ハプスブルク「レース前半のトリプル・スティントが報われた」WRT41号車の勝因語る/WECモンツァ

2022年7月12日(火)13時25分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権第4戦『モンツァ6時間』でLMP2クラスのウイナーとなったフェルディナンド・ハプスブルクは、クラス首位を走行中に行なった早めのトリプル・スティントがリアルチーム・バイ・WRTをクラスリーダーから脱落させたが、「長期的には報われた」と語った。


 ハプスブルクはノルマン・ナト、ルイ・アンドラーデとともに、リアルチーム・バイ・WRTの41号車オレカ07・ギブソンを駆り、選手権首位の38号車オレカ07(JOTA)を抑えてクラス優勝を果たしている。


 オーストリア人ドライバーはレース中盤に順位を失ったが、その後リカバリードライブを実行しながら終盤に追い上げ、最終的にクラストップチェッカーを受けた。


 彼によると、41号車オレカは3時間目に22号車オレカ07(ユナイテッド・オートスポーツUSA)のフィリペ・アルバカーキをパスして首位に立った後、チームからの「トリプル・スティントに専念するように」という指示によってポジションをいくつか落としたという。


 33号車アストンマーティン・バンテージAMR(TFスポーツ)がバリアンテ・デラ・ロギアで大クラッシュを起こしたとき、首位を走るハプスブルクは3スティント目に入っていた。


「当時は3スティント目だったのだけど、タイヤが古いと温度を上げるのが大変なんだ」とSportscar365に語ったハプスブルク。


「(3時間目のリスタート時に)ライバルたちは皆、新しいフレッシュなタイヤを使っていた。それでも4周か5周はポジションを守ろうとしたけれど、アスカリでミスをしてスピンしそうになり、危うくクラッシュするところだった」


「なんとか持ち直したが、その間に6番手まで順位を落としてしまった。そのままノルマン(・ナト)にマシンを託した。彼はニュータイヤで少し後退したけれど5番手まで挽回して、それから僕がもう一度乗ったんだ」


「残りの2スティント半で全員をパスして首位に立った」


「そういった観点から見ると、実際にはとてもシンプルなことだった。タイヤをトリプルスティントで保たせる最初の試みで失敗したが、それを除けばすべてが順調だった」

LMP2クラス優勝を果たしたリアルチーム・バイ・WRTの41号車オレカ07・ギブソン 2022年WEC第4戦モンツァ6時間


 ハプスブルクは、当初は失敗に思われたレース前半でのトリプル・スティントの要求が、後に重要だったことが証明されたと述べた。なぜなら、それはクラス順位をチャージバックすることを可能にしたためだ。


 28号車オレカ07(JOTA)がポルシェのケビン・エストーレと接触して脱落すると、ハプスブルクは10号車オレカ07(ベクター・スポーツ)のニコ・ミューラーを抜き、最後のピットストップで38号車オレカ07(JOTA)のウィル・スティーブンスをかわしてトップに躍り出た。


 ハプスブルクは、「トリプル・スティントでリスタート後に6番手まで落ちたが、最終的には報われた」と語った。


「最後にはみんながトリプル・スティントをしなければならなかった。その中で僕たちはフレッシュ(タイヤ)を履くことができた。それが実を結んだ。僕たちにとって良い戦略になったと思う」


■同時ピットストップで逆転許したJOTA。原因は給油ミス


 一方、リアルチーム・バイ・WRTに破れクラス2位となった38号車JOTAのスティーブンスは、彼のクルマと41号車のピットストップタイムが5秒違ったのは、38号車の給油エラーが原因だったとSportscar365に語っている。


「給油時間が長すぎた。(最後のスティントに向けて)余分に給油されたんだ」とスティーブンス。


「対WRTにおいては非常にタイトな展開になっていたと思う。(仮に首位を守ってコースに復帰しても)大きくリードすることはなく、かなりタイトな戦いになっただろう」


 彼は、JOTAが予選で危険なリリースをしたために降格となった後、後方グリッドから挽回するために、チームが積極的な戦略を選択したことを説明した。


「実際、残り2時間半から3時間といった段階で、僕たちは本当に良い戦略をとっていた。なぜなら、もし完全なグリーンレースが続けば、その時からピットストップが他のチームよりも1回少なく済むことになっていたからだ」


「そのため、僕たちは残り2時間半の時点からフルグリーンのレースを望んでいた。だから、フルコースイエローが出たとき、最後の給油スプラッシュでWRTのマシンと拮抗することは分かっていたんだ」


 スティーブンスは38号車の最終スティントを担当したが、これは当初の予定ではなく、最後の1時間でトラックポジションを維持するために計画が変更されたのだという。


「(当初の計画では)最後の給油のタイミングでタイヤも交換して、アントニオ(・フェリックス・ダコスタ)がチェッカーを受ける予定だったんだ」


「このコースはトラックポジションがすべてだから、1スティント半を終えた時点で、このままではいけないと判断し、計画にはなかった3スティントまで伸ばそうとした」


「最初のスティントではダブルで行くつもりでハードにプッシュしていたのに、トリプル・スティントに切り替えてたので最後は大変だったよ。それでも、何とか(タイヤを)マネジメントして2位でフィニッシュできた」

JOTAの38号車オレカ07・ギブソン 2022年WEC第4戦モンツァ6時間

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