ホンダ 2019スーパーフォーミュラ第4戦富士 レースレポート

2019年7月16日(火)12時55分 AUTOSPORT web

Round.4
富士スピードウェイ
静岡県 駿東郡


予選:7月13日(土)
決勝:7月14日(日)


アレックス・パロウがポール・トゥ・ウインでスーパーフォーミュラ初優勝


 7月13日(土)〜14日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で2019年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第4戦が開催されました。


 レースウイーク中は梅雨前線の影響で、不安定なコンディションとなりました。13日午前中のフリー走行はドライコンディションでしたが、午後には雨が降り始め、公式予選はウエットコンディションになりました。予選Q1からドライバーたちは全員レインタイヤで走行、タイムアタックを始めました。


 Q1からQ3までのセッションが行われ、その結果初のポールポジションを獲得したのは、#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)でした。パロウはスーパーフォーミュラルーキーで、デビュー4戦目の快挙でした。4番手に#16野尻智紀(TEAM MUGEN)、8番手にQ3でマシントラブルに見舞われタイムアタックができなかった#65牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)が続きました。

予選Q3でトラブルのためアタックができなかった牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)


 14日は朝から雨となりました。途中小降りになったものの決勝レーススタート直前には再び雨が強まり、全車がレインタイヤを装着、セーフティカー先導でレースは4周目から始まりました。ポールポジションのパロウはタイミングをうまくつかんで加速。トップの座を守ると、2番手の#39坪井翔(トヨタ)を引き離し始めます。4番手からは野尻がスタートしましたが、4周目に1つ順位を落としました。

アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)


 雨が徐々に強まるなか、パロウはスパートを続け、後続車との間隔を開け、レースの折り返しでは約8秒の差をつけ独走状態に持ち込みました。雨は降り止まず霧も下りてくるなど、コンディションはさらに悪化します。レインタイヤでスタートしたことでタイヤ交換義務はなくなっていたことから、TCS NAKAJIMA RACINGは、給油を行わずそのままレースを走りきる作戦を選択。パロウに燃料消費を抑えるよう指示を出していました。


 一方、5番手の野尻はレース半ばに後続に迫られる場面もありましたが、各車燃費作戦に転じたこともあり、5番手のポジションを守ります。レース終盤の44周目、3番手を走っていた#19関口雄飛(トヨタ)が給油のためピットイン、野尻は4番手へポジションを上げ、無給油でポジションを守る作戦に出ます。

中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)とバトルを繰り広げる野尻智紀(TEAM MUGEN)


 レース終盤、トップを独走するパロウは2番手坪井との間隔を10秒以上保ったまま周回を重ねました。ウエットコンディションが続き平均ラップタイムが上がらなかったため、レースは当初予定の55周を消化する前に制限時間の95分に達し、53周目で終了となりました。


 パロウはスーパーフォーミュラのデビュー後4戦目にして初めての優勝をポール・トゥ・ウインで飾りました。中嶋悟監督率いるTCS NAKAJIMA RACINGにとっては2010年以来となる国内トップフォーミュラにおける優勝でした。この結果、パロウはシリーズポイントランキングで、トップの#1山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、2位の#37ニック・キャシディ(トヨタ)に次ぐ3位に浮上しました。


大湯が全日本F3第11戦で表彰台


 なお、併催された全日本F3選手権シリーズ第11戦で、TODA FIGHTEXの大湯都史樹が3位に入り、第10戦の優勝に続き表彰台に上がりました。

全日本F3選手権第11戦で3位表彰台を獲得した大湯都史樹(TODA FIGHTEX)


コメント
アレックス・パロウ(優勝)


「チームが本当によくがんばってくれました。レースでは燃費が非常に厳しい状況でした。チームから燃料をセーブするようと伝えられ、途中さらに(燃費を)セーブしろと言われ、たいへんでした。でも結局はみんな同じ条件だったので少しずつ引き離すことができたんだと思います」


「ウォータースクリーンで何も見えず、周回遅れをオーバーテイクするときなど、何度かミスをしましたがなんとか無事走りきれました。今シーズンは、正直なところもっと早く結果が出せると思っていました。このレースでつかんだ勢いのまま、シーズン後半も戦いたいと思っています」


中嶋悟(TCS NAKAJIMA RACING 監督)


「レースを見守りながら、もう大丈夫だろうと思ってはいましたが、久しぶりのことなので最後まで気が抜けませんでした。2010年以来の優勝を遂げることができて本当にうれしく思います。パロウはいいペースで走っていたので、予定より早くチェッカーが振られることを知らせてしまったらペースが狂うかもと思い、あえて最後まで伝えませんでした」


「今年になって牧野、パロウの2人がいいレースをしてくれて、開幕から4戦目でこんな結果をプレゼントしてもらえてうれしいし、また味わいたい気分がします。パロウが勝ったこともうれしかったけれど、若いメカニックたちが喜んでいる顔がなによりうれしかったです」

スーパーフォーミュラ第4戦を制したアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)


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