U-24日本代表、練習試合は完勝 酷暑・連戦の五輪本番へ重要な“調整”に

2021年7月9日(金)12時38分 サッカーキング

1得点1アシストだった堂安律 [写真]=川端暁彦

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 7月5日から静岡県内での最終合宿に入っているU−24日本代表(東京五輪男子サッカー日本代表)は、8日に初めての練習試合を実施。静岡産業大学と対戦し、5−0での勝利を収めた。

 欧州組の選手たちは前回の6月シリーズ終了後の6月13日からオフ期間に入っており、その後の自主練や欧州のクラブでのトレーニング参加などを経て合流してきていた。一方で、Jリーグ組はそのまま国内の各大会をこなしており、その過程で負傷してしまったような選手もいる。状態のバラ付きは大きいだけに、まずはそこを整えながら準備していく流れとなる。

 このあたりは森保一監督が「選手の状況を見てトレーニングの強度を考えつつ、初戦に向けてコンディションを上げられるようにしたい」と話したとおり。合流初日の5日は軽めのメニューをこなし、そこからトレーニングの対人要素を増やして徐々に負荷を上げる流れをこなし、徐々にそのバランスを整えてきた。7日には11対11のスモールフィールドでのゲーム形式のトレーニングも実施。準備を進めてきた。

 MF遠藤航(シュトゥットガルト)が「(大会に向けたポイントは)コンディションをいかに上げられるか。海外組はちょっと休んでいた分、そこはみんな懸念として持っていると思う」と語ったように、少々不安要素はあった。8日の練習試合もそうした点を踏まえて組まれた試合だろう。この試合がない場合、欧州組にとってのオフ明け初戦が7月12日のホンジュラス戦になってしまうわけで、いきなり強度の高い国際試合をこなすのは負傷のリスクも大きい。そこにワンクッションを入れる意図があったことは明らかで、実際に調整の色も強い試合だった。

 開始早々の5分にMF久保建英(レアル・マドリード)のクロスが相手のオウンゴールを誘うと、22分にはFW林大地(サガン鳥栖)のアシストから久保がミドルシュートを突き刺して、2−0。さらに38分にはDF冨安健洋(ボローニャ)の巧みなループパスをワンツーで受けたMF堂安律(PSV)が決め、41分には堂安のラストパスから遠藤が4点目を流し込んだ。

 さらに後半、FW上田綺世(鹿島アントラーズ)が負傷で、前田大然(横浜F・マリノス)がJリーグの最終戦で負ってしまった脳しんとうからの復帰を目指してそれぞれ別メニュー調整をする中で前線を担ったトレーニングパートナーの19歳FW櫻川ソロモン(ジェフユナイテッド千葉)がPKから1得点を挙げて、5−0。まだまだ万全とは言えないコンディションながら、試合としては危なげない完勝となった。

 8日夜にはAFCチャンピオンズリーグに参加していたMF相馬勇紀(名古屋グランパス)が合流。11日にはDF瀬古歩夢(セレッソ大阪)も到着する見込みで、同時期に川崎フロンターレのMF旗手怜央と三笘薫も合流し、全員が揃う見込み。相馬を除く3人は12日のホンジュラス戦への参加は現実的でなさそうだが、17日のスペイン戦は何とか現時点でのベストオーダーを試すことができそうだ。

 東京五輪の大会初戦は22日の南アフリカ戦。すでに残り2週間を切る中で、選手たちが口を揃えるのは「まずコンディショニング」ということ。その意味で、「思っていたよりも暑さを感じたし、12日のホンジュラス戦が初戦にならなくてよかったという意見はチーム内でも出た」と久保が振り返ったように、練習試合を挟んで試合勘とコンディションを戻せたのは大きかったようだ。酷暑の連戦が確実な大会に向けて、急ピッチで調整を進めていくこととなる。

取材・文=川端暁彦

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