勝負を“避けられなかった”大谷翔平 土壇場で見せた偉才に敵捕手も脱帽「良い打者は修正する。オオタニも例外じゃない」
2024年7月13日(土)16時0分 ココカラネクスト
勝負所で仕事人ぶりを見せつけた大谷。その打力には敵捕手も感嘆した。(C)Getty Images
超満員の敵地で大谷翔平(ドジャース)はドラマを作った。
現地時間7月12日、敵地でのタイガース戦に「1番・指名打者」で先発出場した大谷は、5打数1安打1打点を記録。同点で迎えた9回に決勝打を放ち、チームの連敗ストップに貢献した。
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フィリーズとの3連戦では3連敗の屈辱を浴び、怪我人が相次いでいるチームも4連敗と決して状況は芳しくなかった。そんな何とか「勝利が欲しい」という一戦で大谷は見せ場を作った。
8回に3-3として迎えた9回、2死一、三塁の絶好機で打席に立った大谷は、相手5番手で、初対戦となった左腕タイラー・ホルトンと対峙する。
この時、タイガースには大谷との勝負を避ける「満塁策」も講じることはできた。しかし、あえて勝負に出ていた。試合後に地元紙『Detroit Free Press』の取材に応じたAJ・ヒンチ監督は「後ろを打つスミスは左投手に滅法強い。もちろん、オオタニはオオタニだ。どちらでもタフな相手に変わりはないが、今日のオオタニはスクーバル(先発した左腕)に対して厳しいスイングを見せていたし、ホルトンも左打者に対してかなり良いから勝負した」と明かしている。
結果的に智将の策は裏目に出た。「ほんとにヒットで、1得点でいいので、何とか打ちたいと思っていた」という大谷は、ホルトンがカウント1-0で投じたインハイへのシンカーを強振。センター方向に飛んで行った打球はワンバウンドでフェンスを越えた。
相手の警戒をかいくぐり、勝負強さを発揮した大谷。ここぞという局面で結果を出す姿には、マスク越しに見ていた敵捕手も脱帽するしかない。
試合後に米ミシガン州のスポーツ専門局『Bally Sports Detroit』の取材に応じたジェイク・ロジャースは、「相手にするのはタフな打線だった。我々もいい仕事ができていたけど、走者を出され、得点を許した。敬意を示すよ」とドジャースを称賛した上で、こう続けている。
「本当に彼らはプロフェッショナル打者たちだ。僕らは今夜、オオタニを抑えられていたと思う。でも良い打者は試合中に修正してくる。彼も例外じゃないんだ。最後は変化球を捉えられ、長打にされ、失点したよ」
持ち前の打力で敵チームをアッと言わせた大谷。その勝負師ぶりは圧巻であった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]