「打てないのは自分の技術不足」――日本選手初の金字塔を生んだ大谷翔平の飽くなき探求心 メンタルを言い訳にしない凄み
2024年7月14日(日)18時0分 ココカラネクスト

タイガース戦で200号をマークした大谷。(C)Getty Images
大谷翔平は球史に残る金字塔を驚異的なスピードで打ち立てた。
現地時間7月13日、敵地で行われたタイガース戦に「1番・指名打者」で先発出場した大谷は、5回に29号ソロを記録。日本選手では初めてメジャー通算200号の大台に到達した。
【動画】大谷翔平、圧巻の200号! 弾丸ライナーで金字塔は達成した
メジャー7年目、通算794試合での大台到達は記録的なハイスピードだ。ヤンキースのアーロン・ジャッジ(671試合)やメッツのピート・アロンソ(710試合)のそれにこそ及ばないものの、通算660本塁打を誇るウィリー・メイズ(811試合)、さらに通算714本塁打を記録した“野球の神様”ベーブ・ルース(817試合)は超えた。投手も兼任してきた背景を考えれば、まさに異次元と言っていい。
今年4月21日には松井秀喜氏を抜く、日本選手トップのメジャー通算176号を放ってから約3か月での快挙。これはまさに技術にこだわり、高めてきた努力の賜物でもある。
「メンタルを言い訳にしたくはないので、そこを含めて技術だと思ってます」
これは、今年4月にドジャース移籍後第1号を放った試合後に米スポーツ専門局『Sports Net LA』などの囲み取材で残した言葉だ。
開幕直後に自身の盟友とも言えた水原一平氏の違法賭博スキャンダルが発覚。球団を解雇されるショッキングな事件が起こり、大谷の心労も想像に難くなかった。メンタル面を言い訳にしてもおかしくはなかった。実際、1号が生まれたのは、開幕から自己ワーストとなる41打席目だった。
それでも先述の通り、メンタルを大谷は言い訳にしなかった。スランプを「己の技術不足」を捉え、常に打撃の改良に努めたのだ。シーズン真っ只中の6月には、打席に立つ位置を変更。ホームベースの先端にバットを置き、正確に測ってから足の踏み場を決めるようにし、ボールの見え方を工夫した。
自身が決勝打を放った現地時間7月12日のタイガース戦直後には、米メディアから調整をし続けているワケを問われ、「基本的には状況によりけりのバッティングはあると思うんですけど、やること自体はそこまで変わらない。打てていないのは自分の技術不足なんじゃないかと思っているので、そこを上げる作業を今後もやりたい」と前を向いた。どんな時も慢心するような素振りは見せなかった。
松井氏の記録を塗り替えた際に「個人的にはもっともっとたくさん打つつもりでいる」と意気込んだ偉才は、おそらく節目の200号にも満足はしていない。
果たして、ここからどれだけのドラマを我々に見せてくれるのか。二刀流の復活を含め、大谷の一挙手一投足への興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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