大関昇進・栃ノ心めぐり「稀勢休場」など親方衆の様々な思惑

7月9日(月)7時0分 NEWSポストセブン

新大関は「狙われる立場」(時事通信フォト)

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 戦後、「新大関」は72人誕生したが、そのうち昇進場所での優勝を果たした力士は5人しかいない。千代ノ山(1949年に昇進)、若羽黒(同1959年)、清国(1969年)、栃東(同2001年)、白鵬(同2006年)の5人で、共通するのは大関昇進時に“ガチンコ相撲”を貫いていたことだ。ある若手親方はこういう。


「清国は横綱・大鵬との相星決戦を制して昇進場所優勝を決めたし、栃東はガチンコ横綱・貴乃花の盟友として知られている。白鵬は、その栃東や琴欧洲ら、当時のガチンコ大関を破って大関昇進を決めた。


 新大関がなかなか優勝できない理由には、プレッシャーが大きいことや、挨拶回りなどで稽古の時間を確保しづらいといったこともあるが、とりわけ大きいのは昇進を前に周囲に“手心”を加えてもらい、そうした相手に対して昇進場所に全力でぶつかれないことが多かったからだといわれている。その点では、“ガチンコの中のガチンコ”である栃ノ心は誰にも何の借りもない。史上6人目の昇進場所優勝が期待されている」


 ただ、周囲も簡単にそれを許そうとはしない。それがよくわかるのが、横綱・稀勢の里の「休場」を巡る動きだ。場所前、稀勢の里が8場所連続休場(途中休場を含む)を決めるまで、水面下では様々な駆け引きがあったという。


「稀勢の里は6月末に二所ノ関一門の連合稽古に2日連続で参加したが、出場が厳しいのは明らかだった。三番稽古の相手に指名した前頭15枚目の竜電を相手に5勝4敗と苦戦していたほど。ただ、その一方で“横綱がこんなに休場続きでいいのか”という批判の声もあった。そうしたなかで、“休場容認”に動いたのが、二所ノ関一門を束ねる尾車親方(元大関・琴風)だったとみられています」(協会関係者)


 尾車親方は八角理事長(元横綱・北勝海)に次ぐ協会ナンバー2だが、ここにきて協会執行部の中で存在感を増しているのが、栃ノ心の師匠である春日野親方(元関脇・栃乃和歌)だ。広報部長として昨年末からの“貴の乱”の対応にあたったことが評価され、3月末からは巡業部長に転じた。


「執行部の中ではこの先、二所ノ関一門の尾車親方と出羽海一門の春日野親方の主導権争いが起きるとみられている。尾車親方が“休場容認”の姿勢を見せたのは、稀勢の里が強行出場して、春日野部屋の栃ノ心にみすみす1勝を与えてやる必要はないと考えたからではないか。一門が祝儀を集める上で大切な日本人横綱が、“新たなスター”の台頭によって早々に引退に追い込まれては困る、という事情もあるでしょう」(同前)


 栃ノ心は白鵬との対戦成績が1勝25敗、鶴竜とは2勝22敗。一方、同じ横綱でも稀勢の里とはこれまで9勝16敗でさほどの苦手意識はなかった。栃ノ心にとってみれば、稀勢の里が出場するかどうかで、勝負所の終盤戦の星勘定が変わってくる。それだけに、親方衆の間で様々な思惑が交錯したとみられているのだ。


※週刊ポスト2018年7月20・27日号

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