ジョセフ日本の23歳新星・姫野和樹、2019年W杯でも負けない、負けたくない

7月14日(土)14時1分 スポーツ報知

サンウルブズの姫野和樹(カメラ・関口 俊明)

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 2019年に日本で開催されるラグビーW杯。新鋭の姫野和樹(23)=トヨタ自動車=は17年11月の日本代表デビューから、複数ポジションをこなせるFWとして頭角を現した。世界最高峰のスーパーラグビー(SR)に参戦する日本チーム、サンウルブズの一員としても活躍し、13日に最終戦のレッズ戦(オーストラリア)に臨んだ。笑顔が魅力的な明るいキャラクターに迫った。

 日本ラグビーの歴史が変わった15年W杯の南アフリカ戦の劇的勝利。今年6月の日本代表3連戦全てに出場し、19年W杯日本大会の代表入りが有力な姫野も、心を動かされた一人だ。

 「南ア戦を見てから代表への思いが強くなった。日本はやっぱりすごい、格好いいって。次は自分が桜のジャージーを着て、この舞台でやりたい、と思いました。今その立ち位置にいることは自覚しています。自分自身に負けたら終わり。W杯メンバーに残れるように妥協せずにやりたい」

 昨年11月4日のオーストラリア戦で代表デビューしトライも決めた。今季は日本代表の強化に直結するSRのサンウルブズに初参加し、開幕スタメンを勝ち取った。世界最高峰リーグでもまれ気付いたことがある。

 「日本人って弱くない。昔から固定概念があった。自分が弱いと思い込んでいいタックルできないことがあったけど、同僚の外国選手のやり方をまねてみたら、当たり負けしない。日本人でもやれるんだ、とすごく感じた」

 中1でラグビーに出合う前は地元の球団・中日が大好きな「ガキ大将」。競輪学校に通っていた父譲りの太い太もも、ふくらはぎを誇る体力自慢で、部活の野球やサッカーより、友達を引き連れて公園で遊び回るのが大好きだった。

 「かけっこは昔から1位。運動会のスターでした。スゴく負けず嫌いで、どんなゲームでも絶対に嫌だった」

 負けず嫌いぶりでは、中学時代に、空手をやっていた先生との腕相撲でちょっとした“事件”も起こした。

 「中2の頃にずっと負けていたので、毎日ロッキー(映画)の音楽がかかるんじゃないかってくらい、部屋で腕立て伏せとか黙々とやりました。卒業前にもう一回勝負してもらって、勝ったんですけど…先生の肘が折れちゃったんです。謝ったら、折れたのがお前じゃなくて良かったと言ってもらえました」

 入学時に170センチあった身長は今と同じ187センチまで伸びた。春日丘高では1、2年時に花園出場。高3で将来の代表候補が集まるジュニア・ジャパンに“飛び級”選出され、帝京大1年だった13年7月、日本代表候補合宿に抜てき。トントン拍子に階段を上っていたが落とし穴があった。

 「合宿初日に左足の第5中足骨を折ってしまって。1年半くらいラグビーができず、『一生できないんじゃないか』と悩んだ時期もあった。何ができるか考えて、とにかく体を大きくしようと思って118キロくらいまで増やしました」

 2年になり復帰したが、増量が災いして走れず、先発を勝ち取れなかった。乗り越える原動力になったのは負けず嫌いの性格だった。

 「挫折ばっかり。大きくて走れないので(交代で入る)インパクトプレーヤーがいいと言われた。でも『絶対に超えてやる、先発を取ってやる』ってエネルギーになりました。体重をいい具合まで落とし、4年生でやっと先発できるようになった」

 大学選手権8連覇を達成し、トヨタ自動車加入。07年W杯で南アを優勝に導いた名将ジェイク・ホワイト監督に加入初年度で異例の主将に抜てきされるまでになった。ただ、リフレッシュは下手だったという。

 「試合後、家でビデオをすぐ見て反省したり、ミーティング後にカフェでノートにひたすら書いたり。暗いんです(笑い)。ストレスがたまって落ち込んで、ラグビーをしたくない状態までいっちゃう。最近は試合後に友達と会ったり、遠征先でも仲間と飲みに行ったりするようになった。ニュージーランドはおいしいビールがありましたよ。心のリフレッシュはうまくなったかな」

 厳しい練習後でも笑顔を絶やさず対応する姿にラグビーファンから人気は高い。日本開催の19年W杯は、競技を知らない人たちにも興味をもってもらう絶好の機会でもある。

 「FWとしてはコンタクト(接触プレー)を見てなんぼ、と思う。人と人がぶつかり合う場面とかが醍醐味。そういうのを楽しんでもらえれば。攻撃が好きなのでトライは常に狙っています。ウィングみたいなステップ切っていると自分では思ってます(笑い)」

 他競技にも興味があり、海外サッカー情報はマメにチェックしている。

 「香川(真司)選手が所属しているドルトムント(ドイツ)のクロップ元監督が愛情があふれていて好きでした。現地でビール飲んで試合を見るとか、クラシコ(RマドリードVSバルセロナ)を見てスペイン観光とか夢なんです。(J1神戸入りする)イニエスタは見に行きたい!」

 同い年の米大リーグ・大谷翔平も気になる。

 「ぜひ、いろいろな話を聞いてみたい。スポーツのこと、トレーニングの仕方、どういう心構えなのか。(フィギュアスケートの)羽生くんも。野望です(笑い)」

 野望をかなえるには、W杯での活躍も近道となるはず。「今できることを追求する」。その先に、無限の可能性が広がっている。(ペン・大和田 佳世)

 ◆姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年7月27日、名古屋市生まれ。23歳。御田中からラグビーを始め、愛知・春日丘高(現中部大春日丘高)では1、2年時に花園出場。帝京大では大学選手権8連覇に貢献。2017年4月からトヨタ自動車。ポジションはロック、フランカー、NO8の「どこでもできるのが強み」。日本代表は17年11月デビュー。

スポーツ報知

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