F1 Topic:RBのアップグレードの問題は“フロア”にあり。高速コースのスパまでに修正は間に合うか
2024年7月15日(月)12時48分 AUTOSPORT web

なぜ、RBのアップグレードは不発に終わったのか?
F1第12戦イギリスGPで角田裕毅に失速の原因を尋ねると、「完全にはつかめていませんが、だいたいの理由はわかっています」と回答した。
つまり、第10戦スペインGPで投入した多くのアップグレードのうち、何が機能していないかについて、チームは把握しているようだ。
では、それはどのパーツなのか? 当初、不発に終わったパーツはリヤウイングだと思われた。スペインGPでDRSにトラブルを抱えていたからだ。しかし、イギリスGPで角田に、スペインGPで投入したリヤウイングをその後使っているかどうかを尋ねると、角田は「オーストリアGPから使っています」と答えた。
ここでこの3連戦でRBが採用した空力パッケージの仕様を整理しよう。
■第10戦スペインGP
・最新のアップグレードパッケージ
ただし、リヤウイングがトラブルに見舞われたため、リヤウイングのみ従来バージョンを使用。2台とも振るわなかった。
■オーストリアGP
・旧型+新型のハイブリッドパッケージ
2台で仕様を分け、フリー走行1回目の後に、角田が採用した空力パッケージにダニエル・リカルドが変更。
■イギリスGP
・スペインGP+オーストリアGPのハイブリッドパッケージ
果たしてオーストリアGPで採用した旧型のパーツはなんなのか。CEOのピーター・バイエルを直撃すると、こう回答してくれた。
「今回のアップグレードで問題となっているのは、じつはフロアで、シルバーストンでは古いバージョンを使用していた」
バイエルによれば、最新バージョンのフロアは高速コーナーで想定通りのダウンフォースが出ていないという。それがスペインGPで角田が高速コーナーでアンダーステアになっていた原因だったと考えられる。
では、オーストリアGPとイギリスGPでRBが使用していたフロアはどのバージョンなのか。バイエルによれば、「6戦目のレースで使っていたものだった」と言う。それはマイアミGPバージョン。つまり、6戦前のフロアで12戦目のイギリスGPを戦っていたことになる。
それでは最新のアップグレードを入れてきたハースに太刀打ちできないのは当然で、ドライコンディションでウイリアムズにも逆転されるのはいわずもがなだった。
フロアは最も開発期間の長い空力パーツ。次のハンガリーGPまでに最新のフロア投入は間に合わないだろう。
ただし、バイエルはこう語る。
「ハンガリーGPは低速サーキットなので、もともと最新バージョンを入れる予定はなかった。問題はその次のスパだ。ただし、最新バージョンのフロアを一からすべて作り直すわけではなく、最近の走行データをもとに、細かいところをモディファイすれば使えるかもしれない。ハンガリーGPまでの2週間でファクトリーの開発部隊がどんな応急対策をしてくるのかを待ちたい」
そう考えると、イギリスGPの角田の10位入賞は、かなり価値がある1点だったということがわかる。
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