さらに第4戦オランダではベルンハルト・ファン・オラニエ公とマイケル・ヴェルハーゲンが、地元ヴァス・コーテン・レーシングからエントリーしたが、リベイロ代表は「我々としては、今後もどんなドライバー・プロフィールを持ったワイルドカード枠利用が続くのか、プロモーターとして前もって把握していく必要があるだろう」と語った。


「私が、もっとBTCC(イギリス・ツーリングカー選手権)のチャンピオンやオーストラリア出身のドライバーたちを見たいと思うのは、自然なことだと思わないか?」と、ファン視点でのワイルドカード枠運用を語るリベイロ。


「我々はワイルドカード枠に関して“地元ドライバーに資格を与える”としか明記しなかった。これだとイギリス人やオーストラリア人は、英国、豪州での開催がなければ事実上参戦不可能だということになる」

シーズンエントリーの25台に加え、各ラウンドごとに地元出身者を対象としたワイルドカード枠2台の参戦が認められている
世界ラリークロス王者であり、昨季からTCR規定を採用するSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権にも参戦するヨハン・クリストファーソン
第3戦ニュルには、現役DTM王者のレネ・ラストが参戦。アウディRS3 LMSをドライブした


「私が見たいと思っているのは、他のカテゴリーで活躍しているヒーローたちであり、そこでチャンピオンを獲得してきたような実力者たちだ」


「なぜバイクのチャンピオンが参戦してはいけないんだ? なぜラリークロスの王者がグリッドに並ばない? 仮に(ジョーカーラップ制度が適用された)ポルトガルのヴィラレアル戦に(WorldRX王者のヨハン・)クリストファーソンが参戦していたらどうだろう?」


「私にとって、彼がフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをドライブしてWTCRに参戦するという考えはまっとうなもので、実現していれば素晴らしい話題となっただっただろう」


「あるカテゴリーで成功を収め、また別の異なるシリーズに挑戦するというのは、モータースポーツの世界ではつねに良きストーリーとなる」


「F1からインディやル・マンにチャレンジしたフェルナンド(アロンソ)が好例だろう。彼を見て興奮しないファンはいないんだ。ツーリングカーはどんなドライバーにとってもアクセスしやすいカテゴリーであるし、ここでそれが実現できていなければならないはずだ」


 今週末開催の第6戦スロバキアリンクに向けては、2017年FIA欧州ツーリングカー・カップ王者のペトル・フリン(セアト・クプラTCR)と、欧州ヒルクライム選手権やGTカテゴリーのトップコンテンダー、アンドレ・スタデニック(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)のワイルドカード枠エントリーが発表されている。

WTCRも使用するTCR規定の各シリーズに参戦するドライバーが、活躍しやすい背景もある
BTCC元王者のアンドリュー・ジョーダンは、WorldRXにも掛け持ち参戦する
ユーロスポーツ・イベントでWTCRのシリーズ・プロモーターを務めるフランソワ・リベイロ


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